誤魔化すように

にっとちいさく笑ったあと

手の甲で両目をおさえるようにして泣く


この前三十路を迎えたばかりの娘だが

子供の頃の泣き方と変わっていない

なつかしいような

せつないような気持ちにさせられる


小学校に入学したばかりの頃

おかえりと玄関で迎えた私に


 おかあさん

 上靴履いたまま帰ってきちゃった


と笑顔が途中で泣き顔にかわる

その時も

手の甲で涙をぬぐってた


あのときと同じだな


あのときも

今日も

そんなことで泣くのかと思うほど

幼くて

愛おしい


私が全力で守ってあげるよ

まだまだ61歳だもん

まだ役目ありだな

かあちゃんがついてるぞ!