爪に火を灯す
欲という欲を抑えている。
節約の限りを尽くしている。
たとえばスーパーに行く。
これは美味そうだ、これを飲みたいな、なんて思いながら一通りみてまわる。
食べ物ウインドウショッピングだ。
急に１ユーロのチョコレートが食べたくなったりした時は、心の中で自分に言う。
「お前は今１日１４ユーロほどの給料で１日働いてるんだぞ！その中の貴重な１ユーロをこんな物に使うのか！？」
そして手を引っ込める・・・・
交通機関は使わない。
歩いて１０時間までに行ける距離ならば歩く。
もちろん酒は飲まない。
そんな生活のおかげで、ゆっくりと・・・・
本当にゆっくりと、ユーロが貯まりつつある。
明日のために今は我慢だ！！
今は助走の時だ！
金ができたら、これ以上ないほど楽しもう！！
そして日本に帰ったら、うんざりするほど焼肉や寿司を食べてやる！！
見極めろ！！
こっちに来てから、おいしいそうな話しが目の前にぶら下がっている事がよくあった。
だが掴んでみると、たいてい馬鹿をみる。
それでも、うまい話しにはダッシュで飛びつきたくなるものだ・・・
焦りだ・・・
どうしようもない焦りがそうさせる。
見極めろ！ 目の前の状況を！！
そして、その裏を！！
焦りを抑え頭を使って慎重に！！
慎重に待つのではなく慎重に掴み取れ！！
全てに対応できる準備をしてから飛びかかれ！！
勉強
最近、１０年ぶりぐらいに勉強している。
休日がないわりに結構、空き時間の多い仕事なのでレセプションの机に向かいノートを広げ知り合いにもらった本を片手にイタリア語の基礎からやっている。
オーストラリアに行ったとき英語なんてほとんど全く勉強しなかったけど会話の中で少しずつ喋れるようになっていった。
でもイタリア語は少し難易度が高い！！
うちのユースは英語が飛び交いイタリア語を使うことはあまりない。
このままでは一向に喋れる気配がないので勉強してみることにした。
まだ、さっぱり喋れんがやらないよりはマシだろう。
自主的に勉強することは嫌いではないし。
やはり言語は重要なスキルだ！！
言葉が使えるだけで旅も全く変わったものになる。
英語はもちろん重要だし、世界に散らばるラテン系の言葉は似たようなもんなのでイタリア語からはじめよう。
後は中国語あたりも覚えたい言葉の一つだ。
イタリアを出る頃には少しはイタリア語を喋れるようになっているだろう・・・・・・・多分。
渇望
ああっ！！ 金が欲しい！！！！
喉から手が溢れ出るほど欲しい！！
金は全てじゃないけど絶対だ！！
金は１番にはなり得ないけど絶対だ！！
社会は金で動いている。
金が幸せを産み不幸を産んでいる。
路上で毎日無い足を見せて金をせびり続ける身体障害者。
不法に偽者バッグを売り捌き警察が来るたび逃げ回る多くの外国人達。
足元を見られ考えられない程安い給料でコキ使われている外国人達。
スリ 強盗 ヒッタクリ
みんな金の為だ・・・
金のせいではないが金のためだ。
俺のやりたい事をやりたいようにしようとしたら、どうしても金がいる。
金があれば乾燥パスタをパリパリ食べて飢えを凌ぐなんて事もしなくてすむ。
奴隷のような事もしないですむ。
ああっ・・・ 金が欲しい！！！！
もう悔しい思いをしなくていいように！
自分の目標に早く近づく為に！！
おいおい！！
ちょっと待ってくれ！！
どういうことだ!
