さて、さてぇ〜
「オレンジとアップルと9cm王国」ですぞょ〜
前回の続き〜
湖の畔で、それぞれが経験したことを
語っていくうちに〜
いろんなことが見えてくるょん〜
みんなの過去を知りたければねぇ〜
バックナンバー読むべし〜〜!
定期購読希望〜も、してみてねん〜♪
「BOMB書店☆静かなる読書」ですぞぃ♪
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【★】「オレンジとアップルと9cm王国」 第四部
☆ 第三十四章 不思議な双眼鏡と妙に先の尖ったポール ☆
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「いえ」
と大きな白い鳥は首を振った。
そして、また、「いえ」と言ってから、
「私は、記憶をなくしているのです」
と付け加えた。
「でも、あなたの名前は、サーというのでしょう?」
と十五人の影作りの女たちの一人が聞く。
だが、白い鳥は、首を振る。
「もしかしたら、
サーエルという名前なのかもしれないのです」
「…そういえば、プルックと名乗っていた、
あの黄色く光る小さな鳥が、
あなたのことをサーエルと呼んでいましたね」
と旅人のリアレが言うと、
老人メノーが溜め息を吐きながら言った。
「もしかしたら、そのプルックという鳥は、
わしの知っている鳥かもしれないんだ」
「そうなんですか?」
と驚いたように白い鳥が聞く。
「妙に先の尖ったポールがあってね、
そこで、わしは、鳥たちに餌をやっていたんだよ。
その時に、黄色と茶色が混ざったような羽根の
小さな鳥がいてね、
そいつに、わしは、プルックと名付けたんだ。
でも、その時は、黄色く光ってはいなかったからね、
わしの知っているプルックと
湖に沈んでしまったというプルックが、
本当に同じかどうかは分からないんだが…」
と老人メノーは言う。
「妙に先の尖ったポールは、どこにあるんでしょう」
と白い鳥は聞く。
「さあ。泥の波に流されて、
どこかへ行ってしまっただろうよ」
と老人メノーは答える。
「私は、その妙に先の尖ったポールへ
行こうと思っていたんですよ」
と白い鳥は言う。
「行って、どうするんだい?」
と老人メノーは、不思議そうな顔を向ける。
「私を助けてくれたお婆さんが、
そこへ行ってみれば、
何か分かるかもしれないと教えてくれたんです」
と白い鳥は答える。
「…もしかしたら…
プルックとあなたは、
その妙に先の尖ったポールで会っているのかもしれませんね」
とリアレは呟くように言い、
白い鳥は、ハッとしたような顔を向ける。
「あ、何となくそう思っただけですよ」
とリアレは、口籠り、
それから、嫌なことを思い出したように、首を二、三度振った。
「どうしたんです?」
と白い鳥が聞くと、
リアレは、
「いえ。
…その、実は、私、泥の波に流される前、
ある屋敷に入ったんです。
…それで…その中の、一つの部屋の中の窓から、
私は、妙に先の尖ったポールを見たんですよ…」
と言った。
「君…ドクターJ・ジョーカー氏の屋敷に入ったのかね?」
と、老人メノーが驚いて、リアレに聞くと、
リアレは、うろたえながら首を振った。
「…ドクターJ・ジョーカー…?
…確か、ジャック・ジョーカーという名が門に書かれていました」
「それが、ドクターJ・ジョーカー氏だよ」
と老人メノーが言うと、
リアレは、ぶるぶると震えながら、弁解するように言った。
「偶然、入ってしまったんですよ。
もちろん、中へ入る時に、声をかけました。
でも、どなたもいらっしゃらないようで…」
「…ドクターJ・ジョーカー氏の屋敷に入ったのか…」
とメノーは呟くように言い、それから、
「わしは、一度も入ったことがないんだよ」
と続けて言った。
「…どの部屋も鍵がかかっていました」
とリアレは言ってから、ゴクリと唾を飲み込み、
それから、何かに観念したかのように小さな声で言った。
「でも…13番目の部屋が、偶然、空いていて、
そこの窓から、ポールが見えたんです。
そしたら、影が…
黒い影が、十五体もポールから飛び立っていったんです…」
そのリアレの言葉に、
老人メノーも十五人の影作りの女たちも驚いた。
「十五の影…」
老人メノーは、妙に先の尖ったポールの地下で、
鳥籠に入っていた十五人の姫たちの魂が、
影を取り戻して、
飛び立った瞬間をリアレが見たのだと知り、
十五人の影作りの女たちは、
五番目の娘キャロルと名乗った姫が、
十五の影を持って行ったことを思い出した。
その時だった。
十五人の影作りの女たちの一人が持っていた双眼鏡が
光を点滅させたのである。
「あ!」
と全員が、双眼鏡を見た。
その時、双眼鏡に張り付いている貝殻が、
様々な模様を点滅させ、
さらに、その模様がくるくると変化し始めたのである。
老人メノーは唸った。
「これは…あの、赤い金魚と青い金魚と同じかもしれない…
そうだ。この貝殻…
まるで、金魚たちの鱗とそっくりじゃないか」
To be continued.
