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radicalteenager-foreverのブログ

感じるままに 叫んでみよう

この間読んだ作品があまりにも良過ぎて、文章化するのに

手間取ってしまい、7月中旬に5、6月分をアップしますアセアセ

 

 

この作家さんの作品3作目です。

2作目がいまいち好みではなかったことと

歴史が苦手な私が楽しめるとは思えなかったため

月刊誌の連載は第1話を読んだ段階で継続購読は断念しました。

 

ところが単行本になった際、さくちゃん推しの友達が

「これまでの作品のなかで一番おもしろかったよ」と話してくれました。

で、読み始めてみると…すごくおもしろかったニコニコ

作者の色や影はほぼ感じず、ひとつのエンタメとして楽しめました。

歴史に詳しければもっとたのしめたのかもしれないけど

知らないからこそ「そうなんだ~」と思えることも多かったですスター

 

特撮映画のこと、神社のことなど詳しくて、驚きましたし

また、知らないことばの使い方がいくつかありました。

誤植?と思ったりして調べてみると、ちゃんと存在することばでした。

例えば、「たかさか」とか「あにはからんや」とか…

本当に広く、深い知識をお持ちだなと感心しました。

 

そんななか神様が「グズグズシナイデ」って、

とっても人間臭いことばを使っていて

クスッとしてしまいまいたてへぺろ

 

とにかく設定もストーリーもぶっとんでいて、あっぱれでしたベル

でも最後の納め方は作者の優しさが表れているかなと…

すてきなきょうだい愛、家族愛の話でしたね。

作者が家族愛やきょうだい愛溢れるなかで

生きて来られたからかなぁ~という感想です乙女のトキメキ

 

 

 

この本を読むきっかけは、芸人さん結婚発表コラムを読むために

手にした本の情報誌で目にしたんだと思います。

 

コロナ禍、正規雇用の場を得ていない40歳の独身女性が

将来に不安を抱き、家賃を抑えるため、

40歳以上の女性であることが入居条件であるシェアハウスに

移り住んだことから始まります。

 

いざ暮らし始めると住人たちはそれぞれ女性特有の様々な事情を

抱えていることが分かります。

 

一方で、自分はアルバイトをしながら、ここでの生活を続けるという

人生でよいのか、自分は何をやりたいのか?

これからの生き方を模索していた主人公がこのシェアハウスでの

生活、出会いをきっかけにやりたいことを

見つけていくというお話でした音符

 

主たる登場人物が40歳以上の女性だったので、共感できることが多く

特に抱えている不安については胸が痛くなることもあるくらいでした。

 

そのような箇所をメモ…メモ

 

独身でアルバイト生活である自分の足場が弱いことへの

不安を語っている場面…

P254

どんなにがんばっても、未来は見えない。

努力したら夢をかなえてくれるほど、神様は優しくない。

積み上げてきたものが一瞬で崩れてしまうこともある。

先のことを考えれば、誰だって不安になる。

 

独身の女性が安心して暮らせる場所を増やしていきたい

という思いを語る場面

P262

健康で普通に生きてきた女性も苦しい思いをしていて、

将来に不安を感じている。

何か分かりやすい問題があれば、シェルターのようなところで

保護してもらえたり、公助を頼ることもできる。

でも、今は、そこまでではないところで、苦しんでいる人が

たくさんいる。

 

「大事なのは自分への信頼だ」

P266

夫の収入に頼らなくても生きていける、もしも離婚することになっても

困らずひとりで生きて暮らせる。

彼が急になくなってしまったとしても私の人生が

左右されることはない。

そう思えるから結婚生活が送れる。

もちろん、彼に対する信頼もある。

でも、一番大事なのは自分自身への信頼。

 

自分も女性を守る仕事を手伝っていきたいという思いを話す場面

P292

女性の差別や貧困に関する問題は根が深くて、

簡単に解決できることではありません。

高齢化も進んで、問題は増えていきます。

目を逸らして生きていく方が楽かもしれない。

でも、わたしは、知ってしまったし、考えるようになった。

そこから逃げたくないんです。

 

←「わたしは、知ってしまったし、考えるようになった。

そこから逃げたくない」

私が社会福祉の領域で仕事や考えることを続ける理由が

まさにコレだと思います!!

