私はいつからそんなに歌が怖くなり、

嫌いになってしまったのか?

 

思い返してみるとすでに小学生の時には嫌いでした。

 

では幼稚園は?

 

幼稚園といえば、

みんなで歌を歌ったりお遊戯会をしたり

何かと人前で披露する機会があります。

いろんな歌も覚える頃です。

 

歌が上手いとかそんなことはどうでもよく

みんなとにかく元気よく楽しんでいる子が

多かったような気がします。

 

しばらく思い返していると

七夕の歌を思い出しました。

幼稚園で歌ったのです。

 

笹の葉さらさら七夕

軒端に揺れる

お星様キラキラ星

金銀すなご

 

当時はよく意味もわからず歌っていました。

みんなそんなものだと思います。

それでいいのです。

楽しく歌っていれば。

 

まだ子供の私は習ったばかりの歌を

口ずさんでいましたが

サラサラが言えませんでした。

子供ですから滑舌がまだ悪かったのです。

ささのは

さーしゃしゃしゃー。

 

歌っていると

途端に母親から大笑いされ

何それ、もう一回言ってみな。

そしてまた笑われます。

ほら、もう一回。

何度か繰り返します。

でもどうしても言えないのです。

 

 

うまくできないことを気にし始めると

もう以前のように楽しく歌えなくなってしまいました。

 

幼稚園でも先生にもっと元気にと言われても

もうできないのです。

だって、できないもん。

変だって笑われるもん。

すっかりいじけてしまいました。

 

私が小学生になっても

中学生になっても

母親は時々思い出しては

あんた、幼稚園の時さらさら言えなくて

とからかわれました。

 

そんなことをきっかけに

なんだかすっかり人前で歌うことが

嫌になってしまいました。

 

え?それだけ。

そうなんです。

 

でも実際は歌以外のことでも

自分が楽しく何かをしていて

批判されたり、怒られたり、

馬鹿にされたり、

正しいことを強要されたり、

そんなことの繰り返しが

心の中の傷になり

自分のやりたいと思ったことでも

自信を失って

てがだせなくなってしまったというのが

本当のところです。

 

このように見てみると

仕方がなかったのでは?とも思います。

人によってはそんなことでとも思うでしょう。

 

そうなんです。

でもこれが多くの人の

幼少期の心の傷になっているのです。