最近風邪を引いたこともあり、夜でもできるし支度も楽なウォーキングが多い今日このごろです(´・ω・`)ノ
荷重については前にも書いたけれど、復習・追記・訂正を含めて、フィッティングの基本的なお話をします。
■.荷重を基準にしよう
ポジションを決める場合には、バー、ペダル、サドルの3点の乗る体の重さ(荷重)のバランスがひとつの基準になると思います。
バーやサドル位置などのセッティングもその荷重のバランスで変わるので、"何センチ" とかの数値的なものは目安にはなるけれど、フィッティングの基準にはなりません。
数値を基準にすると、バイクやフレーム、パーツが変わった時に合わずに難儀しますが、「体と荷重のバランス」の感覚を覚えると、フィッティングに苦労しません。
1.ペダル荷重とパワー
ロードバイクに乗っている姿勢はなぜ前傾姿勢なのかというと、上体や脚力を有効に使ってパワーを出すために、ペダルに体の重さを乗せながらペダルを押しているからです。
体重を乗せて押す方向と反対側を支えてやって押さないと重いものは動かないので、ペワーを出すにはペダルで体を支える姿勢が必要だということですね。
仮に、ロードバイクで体重70kgの人が30km/hで走行する場合、ペダルには平均約12.3kgの重さの回す力(トルク)が必要になります。
(※バイク9.5kg、クランク170mm、ケイデンス80rpmの場合)
360度トルクを入力するのは不可能なので、実際は最大トルク時には平均値12.3kgの3~4倍以上のトルクがかかっているんじゃないかと思います。(推測です)
ペダルを押せる区間は2時~4時(60度)しかないですからね。
図1:トルク変動図、パワーは不明
(最大トルクはだいたいクランク4時付近になることが多い)
実際は回転している状態でクランクを押しますし、慣性モーメントとか角加速度とか(難しいことが)あるので、必要な力は12.3kgの3~4倍よりも少ないと思いますが、
ある一定以上の重さをペダルに乗せていないと高いトルクは入力できません。
2.ペダル荷重と姿勢
ロードバイクでは体重の6割くらいの重をサドルで支えていると言われます。
(もちろん能力や体重によって個人差がありますし、支えている重さの変動もあります)
残りの体重の4割をパワー入力時にペダルに使い、使っていない時はバーやサドルで支えています。
下図のように、椅子に座ってペダルを押す時に近い脚の格好をして、足の下に体重計を置いてみると分かりますが、体重の4割(体重70kgなら28kg)の重さを足の裏にかけるのはけっこう大変です。
暇な人はやってみて下さい。
左のように上体を起こしていたり腰が引けている状態では、低い重さの力しかかけられません。
この足に荷重が乗っていない状態で無理に下に押そうとすると膝などに負担がくるので、力をかけるには右のように体重計の上に乗るようにして押さないといけません。
力をかけるなら右のような姿勢のほうが楽なわけです。
足に荷重と力をかけやすくするには、右のように座る位置を前に出して上体を前傾する姿勢が向いています。
おしりにかかっている重さを膝の上に持ってくるような感じですね。
足に荷重を乗せながらペダルを押すようにできると、ハムストリングスや大殿筋などの股関節周りの大きい筋肉が使えるようになるので、重いギアを回すことができて脚の筋肉の負担も減ります。
3.前後の荷重バランスと姿勢
ペダリング中は、下の絵の左のように、ペダルとサドルで荷重分配して体を支える姿勢が良い荷重バランスです。
ペダルで支える荷重(トルク/パワー)の量は上体の前傾でコントロールするので、上体の前傾姿勢を深くした時に "ペダルだけ" で体を支えるような前傾姿勢が良いです。
なので、上体の姿勢は、体の重心をペダルとサドルの間に置きやすい前後にコンパクトな形であることが自然で効率的だと思います。
姿勢が悪い原因はいくつかありますが、
ありがちなのは、下の絵の中&右のように、下半身または上半身どちらかが前倒れになっている姿勢です。
このような上下アンバランスな姿勢だと、体のバランスを取るために無駄に脚力や上体の筋肉が使われるし、バーやサドルで荷重を支える事が多くなるので、ペダリングや姿勢変化が充分にできなくなります。
このような姿勢だと共通してサドルと腰の痛みが出やすいですね。
・前傾姿勢は前に"倒れて"はいけない
・ペダルに荷重が乗らなければ前傾姿勢の意味がない
の2つが前傾姿勢のポイントです。
4.姿勢とポジションの注意点
体の前後バランスに影響が大きいのは、「骨盤と足の角度」です。
サドルとペダルに乗る(支える)骨盤と足の角度が悪ければ(上の絵の中&右ように)
簡単に姿勢のバランスは崩れますよということです。
ごくあたりまえなことなのですが、逆にこの2点が悪ければ姿勢もポジションも決まらないので盲点になりやすい部分です。
例えば、前傾姿勢をすると前に倒れやすいという人は、足をかかと下がりにしたり、骨盤が起きる方向にして下半身または上半身を直していくと良いでしょう。