 

終盤になって、なぜここが独身女性しか入居できないのか、

その理由が分かり驚くとともにちょっぴり悲しく、切なくなりました。

しかし結果的には優しい気持ちになれましたピンクハート

 

また、私は共同生活の場の物語が好きなのかも?と気付きました。

お気に入りの本やドラマがシェアハウスを舞台にしていることが

多いですし、このブログで紹介している本のなかにも

共同生活の場を舞台にしていることが結構あるように思います。

 

これも買ってもいいかなと思えるくらい好きな作品でしたキラキラ

 

 

テーマがテーマだけにいつもどこか不安な影を感じる作品なのですが

かよさんが登場するとホッとするなぁ~おねがい

ずっと続いている話のなかに、サラッとした読み切り作品も

挟まれていました。

8050問題も取り上げられており、次号に続くのだけど、

どうなるんだろう?

また、最後の最後に久々の人も登場し、次号が楽しみです星

 

 

 

TVドラマのseasoa2が放送されることを知った際に、

最新刊が出ることも知って購入。

ついに「コレ、私でも作れるかな」と思う料理が描かれているページに

付箋をはるまでになってしまいましたアセアセ

私より随分若かったおふたりも、今では私と同世代になり

愛情という感情を素直に出せるようになっているシロさん。

おまけに五十肩にもなっているし…イヒ

ひとりで生きていくことに特に困っていない私が

誰かと一緒に歳を重ねることの素敵さを感じさせてくれる作品です。

 

 

 

コロナが広がり始めた2020年3月頃が描かれていて

当時の不安を思い出しました。

いつもはマンガの部分だけを読むのだけれど

今回は各話の最後に書かれている記事(コラム?)も読みました。

コロナ禍の児相の実態や虐待の通報が減ったこと、

職員の苦労としてさらに子どもの様子を確認することが

難しくなったこと 保護所レベルでの苦労などなど

胸が痛くなるような実態が報告されていました。

児相は、私が大学卒業する段階で就職したいと希望していた職場です。

あのまま就職していたら、私に対応できただろうか?

現場で踏ん張っている人達には、ただただ脱帽です。

 

 

 

電車のなかで広告を見て予約しました。

いろいろな家族のあり方が描くことの多い作家さんですが

今回は「個」がメインだった気がします。

もちろんその「個」には家族がいて、家族関係や家庭環境も

描かれているのですが…。

自分には何の特徴も才能もないと思っている主人公が

もしかしたら自分は人の心が読める特殊な力が備わっているのかも?

と思い、その力を発揮していく、しかしそれは勘違いであり、

でも人の心が読めていないわけでもなく…

 

なぜ、人の気持ちが分かるのか?

それは目の前の人の思いに心を寄り添わせれから…

ということでしょうか?

それは、能力というより素質なのかなと思います。

そしてそれはとても素敵なことだと思います合格

 

バイト先のマスターは口も態度もとても悪いので、

アルバイトに入った人は長くても2日くらいで辞めるのに、

この主人公以外はマスターのことを嫌いながらも続けている。

それはマスターの言動に裏にある思いを考えたり

ちょっとした優しさに気付いたりできるから。

 

そこに新たなアルバイトの女性がやってくる。

彼女は人の心が読めない。それゆえマスターの嫌味にも

全く動じない。

主人公がそんな女性のことを心配し、思いやっていると

ある時、どこかから彼女の気持ちを代弁するような声が

聞こえるようになる。その声の正体は…!!

