SPRING AWAKENINGー11/30(ソワレ)
今日は『スプリング・アウェイクニング』3回目の観劇に行ってきました。そしてこれがニューヨーク最後の舞台観劇・・・のはずです。
11月16日のプレビュー公演初日から、今日でちょうど2週間が経ちました。初日までは後1週間ちょっと。私の予想では大分修正を入れて、そろそろかための時期に入って来ているのではないかと思い、そこら辺を注目しようと劇場に向かいました。
その前に一つ気がかりなことがあり、私が大絶賛しているこの作品ですが、プレビュー初日から50%も動員率がいっていません。今ブロードウェイで一番客入りの悪いミュージカルと言っても過言ではないと思います。このままでは開幕早々クローズ確実だと思います。
しかし、今日の客入りは90%近い客入りだったと思いますし、前回観た公演より客受けも良く、グランドオープン(初日)のニューヨーク・タイムズの批評次第で一発逆転はあるのではないかと期待しています!!
そんなわけで舞台の方はというと、やはり色々と手直しされているのが伺えました。客席にはプレビュー初日と同じく、脚本家のスティーヴン・サテルと、作曲のダンカン・シークの姿も見られました。
まず大きく変わったところは暗転が多くなったことだと思います。今まで転換はほとんど暗転なしで俳優を入れ替えしていたのですが、今回の修正により暗転が増えました。そのことにより、良い意味で、シーンとシーンを切り離し、独立させることに成功したのではないかと思います。どうしても、舞台では一度流れが途切れてしまう暗転は極力避けて通りたいものなので、演出家はいかに暗転を少なくするか、転換をスムーズに違和感なくするかということに頭を使います。しかし、今回の修正は暗転を効果的に使った好例ではないかと思います。特にこの作品は常に緊迫した空気が流れているで、客席側にも少しの息抜きの時間が必要だったのではないかと思います。暗転後のシーンはリフレッシュしてリラックスした状態で観ることが出来るので、客席のウケ、反応も、以前と比べると格段と良くなったような気がします。
そして次に修正した箇所でポイントになるのはエンディングに入る前のシーンだと思います。主人公の男性が、自殺をしてしまった友人と、中絶手術に失敗して命を落としてしまった女性の、二人の亡霊によって自殺を食い止められるというシーンです。二人の亡霊が自殺を試みる主人公の手に握られているカミソリを制すシーンなど、より単純化しわかりやすくなっていたように思います。そうすることにより、今までの何となく締まりのないエンディングへの流れが、より明確となり、観客のストレスを軽減したように感じました。
舞台とはちょっと関係ありませんが、ステージシートの人が今まで利用していた舞台袖のロッカーが客席の後ろに移動していました。何か問題があったのか、以前よりチェックが厳しくなっていました。確かに手の届く距離で俳優が演技しているので、何か問題があったら大変なことですからね。
そして今日一番驚いたのが、私は相変わらず31.25ドルの最安値のステージシートでの観劇だったのですが、終演後に舞台監督さんが突然私のところに来て「3回目の観劇だね」と話しかけて来ました。確かに3回目の観劇です。偶然その3回のうち2回が同じ席で、しかもその席の横にスタンドマイクが設置されているので、暗視カメラでチェックされていたのは知っていました。また、他の1回もその隣の席だったということもあり、覚えられていたみたいです。やはり日本人が毎回同じステージシートに座っていたら目につくんですかね?本当ビックリしました(笑)。せっかく顔を覚えて貰ったので、あと数回劇場に通って舞台大好き人間としてブロードウェイの裏方として雇ってもらえないかと真剣に考えてしまいました(笑)。