療養中で最近乗れてません(><)

今回はフォームについてのお話です。

 

 

 

<良いフォーム(前傾姿勢)とは?>

 

 

 ロードバイクに乗るフォーム(姿勢)で大事なことは、パワーを出すために「ペダルに荷重がかかる姿勢」であることと、そのペダルの荷重をコントロールするために「体が柔軟に使える姿勢」であることの2点だと思います。
 

パワーを出すには、サドルまたはバーに乗っている荷重(体の重さ)をペダルに分配してペダルに荷重がかかる姿勢(=力を入れやすい姿勢)にすることが必要です。

いわゆる体を前傾したフォームです。

 

また、効率的にパワーを出すには、「体が柔軟に使える姿勢」でペダルの荷重(トルク=ペダルを回す力)をコントロールできることが必要になります。

 

 

 

 

1. 柔軟性によるベースポジションの違い

 

 

ペダルに荷重がかかりやすい姿勢全体のベースは、サドルのポジションで決まります。

 

下の絵の(左)のような、サドルセットバック(後退幅)が多めでバーが低いポジションは、下肢や上体が柔軟な人に向いたセッティングです。

 

上体が柔軟に低くできるので、セットバックが多くてもペダルに荷重をかけやすいわけです。

 

 

 

 

一方、(右)のようなサドルセットバック少なめ、体全体を前傾する「前乗り」的なポジションは、体が固い人に向いたペダルに荷重をかけやすいセッティングです。

上体を低くできないので体の重心を前に移動してペダルに荷重をかけやすくしているわけです。

 

 

 

体が固い人の特徴 - サドル痛
 

 

 体が固い人は下肢を柔軟に使えないので、サドル高やセットバックが多いと、サドルの前に座ってしまったり、股に食い込みやすくなるので、サドル痛が起こりやすいです。

また、無理に上体を低くするとサドルに座る位置が前に移動しやすいです。

 

この場合、サドルを低く&前に出す方向やバーを高くする方向でセッティングすると良いと思います。

 

 

 

 

2. ペダル荷重のコントロール

 

 

ペダリングでは、一定のパワーで走っている時でも「回転が落ちた時にペダル荷重(トルク)を増やす」またはペダル荷重を減らすといったような荷重のコントロールが常に必要になります。

 

通常のペダリングでは下の図のように骨盤や脊椎から腕の上体の姿勢を変化させてペダル荷重をコントロールしていると思います。

 

 

 

 

 

この上体の姿勢変化(ペダル荷重のコントロール)が常に自然に行われていないと、回転やパワーが落ちやすく、効率良くパワーを出して走ることができなくなります。

 

徒歩やジョギング時に行っている自然な姿勢変化と同じです。

自転車は特に勾配変化に敏感なので、姿勢変化できていないと失速しやすいです。

 

 

 

・柔軟性による上体の前傾の違い

 

 

 上体の姿勢および姿勢変化は、骨盤を傾ける人や背中(脊椎・腰椎)を曲げる人で個人差があると思いますが、「上体を変化しやすい(動かしやすい)」ポジションで乗ることが大事なことです。

 

特に上体が固い人は上体が前傾しづらいので、骨盤の角度を変えやすいポジションにしたほうが良いと思います。

 

また、体が固い人は姿勢変化が苦手なので、アグレッシブなポジションを取る場合、下ハンが深めのバーを使ってサドルの前に座るなど、姿勢変化のアクションを大きくしたほうが良いかもしれません。

 

 

 

 

・柔軟性、体型と姿勢変化

 

 

 体が固い人や小柄な人は姿勢変化や重心変化量が少なくなるので、

下ハンを深めにしたり、立ち漕ぎを多用する、サドルの前に座る、というようなアクションが大きいポジションや乗り方にしたほうが脚力が活かせると思います。

 

スプリンターやクライマータイプの人は特にそうかもです。

 

 

 

 

 

<プロのポジションを見てみよう>

 

 

 「ブラケットは地面と水平にセッティングする…」というセオリーがありますが、プロロードレーサーのバイクではブラケットは水平よりも角度をつけている人がほとんどです。

 

なぜかというと、パワー維持や変化が重視されるレースでは、ブラケットに角度を付けて上体を前傾しやすく、柔軟に使えるようにしたほうが合うからじゃないかと思います。

 

 

 

 

実際、サガンのようにブラケットポジションでパワーを出していてもあまり肘を曲げない人(上体を変化しない人)は水平に近めのセッティング、ニバリやカンチェのように上体を曲げる人はブラケットに角度を付けるセッティングをしています。

 

 

 

 

 

 

・ブラケット角度、侮(あなど)るなかれ

 

 

 (※ 私の場合は)
ブラケットの角度をある程度付けたほうが骨盤の角度を動かしやすくなり、ペダル荷重・パワーのコントロールがしやすくなります。

 

骨盤の角度を変えない、腰・脊椎を曲げる場合はブラケットの角度は水平に近いほうが曲げやすいです。

 

そのままブラケットに角度を付けると近め高めになるので、ステムの長さや高さにも注意しましょう。

 

 ブラケットの角度をちょこっと変えるだけで姿勢変化のしやすさは激変します。

 

上体を前傾してブラケットに手を置いた時に、自然に肘が曲がるくらいの角度が良いと思いますが、走りをもうちょっとアグレッシブに、と思っている人はブラケットやバーのポジションをいじって上体(骨盤、脊椎)を動かしやすいセッティングにしてみてはどうでしょうか?