2016年11月にがん治療認定医を受験してきました。
がん治療認定医にはがん治療認定医とがん治療認定医(歯科口腔外科)があり、
がん治療認定医(歯科口腔外科)は口腔外科専門医を取得した歯科医師が
申請できるシステムです。
がん治療認定医(歯科口腔外科)になるには
2日間の教育セミナーを受講し、2日目の午後に行われる
認定医試験(多肢選択方式)に合格する必要があります。
この認定医試験に合格すると認定医への申請資格が得られるのですが、
試験合格だけでは認定医を申請することはできず、
実際に2年以上の認定研修施設でフルタイム勤務でのがん診療の実績、
がんに関する臨床論文や学会発表の業績も必要とされます。
がん治療認定医は7月から申し込みが開始されます。
申し込みをした後は、セミナー受講料(¥20,000)とテキスト代(¥3,000)を振り込みます。
9月に200ページくらいの「がん治療認定医 教育セミナー テキスト」が送られてきます。
このテキストは「がん治療に求められる基盤的知識」と「各種悪性疾患の診断と治療の基本原則」という2部構成になっており、量も多く、内容も濃いです。
2か月間このテキストをしっかり勉強してセミナーに臨む必要があります。
色々な方がブログで紹介されていますが、セミナーはかなりのハイペースで進みます。ですので予習が大事です。
予習と言うより、セミナー無しで試験を受けに行くくらいに仕上げる必要があります。
勉強方法は人それぞれだと思います。
私も何人かの既にこの試験をパスしたお医者さんにどの様な勉強方法がよいか聞きました。
<外科の医師①>
テキストを3回まわりくらい読んでいけば大丈夫ですよ。
<外科の医師②>
サボらなければ大丈夫ですよ。
テキストからでるのでテキストを読んでいけば大丈夫ですよ。
<耳鼻科の医師>
メッチャ大変です。死ぬ気でやっていかないと落ちますよ。
<歯科口腔外科の歯科医師>
かなり暗記しましたね。
分子標的治療薬は確実に覚えないとアウトです。
皆さん、言ってる事がわりとバラバラ
でも2日間みっちり講義があることは体力的にも大変だと言ってました。
外科の医者は普段臨床で扱っている臓器が多いので理解しやすく、
よく知っている領域なのであまり勉強しなくてもよいのだと思います。
あと、分子標的治療薬はどんどん新しいものが出てきますので、覚えるのが大変でした。
私はAmazonで過去問題集を購入しました。
この問題集は2014年を最後に更新されていません。
問題集での勉強は必要と言われる方とそうでない方と両方のご意見がありますが、
私は出来る限りのことをしたいと思いとりあえず購入しました。
問題集は1回周りしか出来ませんでしたが、スマホでもできる付録付きですので
実際には問題を2-3回まわりやったと思います。
セミナーは2日間しっかりあります。
だだっ広い会場に1500人くらいの医師が3人がけの机にしっかり並んでいるのは不思議な光景と言えます。
講師の先生方も色々な方がいます。
どの先生も短時間で講義を終えないといけませんので、非常に早口です。
メモをとってる時間はほとんどなく、喋っている内容がテキストのどの部分を言っているのか把握し、マーキングするだけで精一杯でした。
いかにも試験に出そうな言い方をされるのですが出ないこともありますし、「◎◎という選択肢は誤りですから注意してください。」と言われ、そのまま問題として出ることもあります。
自分で予習していたときには気にも留めなかったようなちいさな図表も講義では強調され、そこから応用問題が出題されることもあります。
セミナーを受講は何度も繰り返すようですが2日間あり、安いパイプ椅子に長時間座ることになります。長時間座ってるとお尻がいたくなりますので座布団があると良いでしょう。
あと、机が長机を3人で使うので狭いです。余計な荷物はホテルに置いてきた方が良いと思います。
お弁当は会場で売られていますが、ひとつ1000円です。
内容はそれほど良くもなく悪くもありません。
宿泊は出来るだけ近場をおさえた方が良いかもしれません。
とにかく長丁場ですので移動に時間を使わず、
復習や試験前の暗記に時間を使った方が良いと思います。
受験者はみなさん認定医や専門医をすでに取得されている方ばかりですが、
それでも合格率は60%くらいとそれほど高くないです。
私も試験中は紛らわしい選択肢もたくさんあって悩みました。
がん治療認定医は試験が全てと言ってもよいと思います。
試験に合格できる様にテキスト到着後はひたすらそれを読むことに徹するとよいと思います。