この部分がファンタジー過ぎて、そこはスッキリしませんでした。

その声が聴こえるということは特殊能力があるということになり、

この物語の主旨に反する気がするのですが…汗うさぎ

 

女性のバイトさんが入ったことで、主人公とマスターとの関係性が

徐々に変化していく様はすごく好きでした音譜

 

 

 

コイズミさんがポッドキャストで発信している

書籍関連の配信のなかから

独立系本屋の店主3名と女性作家との対談を書籍化したものです。

 

コイズミさんは人の家に行ったら本棚を見てしまうとのことですが、

私も同じですチョキ

対談の後に掲載されている一問一答の「初めて読んだ本は?」

という質問がその人の本棚を見ているようで嬉しい企画でした。

特に、自分で本屋さんをするような人がどんな本を挙げているのか

興味津々でしたが、個性的過ぎて私が読みたいなと思うような本は

なかったです汗うさぎ

 

対談内容はおもしろく、記憶しておきたいことばがたくさんびっくりマーク

 

●難解な本を読むことについて

最近の文学に慣れてしまうと、純文学に答えを見つけようとする

傾向がある。分からないことが楽しいのに。

 

「意味わかんない」、「難しかった」、「分からない」と

簡単な感想にしてしまう…今まで考えなかったことを

考えるチャンスなのに。

 

分かったものは頭のなかからなくなっちゃう。

理解できないものを取っておくというのは本を読む楽しみの

ひとつだし重要だ。

 

←私も(特に純文学について)簡単に「難しい」と

終わらせてしまうので、なるほどと納得。

「分からない」と感じた時にこのことばを思い出そう。

 

●ユーモアについて

SNSに批判的なことを書いていてもユーモアがあって「上手い」と

感心することがある。

ユーモアは大事。それは言葉に興味をもち、

言葉を知ろうとしないと行きつかないのではないか。

 

←ユーモアが大切というのは私も日々実感しています。

仕事をしているとシビアなことを伝える必要が出て来るのですが、

どう伝えるかが問われます。

伝えたい内容は同じでもどのようなことばで、どのような雰囲気で

伝えるかによって伝わり方が変わってきます。

ことばは時代とともに変化するものだけど、それを知らず、

また知ろうとせず、過去の使われ方にこだわっている人には

「ユーモア」を表することは難しいのかなと思います。

また、関西芸人に学んだユーモアのセンスはとても役に立ちますハイハイ

 

●黒猫の話

黒猫は黒いから隠れるのが得意。

見つからないという自負があるらしく、だから他の種の猫より

危機管理能力が弱い。

ゆえに、自分の存在を容易に示す「しゃべる猫」はほぼ黒猫黒猫

 

←おもしろい話だなと思ってメモ鉛筆

 

●自分の感情を言葉にすることについて(対談)

A:感情を広げるとめんどくさい気がして悩みなどを

言葉にしようとしなかった時期があった。

B::いちいち言葉にすることはどうかとも思う。

人に言わなくても自分の中で言語化することで知らなくていいこと、

気付かなくていいことに気がついてしまう。

言語化する時間があれば生きた方がいいのではないかと思う。

言葉の功罪。言葉に頼り過ぎることは危うさを伴う。

A:でもその言葉に救われるひともいる。

文字の一個ずつは記号なのに、音も含め音楽みたいになる。

人それぞれに同じことを言おうとしても違う音楽になるところが

面白い音符

 

←Bさんは作家でありながら、言葉に向き合うということと

相反する考えで興味深いです。

ちなみにこの対談相手のBさんは私が好きな作家さんです

この作家さんから「自分は言葉に頼り過ぎ」ということばが

何度も出て来て、そのことばに重みを感じました。

結局、それだけ言葉に向き合っているのだろうな~と思いました。

 

●雨粒を見るのが好き雨

窓ガラスに雨の粒が落ちてきて、それが次々に合体して

大きくなって速度が速くなるのは見ていて飽きない。

 

←私も雷

幼い頃、親の車で出かけている時に車窓に落ちて来る雨粒が

合体して速度を増して流れていく様を見続けるのが

とても好きだでした。

そういう時間の使い方はなくなってしまったな~タラー

 

第二弾が発売されるので予約中です音符

 

 

次は、6月に読んだ本です本

 

 

