早起きするつもりができず
9時半を過ぎた日陰のない墓場は
すでに灼熱
和尚人さまはご高齢で持病の喘息のため
焼香台と塔婆を置いておくので
今年も各自勝手にお参りしてくださいとのこと
しかし到着すると
お寺のどこかしらから出てきて
何枚も重ねてある塔婆から
うちのをとりだして手渡ししてくださる
ちょっとよろけられる
職業柄、無意識に手が出て支える
ここは両親が眠る川端のお寺
もうひとつ
今度は山寺にあるおばあちゃんのお墓参り
いまはいとこが守ってる
駐車場へ着くと
和尚の読経がきこえる
神戸ナンバーの車の先祖の墓か
同級生であるその和尚と顔をあわせたくないので
急いで花をそなえ
線香を焚く
とにかく
よそんちのお墓の読経がおわるまでにひきあげたい
読経がおわったようで
和尚がなにやら本堂に案内している声がきこえる
わたしは
ナムナムと唱えて
おばあちゃん、またね
と急いで駐車場へ戻る
セーフ
山寺のお墓参りから戻ると
汗だくであった