私の弟は自閉症です。

 

今でも会話のコミュニケーションは成り立ちません。

誰かが何か単語を発するとずっとその言葉を繰り返したり

喃語のような言葉を発しながら家の中を歩き回っています。

子供の時は自分の思い通りにならないと

相手に噛みつき、髪の毛を引っ張り、壁に穴をあけ

私もかなり怪我をしました。

学校の集団生活はできなかったので

本人も周囲もなかなか大変だったかもしれません。

コミュニケーションがうまく取れないということは

なかなか大変なことです。

 

そんな自閉症ですが、

まだ発症の仕組みは解明されていません。

多くは遺伝子的な要因と環境的な要因が

関わっているのではないかと言われています。

 

この環境要因というのは

母親の感染症、ストレス

薬、農薬、食品添加物などではないかと言われています。

 

母親の感染症で抗生剤を使用した経験

生まれて比較的すぐに赤ちゃんが中耳炎など

何らかの感染症になり抗生剤を使用した経験などで発症した例もあります。

 

抗生剤は感染症の原因になっている細菌だけでなく

腸にいる腸内細菌にも作用してしまうため

腸内の細菌のバランスが崩れます。

 

赤ちゃんの脳は生まれてからも

環境に適応すべく急速に成長します。

神経細胞が他の神経細胞と連携をとるために

樹状突起を伸ばしシナプスを形成していきます。

日々体験したことから神経回路がどんどん作られていきます。

そして学習、記憶、判断などができるようになっていきます。

この回路のどこかが不具合を起こしているのではないか

と考えられています。

 

自閉症の子供達の腸内細菌はそうでない子供達と比較し

クロストリジウム属が圧倒的に多いと言われています。

そしてビフィズス菌などのいわゆる善玉菌が少なくなっています。

自閉症の子供達は生成された小麦の食品をよく好んで食べる傾向があり

これらの食べ物はクロストリジウム属が好む食べ物であったりもします。

そういえば私の弟も加工されたお菓子が大好きで

そればかりを食べていました。

 

腸の中にたくさん棲みついたクロストリジウム属が出す毒素などが

ひょっとしたら神経回路の形成を阻害してしまっているのかもしれません。

 

腸内に便移植をするという実験や試みをしているところもありますが

今後どうなっていくのかはまだわかりません。

 

一見するとクロストリジウム以外の

善玉菌が増えてくれれば

起きている症状は良くなりそうですが

この菌たちが定着してくれなければ

棲みついてしまっている菌の方が優位に働いてしまいそうです。

 

何か新しい展望があればいいのですが

今できることとしては

やはりお母さんが健康でストレスを溜めないこと

食事には自然なものをできるだけ選ぶことなどが

思っている以上に重要な気がします。