望む時に戻れる喫茶店シリーズの最新刊です。

①「離婚した両親に会いに行く少年」、②「亡くなった夫に

赤ちゃんと一緒に会いにいく女性」、③「結婚を許してくれなかった

父親を許せなかった娘」、④「自分から距離を置いてしまった

親友に会いに行く」の全4話キラキラ

 

①少年が、再婚し幸せになっている両親に会いに行く理由に

泣けました。

子どもは子どもなりに親の幸せを願っているのですね。

オトナの事情で小さい子どもが小さい身体で

小さな胸を痛めているという描写は切な過ぎますね。

オトナにはオトナの事情があるのは仕方ないことですが、

その際「子どもには分からないだろう」ではなく、

子どもの心痛を慮れるかどうかが大切になると思います。

 

②誰かも一緒に過去に行けるという初のパターンです。

子どもが生まれる直前に亡くなった夫に名前を付けてもらおうと

過去に戻るお話。

夫はこの喫茶店のことは知っているため、

「会いに来られる=自分はこの世にいない」ことを

知らせに行くようなものなので、迷いに迷って…

会いに行く妻も、会いに来られたことを受け止める夫も

覚悟を要する話で胸が苦しかったです。

 

③自分の結婚を許してくれなかった父親を許せないまま

亡くしてしまった娘の話

支配的(だと感じていた)父親の反対を押し切って結婚したものの

うまくいかず、反対した父親の気持ちが分かった気がした娘と

反対したことを後悔し続けている父親が時間を遡って

再会するというお話。泣きに泣きましたえーん

 

④大好きだった親友に少しずつ嫉妬を抱き、

自らから距離をとってしまっていた女性

やっと出席する決意ができた同窓会でこの親友の想いを知り、

謝罪のためこの友に会いに行く。

その時にはもう…

でも、この親友にとって過去に戻って会いに来てくれたことで

想いを伝えることができ、心置きなく発つことができたのではないか

と思います。

 

 

 

グループホームで過ごすダウン症の主人公「ぼく」の、

新型コロナウィルスが一気に蔓延した2020年4月1日~5月31日の間の

食事のメニューと小さなエピソードが描かれた日記です。

同じ障害を持つ仲間やホーム職員、家族とのやりとりを、

時にユーモラスに、時にしんみりと表しています。

障害者と周囲との関係性、当事者の行動の背景にあるもの、

そして障害について理解のない世間と

温かく受け止める地域の実態が見えてきます。

真の意味で当事者とともに生きているからこそ

描くことができた作品だと思います。

『架空OL日記』を彷彿させる手法だなと思いました花

 

 

お友達のブロガーさんが紹介していた酎ハイ白ワイン

 

 

紹介されていた通り、しっかりレモン酎ハイだったニコニコ

だからゴクゴク飲んでしまった…6度なのにあせる

 

CDはまだ聴いていませんイヒ

次のライブまでには聴きます…たぶん💦

一冊のみの4月ぐすん

 

 

 

タイトルの通り、「食べる女」の短編集

食べるのは「食べ物」だけでなく「男」も…てへぺろ

どの話にも濃淡はあれど、異性とのからみが描かれています

だからでしょうか?登場する女性のタイプは様々なのですが

エネルギッシュな印象は共通している気がしました爆弾

 

食事シーンもたくさん登場するけれど、一番食指が動いたのは

鍋料理の話鍋

父親が好きだったという具材が二種類までの「スッキリ鍋」

お揚げと水菜だけとか豆腐のみとか…二種類までなのに

季節の食材の新たな組み合わせを楽しんだししていて、

これからしばらくは鍋料理からは離れるけれど、

次の冬には挑戦してみたいなと思いましたニコニコ

 

読書のおもしろさのひとつに新たな表現との出会いがあります。

例えば、大好きな女性作家さんが使う「たっぷり」ということばが

私は大好きなのですが、この本のなかでは

仕事に追われ家族とのおいしい食事の時間さえとれず、

また仕事でも手応えを感じることができない日々を

「感覚も細胞もカサカサと麻痺してく」と表現 P107

 

