て、いきなりのEliminator900ですが、元々私は生粋のバイク乗りでして免許を取ってから数多くのバイクに乗ってきました。そのバイク熱が最高にピークだった頃にKAWASAKIからEliminatorというアクの強いバイクが発売され、完全に一目ぼれしてしまいました。750ccの国内モデルも発売されましたがどうしても私が欲しいのは輸出仕様の900。借金してでも欲しかったのですが、ちょうどその頃には色々な事情がありとてもバイクごときに100万円以上の出費など出来なかったのです。ツイてない事にはEliminator900はわずか2年足らずで絶版となってしまいました。
 
人気が出なかった事と生産期間が非常に短かった事によって物凄くタマ数の少ない希少車となってしまいましたが、どうしても忘れられなくて、それから10年後にやっとの事で85年式ZL900-A1、愛称Eliminator900を手に入れる事が出来ました。これで北海道から沖縄まで全国あちこち走りまわったのですが、これまた諸事情により冬眠させざるを得なくなり、今日まで16年もエンジンに火が入っていない状況です。しかも運の悪い事に冬眠中に誤ってキーを捨てられてしまい、手入れも整備も何も出来なくなっていたのです。
 
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でも数年前頃から、そろそろレストアを始めないと本当に鉄屑になってしまうと、ヤフオクでこの超希少車のパーツ類の出品をチェックし始めていたところ…出てきました。純正キーとスペアキーの2本付きでイグニッションキーシリンダー、タンクキャップ、シートロック、ヘルメットホルダーのフルセットが。お値段も手ごろだったので速攻で落札しました。
 
今では大型バイクの盗難は少なくなっていると思いますが、旧き良き時代のバイクだと結構盗難やイタズラの憂き目に遭っている率が高いもの。そんな中、純正キー1本でイグニッションからタンク、シート、ヘルメットホルダーまで問題無く開閉出来るのはポイント高しです。
 
でも何せ31年も前の中古バイクの部品です。キーの動きが渋くてどうも許しがたいタッチなので、本来非分解のパーツのようですがキースイッチをバラして内部を確認してみました。
 
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この頃のバイクのキーはステアリングポストに上向きに設置されているため、雨ざらしだとキーシリンダーを通してキースイッチ内部まで水が入って来るようで、グリスっ気は全く無くカラカラに乾いていて錆びていました。銅板を磨き錆を落としてグリスアップしておきました。裏側の配線の集合部にはシリコングリスを詰めて防水処置を施しました。
 
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もちろんキーシリンダー内部もパーツクリーナーで念入りに洗浄した甲斐もあって、キーのタッチは新車のそれと変わらなくなりました。
 
ただし付いてきた純正キーとスペアキーはどちらもキー操作に問題は無いものの、いかんせん古く汚く磨り減っていて、しかも若干曲がっていたので、KAWASAKI純正の新品ブランクキーを取寄せ、近所の合い鍵屋さんでコピーしてもらいました。
 
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不思議なものでキーが使えるようになり、しかも新品キーを奢ってやったら急にレストア熱が高まって、俄然やる気が出てきました。
 
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エンジンに火を入れるまでにはまだまだまだまだやる事がたくさん積み重なっているので、いつになるのかわかりませんが、いつか必ず復活させるつもりです。
 
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