新幹線からの眺めは、楽しいぞよ〜♪ るるるぅ〜ん♪
それではぁ〜
詩人のマリネちゃんが活躍する
「マリネの記録」の続きぞ、よぉ〜ん。
こちらも、2017年配信分が、今回で、終わりん〜。
このお話の真ん中に入っている詩が
面白いん〜
短編映画のようであるぞょ〜
真ん中の詩だけを拾って読むのも面白いん〜
バックナンバーに行くと、それができるん〜
それより、お話の続きが早く知りたい〜ん、って思ったらぁ〜
定期購読するぞよ〜
『メイド詩人マリネ「マリネの日記」』だ、び〜ん♪
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【★】「マリネの記録」 ☆ 第七十一章 ZACURO ☆
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私は、マリネ。
浮いている草を目で追っていく。
池の表面を漂う、ただの草。
根が土から離れ、自由の象徴となった草よ。
今はもう、水に洗われて、
根は、羽のようになっている。
スピードにまたがって男と女と男が走り抜けていく
ZACUROがパーンとポップコーンのように弾け飛ぶ
ZACURO
車体の低い真っ赤なオープンカーが駆け抜ける
ハンドルを握る男は前方だけを見ている
助手席の男は左側ばかり見ている
後部座席の女は右ばかり
意味なくクラクションを鳴らし車を止める
女は 車を出る
鮮やかな赤いハイヒール
犬が見ている 見返す女 大きな屋敷 門の前
ZACUROを置く 門の前に 犬が吠える
女は車に乗り込む
走る 真っ赤な風となって
そして スーパーマーケットの前で止まる
勿論 意味はない
助手席の男は 雑誌を買うために店に入り
勿論 雑誌を買って店を出る
店の前には分別ゴミ箱
その上にZACURO
するりと乗り込む あたりには誰もいない
いても誰も気付かない 気付かれても気にならない
これは いたずら ただのいたずら
風がすううっと通り過ぎ 次の角で曲がる
大きな道路から細い道路へ 都会から田舎へ続く道
周りには何もない 車も通らない
ぽつんと ひとりのヒッチハイカー
合図する 赤い車がやってくる
減速する赤い車 運転手がにっこり笑う
ZACUROをヒッチハイカーに投げてみた
ヒッチハイカーは ZACUROを受け取ってしまう
加速 スピードに乗っかって 走る 走る
行ってしまう
高原 ただ だだっ広いだけの場所に
三人は 三方向を向いて立っている
女は 小さなメモに何かを書いている
助手席の男は 大きなヘッドフォンで音楽を聴いている
運転手の男は ポラロイドカメラで写真を撮る
女は 口ずさむ 赤と青との違いについて
メモに書いては ちぎっていく
助手席の男は ヘッドフォンをはずす
聞こえないはずの音が反響する
運転手の男がポラロイドカメラから
今撮ったばかりの写真が落ちていくのを見ている
風の音 紙の散る音 音の反響
飛ばされていく一枚の写真
車に乗り込む 男と男と女
女は 前の二人の間を割り込むように手を伸ばす
カーステレオのスイッチを入れる
赤い点滅
一瞬暗くなりフロントガラスがスクリーンになる
美しい風景 海かもしれない波 細い道 太陽
赤い車が走り抜ける
道路脇でヒッチハイカーの女が合図する
車は 減速する 車の中には 男が二人
運転席と後部座席に
運転手の男がにっこり笑い ZACUROを放り投げる
女は 受け取り すぐにZACUROを投げ付ける
オープンカーの後部座席に
後ろの男は 驚き ZACURO をキャッチし
反対側へ投げる
海へ 海へ投げ付ける
ZACURO が ざぶんと沈む
後ろの男は 助手席へ移る
ヒッチハイカーの女は後部座席に乗り込む
ほとんど同時
三人 三方向を向く
前 左 右
ほとんど同時
車の気配がし、
私は、避けて、ビルの方へ体を寄せる。
車が、スピードを落としながら、
私の横を通り過ぎて、止まる。
革命は、白と黒