また、大好きなソラ豆を食べるシーンでは、

さやから取り出すところから茹でるところ、

ザルにあげて団扇であおぐ場面まで、魅力的に描いた後に

ビールといただくという場面では

「ポクポク」という表現が使われているビール

「ビールでも飲みながらポクポクといただく」

「きりがないくらいポクポクと食べてしまう」と…

ソラ豆、あまり好きじゃないんだけど、食べたくなっちゃったにっこり

しかも先述の鍋とは異なり、ビールがさらに美味しくなる

これからの季節に挑戦してみたいなと…スター

 

 

通勤電車のなかではほぼ爆睡だし、遠征することもなくなったので

すっかり本を読む時間が減ってしまいました。

それでも2月に読んだ本はとてもよい内容でしたスター

 

《2月》

 

 

大好きな芸人さんが連載しているコラムのなかで

結婚を発表したことを知り、急遽購入した本に関する情報誌にて

紹介されていた一冊です!

これは読んで大正解!!

購入してもいいかなと思うくらいですキラキラ

 

シングルファーザー同士の共同生活の話です。

シングルファーザーになった理由も、子育てに対する姿勢も、

仕事に対する考え方も異なるふたりが共同生活をするなかで

親として、人間として変化、成長していくという話。

 

押し付けられるジェンダーバイアスやそれに基づいて規定される

ジェンダーギャップ。

このようなことを描く際、登場人物が女性であることが多いと

思うのですが、この本の主たる登場人物はジェンダーバイアスや

ギャップに何ら疑問をもたず生きてきた男性とジェンダーバイアスを

押し付けられ、違和感を抱き生きてきた男性の物語です。

 

子育てを妻に任せ、会社人間として仕事第一優先で生きて来た

主人公①は、まだまだ男性中心である職場において、

子育てをしなければならなくなった時に、

いわゆる「出世コース」から外されてしまう。

そのような会社のやり方に不満はもつものの

疑問はもたない主人公①。

数年間に渡り育児休暇を取ることを希望している後輩男性と

まだまだ男性の育児休暇への理解に乏しい会社側との間で

悩んでいる時に、この主人公を慕っている女性後輩に

言われたひとこと…

 

「私たちがあとに続きたいと思えるような先輩になってください。

じゃないと邪魔でしょうがないです」 P156

 

はっきり言うなぁ~と思わず笑ってしまった爆  笑

ただこの主人公は後輩からこういうことをちゃんと

言ってもらえるのだから、まだまだ捨てたものじゃないな

とも思いました。

 

学生時代から保育者になりたいと思っていたのに周囲からは

「男が保育者なんて」と言われてきたもうひとりの主人公②は

ベビーシッターをしながら、子育てもしているほんわか

子どもへの対応はとてもきめ細やかであり、丁寧ニコニコ

 

シッターとして主人公①の娘と過ごすなかで、いつまでもこのような

生活が続くことはないし、そうなるといつか自分は忘れられてしまう

という不安や寂しさが大きくなる。

しかし、主人公①の娘さんが今、自分のことを必要としていることを

実感した時に思ったこと…

 

肩書や血のつながりではなく、行為によって親になるんだ

僕の存在が志乃ちゃんの記憶に残らなくても、

行為の中に愛があるのなら、それでいい。

大事に思う存在が、その愛を栄養にして育つのであれば、

僕がここにいる意味がある       P263

 

実は主人公②は今、自分が育てている子どもに対しても、

いつか忘れられてしまうかも…という不安や寂しさを抱いている。

それはなぜか?

