細菌の悪いイメージといえば感染症や食中毒といったところでしょうか?

 

普段、細菌のいいイメージばかりを伝えていますが、逆にも触れてみます。

 

いつの時代でも感染症はありました。

日本の縄文時代も遺跡を見ると寄生虫や細菌感染の痕跡が見られます。野生動物の狩猟で怪我をすれば怪我自体だけでなく、そこから感染して命を落とすこともあったでしょう。

食べた動物から感染することもあったことでしょう。ノミや寄生虫の影響もありました。周囲の環境の影響を受けやすく今よりも感染症は起きやすかったことは容易に考えられます。

自然と表裏一体です。

子供が生まれてもすぐに亡くなってしまうことから、土偶など自然や神に祈りを捧げるようになったのかもしれません。

 

人の移動と共に新しい細菌も入りました。外交が盛んになれば尚更です。周辺の国と交易をしている頃、日本書紀では奈良時代に天然痘の流行があり、平家物語などでは平安時代はマラリアらしき病気の流行があったようです。

 

梅毒は1512年の文献に登場しています。大航海時代、オランダ、スペインなど外国との交流で入ってきたのではないかと言われています。江戸時代はかなり梅毒の感染率が高かったようです。当時は治療法もないので、多くの方が亡くなりました。

当時は畑の作物には肥溜めの肥料などを使用していたことから他にも当たり前のように、みんなお腹の中に寄生虫を飼っていたことでしょう。

 

戦争が起きると、感染症が増えます。

第一次世界大戦ではスペイン風邪が流行り、連合軍、同盟軍どちらも大きな影響を受けました。戦死者の6割は戦病死で、その3分の1がスペイン風邪でした。これによって終戦が早まったと言われるほどです。

第二次世界大戦では、東南アジアではマラリア、ヨーロッパでは腸チフスが流行りました。日本でも沖縄では兵士の移動に伴いマラリアが流行りました。

ナチスのバルバロッサ作戦では腸チフスが蔓延し、ドイツ側に大きな影響が出ました。その後もヨーロッパ各地に感染が広がり、ナチスの収容所も腸チフスが流行り多くの方がなくなりました。

 

また、戦争中は生きるか死ぬかの極限状態になります。ストレスも相当なものです。

より免疫力は落ちますし、食料も十分ではありません。感染症が広がりやすいのは当たり前です。

 

衛生環境が整ったこと、食料が充実し栄養が行き届いたこと、感染経路や細菌に対する知識が深まったこと、医療が進歩し治療薬ができたこと、科学経済が進歩したこと、これらの影響で感染症による死亡は減っています。

 

私は自然な生き方を推奨していますが、医療を全て否定はしていません。

手術が安全にできることも

白血病の子が回復することも

多くの感染症が起きなくなったことも

医療の発展のおかげです。

 

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が起きた背景を考えると、全てを医療で賄えるわけではありません。

 

どちらも必要なのです。

ただ、どちらかだけになると、おかしくなるのです。

 

今は極端に偏りすぎてしまったのです。

私は病院で働くと必ず、風邪なので薬だけくださいと言われる方がいます。

薬が本当に必要な場合はむしろ少ないです。

それよりも元の健康な体に治すことを優先してください。

 

睡眠を十分にとる

普段からバランスの良い食事を心がける

体を冷やさない

水分をしっかりとる

ストレスを溜めず、リラックスをする時間をとる

自然にふれ、無理のない運動(散歩でも)を時々する

 

自分自身の心身を健康にする術をつければ

医療頼りすぎることはなくなります。

 

そういった意味でも人間が本来持つ健康になれる力を育てたいです。