翌朝。
どうしよう。。。
気持ちは、このまま契約に進んでしまいたい。
が、何せ浮気調査は高額。
そう簡単には決められません。
ひとつ比較対象を作った方がいいのかしら。。。
ランチタイムに、第2候補だったB探偵事務所へ予約を入れました。
早速、その日の夕方面談することに。
オフィスは、少し古めのビルの中にありました。
ドアを開けてくださった女性は笑顔で迎えてくれました。あさりちゃんのママに似ていたので、ここでは「さんごママ」と呼びます。
個室に通されると、しばらくして先程のさんごママが入ってきました。
その後、程なくして、先輩格と見られる女性がさらに入ってきました。
お2人とも、私の話を詳しく聞いてくださり、共感したり、元気づけてくださったりしました。
女性3人で、少し和気藹々とした空気になります。
昨日の探偵事務所よりは、対応のスマートさに劣るけど、ここもそんなに悪くはないかも。
料金もこちらの方が少し安いし、当日の急な依頼も調査員が空いていれば可能、その為の追加料金も発生しない、とのこと。
昨日のところと比べてかなりフレキシブルです。
条件面だけ見れば、総合的にこちらの方が魅力的でした。
でもやっぱり何かこう、ここに決めちゃって大丈夫なのかな、という不安が残ります。
「色々とご丁寧にご説明いただいて申し訳ないのですが、とりあえず今日のところは持ち帰ります。」
と南瓜さんの時と同じように私は答えました。
瞬間、さんごママの口角が僅かに下がりました。
その後、2人のモードが切り替わります。
オブザーバーのように後ろで控えていた先輩格の女性が、さんごママの隣に移動してきました。
2対1の構図になります。
夫が水面下で別居計画を練っているのだから、早急に調査を開始して証拠を取った方がいい、と説得するのは南瓜さんと同じです。
2人が交互に私の不安を煽ります。
その後、2人は料金プランなど色々提案し、「さ、で、どうするの?」と言わんばかりに、同時に私を見つめました。
沈黙です。
次は貴方が言葉を発する番よ、という空気です。
強制的に契約させようとしているわけではありませんが、今日ここで契約しない私は浅はかだ、と言われているような無言の圧力を感じました。
ここはないかな。。。
やっぱり南瓜さんのところに戻ろう。
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