意外な理由に少し驚きましたびっくりマーク

 

さらに、主人公②とその子どもが初めて「子どものお母さん」と

一緒に過ごした際に、この子どもがお母さんのことを「パパ」と呼ぶ。

自分のそばにいるオトナは「パパ」と呼ぶものだと思っているようだ。

その時に感じたこととして…

 

小さな子どもにとっての呼び名というのは、たいして意味が

ないのかもしれなかった。

世の中がママやパパといった言葉に重きを置いて、

役割を与えすぎているだけなのだ。     P267

 

など、家族とは何か?父親とは?母親とは?ということを

問うきっかけもあり、自分のなかにあるジェンダーバイアスも

意識することができたという点でもとてもおもしろい一冊でしたイエローハート

 

 

 

 

偶然目にしたドラマの原作ですスター

大好きな「かもめ食堂」と同じ原作者に出演者。

コレはぜったいおもしろいに違いないと思って読むことにしました。

 

母が営んでいた食堂をパンとスープのお店にした主人公と

アルバイトのしまちゃんとある日迷い込んで来たネコのお話猫

 

かもめ食堂はおにぎりのお店、このお話はパンとスープのお店

どちらも主人公と一緒に働く人とのやりとりが

ほのぼのとしていていいですおにぎりパン

 

私と同世代の主人公が、最近いい香りのする入浴剤を

好むようになったことに気付き、

「自分の体からいい匂いがしなくなってきたので、

いい匂いのものが欲しくなってきたのかもしれない(P69)」と

自分のオジサン化を自覚した一文に笑ってしまった笑い泣き 

私自身も、年齢を重ねると「性別」という分けが緩やかになるなと

実感していますてへぺろ

 

どうやら続編があるみたいで予約中音符

 

 

 

 

年末に出版されていたようで…慌てて購入アセアセ

前回の最後、仕事を辞めて姿を消した人については

行方不明のまま。またいつか登場するのかなぁ?

 

今回の主たる話はネット上のアイドルの配信に

投げ銭するためのお金を得るために罪を犯した男性のお話。

このアイドルは希死念慮があり、その思いに巻き込まれてしまう男性。

男性もアイドルも現代社会から「脱落者」のようなレッテルを

貼られているし、自らもそのように思っている、思わされている…

「そんなことないよ」ということを身体を張って伝えていく主人公。

その方法が奇抜なのもお約束!

そんな主人公を茶化しながらも、深く理解し、温かく見守る

みどりさんとの関係も相変わらず素敵でしたキラキラ

 

…ということをまとめているうちにアッと言う間に3月になりました。

仕事から帰って来てからPCに向かう時間を確保することも難しいタラー

 

 

《3月》

 

 

過去に戻れる喫茶店シリーズの第四弾。

設定としては第一弾の1年後だそうです。

 

タイトル通り「さようなら」が言えなかったことを悔やんでいる人のお話。

 

家庭を顧みることなく仕事に没頭していた夫が、

ある日突然意識をなくした妻に感謝の気持ちを伝えるために

過去に戻る話

 

子どものように愛していた愛犬の最期を見守れなかった自分を

責めている女性が、そのことを愛犬に詫びるために過去に戻る話

 

わがままと不安からプロポーズにちゃんと答えなかったがために

振られてしまった彼女が、彼が去った真相を知るために、

そしてプロポーズに応えるために過去に戻る話

 

母の死後、父親のことを嫌い、冷たくあしらっていた娘が、

自分を心配して上京してきた父を追い返してしまったことを後悔。

自らが幸せになること自体もできなくなったその娘が

父に会うために過去に戻る話

 

目次みた段階では犬の話で泣くかなと思っていたけど

最後の父親の話が一番泣けました泣くうさぎ

電車のなかで鼻水ズルズル

ドライアイが解消されてよかったけど…

 

未来は変えられないというルールがあるのに、

四話目の最後に一話目の妻の意識が戻りました。

そこに何の意味が込められているのかなぁ

そこまで深く読み込めなかったなぁ~悲しい

 

各巻の順番バラバラで読んだし、間隔が空きすぎているので

細かいことは覚えていなくて話のつながりが分からないところもあり

もう一度、第一弾から読み返してみたくなりました。

そして…なんと、第五弾が発刊されているではないですか!!

