スーパーアグリF1チームは、今回の井出有治のスーパーライセンス取り消しについてリリースを発行しています。それによると今週末のスペインGP、そしてモナコGPまでフランク・モンタニーがセカンドドライバーを務めるとのことです。そしてスーパーアグリはこの井出の件で2つもリリースを発行しています。


フランク・モンタニー

<やったねモンタニー!モナコまで出走決定>


まず、1通目はチームの本拠地、イギリスのリーフィールドから発行されています。


・井出有治のスーパーライセンスに関して

SUPER AGURI F1 TEAMは、FIA(国際自動車連盟)より、ドライバーである井出有治のスーパーライセンスを取り消す旨の通告を受けた。その結果、井出有治は今年のF1レースにチームドライバーとして出場することができなくなった。

チームとしては、この決定は非常に残念ではあるが受け止める一方で、鈴木亜久里と株式会社エー・カンパニーでは、井出有治がドライバーとして参加できる機会を、そして願わくは、F1ドライバーとして復帰するチャンスを、今後も探し続けていくつもりだ。

この決定により、スペインGPとモナコGPでは、フランク・モンタニーが再びSUPER AGURI F1 TEAMのドライバーとして参戦する。今後の正規のセカンドドライバー、サードドライバーに関しては、多くの関係者と議論を重ねていく予定だ。

Leafield, UK

2006/5/10


とのことで、スペインGPとモナコGPではフランク・モンタニーがセカンドドライバーを務めるとのこと。そして気になるのは亜久里代表とエー・カンパニーが井出がレースに参戦できる機会を探すとのことですが、果たしてシーズンが始まったモータースポーツ界で井出が参戦できる環境があるのでしょうか?可能性があるなら一番高そうなARTAを調べてみましたが・・・どのシリーズも途中から井出が代わって走る可能性はわかりません。

そしてチームが出した2通目のリリースは東京から発行されています。たぶんエー・カンパニーでしょうか?

・井出有治のスーパーライセンス取り消しに関する経緯について

このたび、FIA(国際自動車連盟)よりSUPER AGURI F1 TEAMのドライバーである井出有治のスーパーライセンスを取り消す旨の通告がありました。これにより、井出有治はチームドライバーとして今年のF1レースに出場することができなくなりました。

これまでの経緯は以下のとおりです。
ヨーロッパGPの前週にFIAより井出有治の第4戦サンマリノGPにおけるクリスチャン・アルバース選手との接触及び開幕3戦のパフォーマンスに関して、FIAにおいてスーパーライセンス取り消しも視野に入れた審議をしているとの通知がありました。さらに、スーパーライセンスが取り消される前に井出をレースドライバーからはずしたらどうかというアドバイスもありました。チームはすぐにFIAと連絡を取り、チームとしてはヨーロッパGPでは井出を走らせたい意向を伝えましたが、FIA側で決めることであるという返事が返ってきただけでした。そのため、チームはスーパーライセンス取り消しという最悪の事態を避けるために、断腸の思いでヨーロッパGPから井出をはずす決定をし、井出が一日でも早くレースドライバーとして復帰するための計画を立てるべく、全力をあげることにしました。しかし、その甲斐もなく、その後FIAは井出のスーパーライセンスを取り消す旨をチームに通告してきました。

SUPER AGURI F1 TEAMはオールジャパンを旗印に立ち上げたチームです。その方針を覆すつもりはありません。しかし、思わぬFIAからの通告にとまどっていることも事実です。確かに井出は開幕前に十分なテストをできずに、ほとんどぶっつけ本番でレースに突入してしまったという経緯があり、F1での経験が足りないことは否定できません。しかし、チームとしてはとにかく井出に少しでも多く走行のチャンスを与え、井出もまた厳しい状況の中で一日も早くF1の世界に慣れようと必死に努力をしてきました。事実、サンマリノGPの金曜日の練習走行では佐藤選手に引けを取らない走りを見せてくれました。レースは残念な結果になってしまいましたが、ヨーロッパGPでは井出の力がさらに発揮できるものとチームも本人も期待をしていました。

今後、井出有治に関して、何か進展がありましたらまたご報告いたします。

鈴木亜久里 チーム代表
「今回の件はとても残念でなりません。FIAにはなんとかならないかと交渉を続けましたが、厳しい判断が下されてしまいました。FIAからは井出のスーパーライセンスの再取得の可能性を否定されているわけではありませんので、今後もチームとしては井出のためにできる限りのことをやっていきたいと考えています」


Tokyo, JAPAN

2006/5/10


という何とも井出のことを思う気持ちがしっかりと伝わってくる異例のリリースでした。井出の努力が報われず何とも残念な結果です。FIAには失望を感じてしまいますね~

井出有治

<井出、絶対に最高の舞台に帰ってきてくれ!>