楽っこでおすすめの本を、時々紹介していきたいと思います。

 

最初の1冊は

「かわいがり子育て」  佐々木正美 著 (大和書房)

 

この本の 副題に、

「3歳までは思いっきり甘えさせなさい」

と、あります。

著者の佐々木正美さんは、甘やかして、過保護に育てるのがいいんだよ、と言います。

甘やかす、っていいの?過保護っていいイメージじゃないな、と思いますよね。

でも、読んでみると「甘やかす」のイメージが変わります。

子どもの望み(あくまでも「子どもの」です)を、

いいよ、わかった、そうなのね、と受けいれることが、

甘やかして育てるということ。

反対は、「過干渉・放任」。

子どもが望んでもいないこと

(子どもにとっていいことだ、と親が勝手に思っていること)を

やりすぎることが、過干渉、と言っています。

 

頑張ってしつけをしなくっちゃ、とか、

子どもの将来のために教えないといけない、と

ついつい肩に力が入ってしまいがちだけれど、

子どもの望んでいることはそういうことではないんだなあ、と気づかされます。

しつけよりも何よりも、ただ甘えを受けいれる。

それは、そのままのあなたが大好きだよ、

泣いてもだだこねても、あなたはそのままで大切な存在だよ、

というメッセージを伝えていることになる。

そのメッセージを心にきざんであげることが、

親としてやってあげられる数少ないことなのかな、と思います。

 

私が実際に子育てをしていて大切だなと思うのは、

子どもの思いを知ろうとすること。

子どもの思いに気づくこと。

何を思っているのかな、どう感じたのかな

と、子どもに興味を持って観察する、というような。

大人から見て困ったことも、

これがしてみたかったのかな?と見てみる。

「なにやってんのよ!」と怒る前に、ね。

なんで泣いているのかな?と聴いてみる。

転んだのか、そうかそうか、痛い?どこ?痛いね~。

「泣かないの!痛くない、痛くない、だから走るなって!」より、ね。

そんな理由があったのか~、へ~そんなふうに感じるんだな~、

と、気づいて、

そうかそうか、そうなんだね、とわかってあげるだけで、

子どもは満足。

子どものことに興味を向ける、

そのことだけでも、子どもにとっては、

お母さんが見てくれている、と感じて満たされます。

こうしてほしいのかな、と、とりあえずやってみる。

わからないときは、本人にきいてみる。

あれこれ試行錯誤しているうちに、時々、

子どもの望んでいることと、こちらがしてあげたことが、

ピタッと重なることもあり、

お互いに満たされた感じがして、

子どもとの時間があったかく思える時があります。

毎回、とはいかないんですけどね。

はじめは、なんて言ってあげたらいいのか考えすぎて、

何も言えなくなってしまったり(笑)。

 

この本には、甘やかすってこういうことだよ、

過保護と過干渉の違いはこんなことだよ、と具体的に解説されています。

頑張りすぎなくていいんだよ、

ひとりではむりだよ、いろんなひとに頼って子育てしよう、

とも言っています。

楽っこで伝えていきたいことがまとめられているような一冊です。

でも、本を読むひまがないな~、というときは、

楽っこの子育て講座に来ていろいろ訊いてみてくださいね。

 

著者の佐々木正美さんは児童精神科医で、たくさん子育ての本を書いている方です。

1935年生まれとあるので、80歳をこえるおじいさん先生です。

(男性なんですよ、最初私は勘違いしてました…。)

佐々木正美さんの本は、 全面的に子どもの味方、という姿勢が貫かれていて、

子どもに対する優しいまなざしが感じられ 、

楽っこスタッフにとってはどれも共感できる内容です。

本は講座でも置いていますので、興味のある方は見てみてくださいね。