SAABネタの長文なので
興味の無い方は
遠慮なくスルーどうぞ
愛着が湧き過ぎて
手離すタイミングを
完全に失ったSAAB
映画「ドライブ・マイ・カー」が
ヒットした直後だったら
結構高く売れたであろうに…
でも
長距離高速走行がこんなに
快適で楽なクルマはざらに無い
シートの出来栄えは極上
薄手なのに尻や腰が痛くならない
MTでもクルコン付き 使って無いけど
特筆すべきは視界
特に夜間視界の良さ
フロントガラスが立っていると
同じガラス厚と色の濃さでも
光が多く透過出来るから明るい
これは極端にガラスが寝ている
プリウス等と乗り比べるとよく判る
それと
アナログのスピードメーターは
視線を向けなくとも針の向きで
速度を読めるから眼が楽
針が真上を差すと110km/h
わたしゃ深夜の高速は
メーターパネル照度は最低限で
イルミの照明は全て消している
その後の9-3になると
この機能はいっそう進化して
ナイトパネルモードに
戦闘機作りのノウハウは
クルマにも生かされている
さて
SAAB900に戻って
長距離高速走行が楽な
要因の第一位は
直進性の良さ
ドイツ車は金庫のようなボディと
剛性の高い足回りと
寝かせたキャスターで
頑なな直進性を誇るが
SAABの考え方は真逆
バイクの旧車の鉄フレームのように
しなりまくって
ボディ自体が
巨大なトーションバーのようなのに
真っすぐ走るから不思議だ
その秘密はリヤのサスペンション
一見昔ながらの
ホーシングのリジッドサスだが
良く見ると⑫という
進行方向とは反対の左に
リーディングアームがある
下の写真では右側が前だ
右のトレーリングアームだけだと
タイヤが上下動する時の
車軸の軌跡を真横から見ると
トレーリングアーム前方取付部を中心に
円弧を描く
でも後ろに
リーディングアームを追加すると
車軸の軌跡は垂直上下運動
になる
これによって走行中のホーシングを
真上から見ると
左右のタイヤが別々の上下動をしても
ホーシングは常に進行方向に垂直を保つ
つまりリヤのトーを変化させない
デジタルやハイテクに頼らずに
リヤのアライメント変化を
可能な限り抑えるこの方式は
ワッツリンクといって
古いアルファロメオでも使われている
路面がうねろうと傾こうと
路面に逆らわずに
それに沿って
撫でるように
真っすぐ走り続ける
剛のドイツ車に対して
柔のSAAB
細かなステアリングの修正が
必要無いから
長距離になればなるほど
このクルマの良さを感じられる
そろそろ…いや、とっくに
本気で軽自動車への乗り換えを
考えなくてはなのに
愛着が
湧き過ぎて…