ローマのユースで働きはじめて５日。
あまりにもあり得ない事が多すぎないか！？
おい！ スタッフ！！
お前等どうして、そんなに色んな事を間違う！！
一桁の暗算ぐらい間違うな！！
なんでパソコンのデータが間違いだらけなんだ！！
自分でした事をすぐに忘れるな！！
都合が悪くなったら人のせいにすんじゃねー！！
俺が来る前の事まで俺のせいにするな！そしてオフィスもそれに気付けよ！！
何で入って５日目の俺が一番チェックインのデータに詳しいんだ！！
こいつらは悪い奴らじゃないが頭が悪すぎる・・・
しかも、すぐ人のせいにしようとするので絶対に負けてはいけない！！
毎日が戦いのようだ。
ここで、やっていくには逆切れされても関係なく自分の主張を押し通していかないと駄目だな・・・
客も客でワガママすぎるぞ！
勝手に部屋を代えるな！！
２人で４つのベッドを使うな！！
当日キャンセルで金を返せとか言うな！！
まともに相手をしていたらやってられん事だらけだ！！
絶対こいつらには屈しないぞ！！！
ローマのユースホステル
ナポリを脱出後、再度ローマへやってきた！！
そして見つけた仕事はローマのユースホステル。
その名は【Ｂack Ｐackers Ｈostel】
こんな名前だがユースホステルです。
あと日本食のレストランも一時は働けることになったがユースとの時間の折り合いがつかずにユースの方をを選んだ。
分かってたけど、こっちのユースで働くのは大変だ！
掃除なんかは楽なもんだがチェックインや電話応対やオフィスとのやり取りを全て英語とイタリア語でしなければならない。
英語は問題ないがイタリアなのでイタリア語しか喋れない人もいっぱい来る。
そうなったらもう本を指差しながら会話するしかない。
電話の場合は、ほとんどお手上げだ・・・
そしてうちのユースはユースホステル協会のようなものに属しているので全てオフィスを通さないといけない。
延泊したい人や予約の無い人がいたら、イチイチ、オフィスに電話してその日の部屋の値段を聞いて泊めていいか聞かないと駄目なんて異様な事だけど、それがシステムなら仕方ない・・・
まあしばらくはここに落ち着きそうだ。
追伸・うちのユースは日本人はもちろんアジア人が一切居ないので誰か来ーい！！
ナポリを脱出！！！！！
クリスマス期間だけの奴隷生活を終えナポリを離れることになった。
ナポリという街は混沌としていて治安は悪く交通ルールなんてほとんど無く(っていうか信号がない)クラクションや怒鳴り声、サイレンの音や急ブレーキの音が絶えず聞こえる、うるさい所だ。(たまに銃声が聞こえる)
物乞いや泥棒が多く掃き溜めのような場所だったけど、そんなかでも活気はあり雰囲気のある街並みやガチャガチャした感じは嫌いではなかった。
そんなナポリで出会った同じ日本人で酷い扱われ方をしながらもピザ職人やナポリの料理人になる為に修行している人達の姿は刺激的だった。
また来るかどうかは微妙な所だがとりあえず最低で最高な場所だったかな・・・
これからひとまず北上する。
ナポリで手にできたのは２００ユーロ弱。
とにかくイタリア脱出の資金を貯めねばならない！！
とりあえず目標は１０００ユーロだ！！
ナターレ
さてイタリアに来て何気に1ヶ月近く経とうとしている。
未だにほとんどイタリア語は喋れんが何とかやっていけている。
さてナターレも終わった。（ナターレとはイタリアでいうクリスマスの事）
ナポリに来てからといものレストランで朝から深夜まで働きっぱなしで24日も他の店がほとんど閉まっている中うちの店は昼だけ営業。
仕事が終わってから唯一持っていたコインで日本に電話してみるもつながらず何度か試したが無情にも全て電話に吸いこまれていった・・・
金なんか持っていないしすることもないので誘われていたオーナーの家に行ってみた。
行ってみると20人ぐらいのクリスマスパーティーで周りの言っている事は全く分からなかったが割りと豪華な食事とナポリのお守りを頂いた。
その後、オーナー一族の茶番劇のようなプレゼント交換を眺めながらぼ～としていると時間は過ぎていき深夜に帰宅。
パーティー中にもらったナポリのお守りは帰ってからみるとポケットの中で砕けていた・・・
そして次の日ナターレ本番はほぼ全ての店が閉まってる中やっぱりうちの店は営業。
しかも一日中・・・
他が閉まってるせいか忙しかった。
しかも休憩中は他の人達は帰り日本人だけ残されて働かされた・・・まあ、いつもの事だけど。
なんだか今年のクリスマスは妙に疲れたな・・・
ナポリで奴隷になる。
ナポリに来て一週間。
１ユーロで到着したもののナポリで料理修行をしている「りょうさん」とピザ修行をしている「ながさん」「たくみさん」に拾われてレストランの皿洗いをしながら何とか生き延びている。
しかし『ナポリ』での日本人の扱いは酷く朝から晩まで奴隷のような毎日を送りながら1週間で手に入れれるのは100ユーロ・・・
金も持たずに言葉も喋れん国に来て不法に働いているから仕方ないけど、ここでの扱いはかなりの酷さ！
毎日切れそうな自分を抑えすぎて気が狂いそうだ。
この屈辱と怒りはしばらくの原動力になりそうだ・・・
空いてる時間も無く打開策を探す暇も無いし収入もごくわずか。
このままでは中々、前に進めそうにない・・・
這い上がらねば・・・
ナポリへＧＯー！！
一週間滞在したヴェネツィアを離れ今度は一気に列車で１０時間下ってピザの街『ナポリ』へ！！
たまたま『ナポリ』の熱い話しが聞けたので行って見る事にした。
いよいよ所持金は2ユーロ………
いくらユーロが高騰してるからって日本円にしても320円。
まだまだ危機感は無いがそろそろ恒例の勝負時やな。
ナポリへＧＯー！！