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夫の不倫が原因で2019年に離婚しました。こちらのブログは、不倫発覚から離婚までの経緯を書いたブログになります(未完です)。
 
現在進行形の記事も時々投稿していますので、過去の出来事の記事を順々にお読みになる場合は、テーマごとに絞り込んでください。
 
 
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前回の話はこちら
 
 
 
私はまた星鮫弁護士の事務所に来ていました。
 
 
個室で待っていると、星鮫弁護士が先輩格の弁護士を連れてきて、紹介されました。
 
 

「海原と申します。」
 
 
明るい声で、とてもリラックスしている様子でした。


(南瓜さんが以前褒めていた弁護士だ。)


30代半ばあたりの女性に見えました。小柄の可愛らしい女性です。

 
小さなパールがついた薄いピンクの半袖セーターに、ミニスカートを履いていて、弁護士にはおよそ見えない。
 
 
弁護士らしからぬその服装から、直感的に、彼女の自信を逆に感じました。
 
 
海原「えーと、うちの星鮫が色々とご心配をおかけしてるようで、〇〇探偵事務所の方からも大丈夫でしょうかとお問い合わせをいただきましてね。」
 
 
(南瓜さんだ。。。結局、探偵事務所経由で弁護士事務所にクレームを入れたんだ。。。)


弱ったな、どうしよう、と思ったものの、私のことを何とかしてあげたい、という南瓜さんの気持ちは嬉しかった。
 
 
星鮫弁護士は大人しく座っていました。
 
 
視線を合わせられません。。。
 
 
海原「えーっと、ふんふん、そういうことね。」
 
 
彼女はファイルをパラパラと眺めながら、私の案件の概要を再度確認しているようでした。
 
 
海原「で、今回、ご主人の海外出張に不倫相手が合流するということですね。こんな交渉中に大胆ですね。。。ホント悪質極まりないし、奥様からしたら本当にお辛いですよね。。。」
 
 
これなのだ。
 
 
この共感があるだけで、救われるのだ。
 
 
海原「で、らぶかさんとしては、シンガポール現地で調査を取りたい、と。」
 
 
らぶか「はい。高額なのは分かっているんです。でもあまりに酷くて。。。このまま知らないフリして見過ごすのはどうしても耐えられません。」
 
 
未だに涙がつい出てしまいます。この2人は私よりずっと年下。本当に情けない。
 
 
海原「そりゃそうですよね。。そんな気持ちになりますよね。しかもご主人、彼女の分の旅費も出してるんですよね。そのお金、離婚の時返せって感じですよねー。」
 
 
海原先生は、そつなく共感の言葉を入れていきます。


海原「さて、これからどうするか、というところなんですけど。」


椅子にもたれ気味にして喋っていた彼女が、前屈みになり、両腕をテーブルに置いた。


 
海原「らぶかさんの悔しいお気持ちはすごくよく分かるんですよ。ただね、私たち法律家の目で、この案件をみた場合ですよ、見た場合、仮に調査が成功して、不貞の証拠が取れたとして。要するに、ホテル客室の2人の出入りですよね。」
 
 
らぶか「はい。」
 
 
海原「今進んでいる交渉を一旦中断して、その新しい証拠を突きつけて、さらに悪質な行為だとして、慰謝料額を吊り上げて請求し直したとします。ジャイ子氏はもう既婚者と知らなかったと言い訳できません。」
 
 
ぶか「はい。」
 
 
海原「それでも、おそらく相手方は首を縦に振らないでしょうね。過去の判例からいくと、らぶかさんのケースの場合、1万ラブカは既に悪くない額なのです。新しい証拠でこれ以上慰謝料額を上げるのは難しい。」
 
 
らぶか「。。。」
 
 
海原「シンガポールで取った証拠を見せて、申し訳ございませんでした、って素直に謝罪してくれる相手方だったらいいんですけど、これまでのお話お聞きしていると、そうはならないですよね、きっと。むしろ開き直られるかもしれない。」
 
 
らぶか「そうかもしれません。ジャイ子氏は気が強そうな女性ですし、夫は、海外まで追ってこそこそ調査をする妻だと思わなかったと責めるタイプです。。。」
 

海原「今は2人はバレていないと思っている。だから違約金額も慰謝料の2倍払うと言っている。でも新しい証拠を突きつけたら、誓約書嫌々サインするにしても違約金を下げてくるかもしれないし、さらに潜るから違約金を取るための証拠が取りづらくなる。」



海原「要するに、この調査は、費用対効果が低いんです。らぶかさんのお気持ちはもちろんよく分かるんですよ。」
 
 
らぶか「。。。」



海原「それであれば、ここはグッと耐えていただいて、2人を泳がせ、合意に持ち込み、その後に証拠を取って違約金請求をする方が、金銭的には有利じゃないかなと思います。」


海原「合計3万ラブカです。合意後も、たぶん簡単に証拠取れますよ、この無警戒な2人なら。」
 
 
らぶか「そうかもしれませんね。。。」
 
 
海原「星鮫が、らぶかさんにお話しした方向性で私は問題ないと思いますよ。星鮫も頑張ってますから、何とか一緒に頑張りましょうよ。」
 
 
海原先生は、さりげなく後輩をフォローします。
 
 
海原「合意書文で気になる部分があっても、細かいところは目をつぶって、おおよそ受け入れられる内容になった段階で、早いところ合意してしまいしょう。そのあと、さっさと証拠を取って違約金請求ですよ。」
 
 
まだ頭は沸騰状態ではありましたが、少し冷静さを取り戻すことができました。
 
 
今は悔しくてすぐに返事はできないけど、今の方向性で引き続き進むのが妥当なのだと、やっと真から理解できた気がしました。
 
 
泣いて、諭されて、悩んで、選択する。
 
 
泣いて、諭されて、悩んで、選択する。
 
 
一体これを何度繰り返したのだろう。
 
 
こんなことを、短い間に繰り返すなんて、わずか数ヶ月前まで思いもしなかった。


こんな人生になると思いもしなかった。




ああ、また選択しなければ。



早く楽になりたい。