図書館で予約しなきゃキラキラ

 

 

 

 

大好きな漫才師さんの結婚報告を読むために手にした

本の情報誌で知った一冊。

図書館から借りた頃には、なぜ読もうと思ったのかは

すっかり忘れていましたが、読み始めてすぐに舞台が小豆島だ

ということに気付きました。

だから読もうと思ったんでしょうねルンルン

 

幼い時に家を出て行った母親が亡くなった地にやってきた主人公。

そのまま母親が住んでいた家で自分より年下の母親の夫とともに

暮らすことに…

母親が営んでいたスナックを引き継いだ夫は

あまり過去を語りたがらない

一方、毛嫌いしていた母親の住まいで暮らすことを決めた主人公にも

なんだか秘密があるようで…

 

よそ者に冷たく、排他的。そのくせ個人の事情に興味津々の

島民たちと、少しずつ交流を深めていく主人公。

島民との会話が讃岐弁(ちょっと違うけど)なので会話の場面が

スムーズに読める爆  笑

また、味噌汁に素麺を入れることに驚く主人公に驚く私びっくり

味噌汁に素麺なんて我が家では当たり前のことでしたよ。

 

母親の死から始まるので主人公の不調もすっかりそれが原因かと

思っていたら…ミスリードされちゃったあせる

最後は悲しい気持ちになることを覚悟していたのに

不調の理由を知ったら安心。

温かな気持ちで終われるいい一冊でした合格

 

主人公が漬けるぬか漬けが美味しそうで、

このスナックにも行ってみたいなぁ生ビール

 

 

 

 

お世話になっておりブロガーさんが感想をアップしていた一冊本

 

主人公がピアニストだけれど視覚障害があるという点と

この本の著者が「護られなかったものたちへ」と同じだったことから

興味を抱きましたベル

 

護られなかった…と全く異なる世界観、テーマで、

この著者の幅広さを知りました。

 

個人的におもしろく、興味深かったのはフェイクニュースというものに

対する大衆の反応について取り扱っているところです。

 

フェイクニュースにあっさりひっかかる人は山のように存在し、

そういう人は一度刷り込まれたらそれを覆すことをしない。

元々単細胞で複雑に考えるのが苦手…今の職場の人たちの多くが

このタイプで、会話の大半がゴシップネタ。

深く考えることを要するような話題が皆無でやりとりに刺激がない叫び

 

同じくこのようなことに関してのピアノの先生のおことば

「お前は健常者ってのを理想化し過ぎている。目が見えていても

何も見えていない愚かな者なんかいくらでもいる。

折角の耳を持っていても碌でもない与太話しか聞こえないヤツもいる」P66

 

自分を貶めた記者をだまして証拠を得ようと作戦を練っている際に

そんなに簡単に騙せるのだろうかと不安がる主人公に対して

「世の中には論理的に深く考えるのが苦手な人は少なくない。

そういう人は誰かの言った、いかにもありそうな根拠のないデマに

飛びつく。論理的に考えるより楽だし、正しいことをしているようで

気持ちいいからだと…

 

…上記のゴシップネタばかりしている人にもつながるよなぁ~。

 

また、視覚障害者が寝ている時に見る夢について、

夢のなかでも視覚はないので現実との相違を感じにくいという記述が

興味深かったです音譜

 

印象に残ったことばは、

「支配とは抑え込むだけではなく能力を引き出すことにも及ぶ」

 

読んでいて気になったのが、語っている主体が

コロコロ代わることです。

第三者的視点で書かれていたものが、いきなり登場人物の視点に

なるので、てっきり正体が明らかになっていない人物が

常に主人公たちの近くにいてその人が犯人なのではないかと

思っていましたガーン

この作家の杜撰さなのか、技なのか?

 

ミステリー色は強くない印象でシリーズ化されているのですね。

他のものを読んでいるとより楽しめたかも?

