日本漢字能力検定協会が発表した今年の漢字に「密」が選ばれた。

確かに3密回避ということで、今年、よく眼、耳にした漢字ではある。
しかし今年の世相を表現するとすれば密ではなく、正反対の「疎」ではないかと私は考えている。

「疎」は、間があいていること。まばらなこと。関係が薄いことという意味だ。
まさに今年、私たち人類は、これまで経験したことのない「疎」を経験した。
否応なしに人と人が、疎遠にならざるを得なくなった。人類はこれまで自らの敵に対しては団結し、密になることで幾度となく大きな危機を乗り切ってきた。
しかしだ。
今回のコロナウイルスという敵には、それが通用しなかった。
「蜜」とは正反対の「疎」でしか、お互いの身を守る対策がなかった。
疎縁になること、間を開けること、マスクで顔を覆うことしかなかったのだ。
この「疎」の連鎖から、いつ抜け出せるのか、以前のように人類が、躊躇なく密になれる日がくることを願ってやまない。
さて、さて、残念なことながら「疎」には、「うといこと」という意味もあるようだ。
現在の政府のコロナ対応を見ていると、まさに「疎(うとい)」としか思えないのが、本当に悲しい。