2年前の、あの日のことを思い出していた。
おばぁの容態が急変したから今すぐ病院に行って、と連絡があった。うちのひとは出張で東京にいた。
そんな連絡を受けても、わたしはまだ心のどこかで余裕こいていた。きっと大丈夫だよ、って。
心を落ち着かせるために、ひと呼吸ついてタロットをひいてみたりなんかして。メッセージを受け取ろうした。
補助的なカードのところで〝太陽〟が出た。
ほらね!
きっと良い知らせを聞ける
病院について、ほどなくして病室に案内された。
あんなに寄り道したのにおばぁはわたしが来るのを待っていてくれた。だから、わたしはおばぁが息を引き取る瞬間に立ち会えた。泣きながら手を握って心の中で(大丈夫、大丈夫だからね)と旅立つおばぁにメッセージを送りつづけた。
なんでやねん、あのタロット…
あの後、偶然知る。
「太陽のカードからひとの死を読み解けるくらいになって欲しいですね」
太陽のカードから〝死〟をイメージをしろ、だって??
そのひとが一生を終える〝死〟は、この世界にいる人間の感覚からすれば悲しい別れの瞬間で耐えがたいことなのかもしれない。いや、そうだろう。
でも〝死〟いうのは「あなたはあなたの人生を全うしました」という晴れの日で、人生において大成功なのだとそのとき知った。大往生。
太陽で表すほど人生の大成功の日なのだと、わたしは知ったんだ。