より楽しめたかもという点においては登場する楽曲を知っていれば…

も当てはまりますルンルン

2023年の始まりの月もあまり読めていないですぐすん

 

 

憧れのキョンキョンが出演した映画の原作です。

TVで放送された映画を観る機会があったのですが、

特に大きな出来事はないけど食にまつわるエピソードが

描かれていて、自分自身も少し料理を作るようになったので

原作にも興味をもちました乙女のトキメキ

 

この原作は食に関する短編集で、映画で描かれていたことも

少しだけありましたが、どちらかと言うと「別物」という印象です。

 

映画を観てなんとなくですが、食べるシーンがなまめかしく

描かれていることが多いなと思っていたところ、

本には明確に「食べることとセックスは愛する力を呼びおこす」と

いうようなことが強調されています。

映画を観て抱いた印象について合点がいきましたびっくりマーク

 

私がこれまで手にしてきた「食」を描いた小説に登場する料理の多くは

手の込んだ物や珍しい食材を使ったものが多かったのですが、

この小説ではたまごごはん、ラーメンやポテサラ、

肉じゃがや豆腐なども取り上げられており親近感を抱いたし、

改めて食が日常的な営みであるということ、そのパワー

みたいなものを感じましたラーメンおにぎり食パンパスタハンバーガーカレー

 

印象に残ったことばは…健康であるということについての一節。

 

ただ健康だけをめざすのではなく、不健康さえも受け入れる

強靭さをつちかうことにある。

生きていることのよろこびやたのしさは、

ひと色だけではないのだから。

健康であることだけがすべてではない。

不健康な時でしか味わうことのできない密やかな甘さも

いとおしさもある。

そんな私たちの多様性はきっと、私たちの可能性でもあるのだから。

それらを認め合ってこそ、世界は豊かになっていく(P139)

 

健康と不健康、あわせもっていることこそが「健康」だと解釈しました。

 

本は続編があり、それも只今、予約中ですニコニコ

 

 

 

私が今住んでいる市やその隣の市がモデルであることを知り

図書館で予約していたもののなかなか順番が回ってこない時に、

帰省時に再会した幼なじみの家で見つけ、借りましたグッ

 

特に街並みについて詳しい描写があるわけでもなく

この街で物語を展開させる必要はまったく感じませんでした。

なぜ、この街で?と思ったら、著者がモデルとなっている

この市のひとつに在住とのこと。

どうやら映画化することだけは決まっているそうですカチンコ

 

50代になり親の介護のため地元に戻って来た男性と

離婚して地元に戻って来ていた女性。

高校時代の同級生同士が偶然再会したことから始まる話。

お互い単身で、日々淡々と過ごし、先々のことに

希望があるわけでもないふたりは互助会と称して

時々会うことになりました。

再会のタイミングで健康診断の結果、要検査となったふたりは

それぞれに検査を受けたのですが…

 

登場人物が自分と同世代ということもあり、また、主人公が

おひとりさまと言う点も共通しており、共感しやすく、

おもしろかったですイエローハート

主人公の女性がひとり暮らしをしている小さな部屋の「テーマ」が

「後始末をするひとにやさしい部屋」で…

 

遺されたひとが片付けやすい部屋

捨てる時便利なように家具はひとりで持ち運べるもの

思い出の品々は処分しておく

他人の思い出の品くらい始末に困るものはない

遺されたひとに捨てる、捨てないを決めさせるのはかわいそうだ

 

と…私もここ数年、私が亡き後、誰がどのように片付けるのか

ということを考えています。

その人を困らせないように今の家の引っ越して来た際に、

もう物は増やさまい!と思っていたのに、どんどん収納スペースが

少なくなってきている気が…

気をつけなきゃなと思いましたあせる

 

また、ふたりが会話する場面が多いのですが、わずかな心の動きを

些細なしぐさで丁寧に描いているシーンが多く、好きでした。

この些細なしぐさの意味が後になって分かることも多く、

一度読み終えた後、再読しました。

 

常に相手を思いやっているふたり、しかし思いはすれ違う。

自分は全力で思いやっているつもりでも、必ずしも相手はそうとは

受け止めていない…なんてことはめずらしいことではないですが、

さまざまな経験を重ねると(さらに死が身近になると)

そこに寂しさや哀しさが伴うようになるのだなと感じました。

 

この本は、高校時代の友だちとの地元でのやりとりが

描かれている話ですが、それを地元に帰った時に

高校時代の友だちから借りたということも相まって

この物語の世界観にどっぷり浸ってしまいましたスター