今や、3列シートの車は、国産車ではミニバン以外にSUVでも出現してきた。そんな中、以前に3列シートのモデルをリリースしながらひっそりと消えていったモデルもある。そこで、今回の鬼地街~は、そんな3列シートをラインナップしていた車をピックアップ。

 

 *パッソ・セッテ/ブーン・ルミナス

 トヨタでは今、シエンタがコンパクトクラスのミニバンとしてラインナップされているが、このシエンタ以外にもコンパクトクラスのミニバンが存在した。それが、このパッソ・セッテである。パッソ/ブーンのプラットフォームのホイールベースを伸ばし、3列シートを設置したモデルである。しかし、シエンタがスライドドアだったのに対し、この車は普通のヒンジドアでATも4速ATということが災いして、ヒットすることなくひっそりと姿を消したのである。

 *キューブ・キュービック

 コンパクトクラスのミニバンを持たない(今後も持つ予定なし)の日産であるが、そんな日産にもコンパクトクラスに3列シートをラインナップしていた時があった。それがキューブ・キュービックである。キューブのホイールベースを伸ばし、3列シートを設置したのはパッソ・セッテと同じだが、全長を4m以内に収めようとした結果、3列目のシートはとんでもなく狭く、後ろからオカマを掘られたら、即死の危険性が高いというお粗末なものであった。

 *クロスロード(2代目)

 ホンダのクロスオーバーワゴンであったが、ベースがストリームでそのリアオーバーハングを切り詰めたものだったことから、3列目にシートが存在していた。ただ、後ろを切り詰めたゆえ、狭かったのは言うまでもない。

 *カローラ・スパシオ

 派生車種が多くリリースされるカローラであるが、そんなカローラにも3列シートをラインナップしたモデルがあった。それが、スパシオである。上の3台が1世代きりで終わったのに対し、このスパシオは2世代続いたのである。110系ベースの初代(左)は、フロントシートとリアシートの間に子供用の小さい取り外し可能なシートを設置したもので、120系ベースの2代目(右)では、リアシート後部の荷室の部分に簡易的なシートを設置したものであった。そのシートを使用しないときは畳んで格納できた。

 *NV200バネット

 上の4台は素手に絶版になっているが、このバネットは今でも新車で購入可能である。商用バンのイメージが強いNVバネットであるが、3列シートの乗用モデルも存在するのだ。どちらかといえば、かつて存在したバネットの1.5Lモデルのような成り立ちといえる。

 また次回お会いしましょう。