現在、中学2年生の娘も4月には3年生受験生になります。

これまでにも書きましたが、娘は数学検定準1級を持っているので大まかに高校数学(数Ⅲ)まで終了しています。
とは言え、高校入試の対策は必要なので今回はその勉強方法について書きたいと思います。

①高校入試の過去問を解く
②出題傾向の把握
③苦手分野の把握
④スピードの確認
⑤記述の確認

基本は娘がやりますが、②と⑤については私がメインでやります。

①高校入試の過去問を解く

まず、最も新しい過去問1回分を時間を気にせず、しっかり考えて解いてもらいます(時間は気にしないと言っても、しっかりストップウォッチを使用して正解に要した時間を計測)。そして、意外と大切なのは見直しをしないことです。家でやるのにわざわざ見直しの時間は取りません。

〈1回目の結果〉
目安時間45分→実際の時間63分
点数→82点
ケアレスミス→3問9点分
できなかった→2問9点分
平均点→47.3点

見てもわかりますが、良い結果ではありません。数学が得意ならやはり最低でも90点は取らないと苦手な国語をカバーできません。なかなか国語の点数が上がらないなら、数学を100点取るくらいにするのが理想です。
1回目の一番の目的は、現状把握なのでここを基本に対策を娘と考えました。

〈対策〉
①40分以内で解く→ストップウォッチで毎回計測、各問題に目安時間設定
②見直し5分→ケアレスミス傾向を把握し、5分で見直しを確実にする
③空間図形のやり直し→過去問以外に空間図形のやや難問に取り組む


②出題傾向の把握

これは、私の方で過去10年分の全問題をチェックし出題傾向をまとめました。

①計算問題6問〈2分〉
(1)正負の数の四則計算
(2)小数分数計算
(3)(4)文字式の計算
(5)文字式の計算(分数)
(6)ルートの計算

②小問5問〈5分〉
(1)文字と式
(2)2次方程式(解の公式)
(3)確率、資料の整理(中央値、最頻値等)
(4)図形(おうぎ形面積等)
(5)作図

③大問〈7分〉
資料の整理、連立方程式、一次関数等

④大問〈7分〉
系列問題等

⑤2次関数と図形の融合問題〈10分〉
(1)~(3)2次関数基本問題
(4)証明
(5)応用問題

⑥空間図形または平面図形〈12分〉
(1)~(3)図形基本問題(三平方の定理)
(4)応用問題(難問)

上記の時間で解くと40分以上になり、見直しは5分取れませんので、目安時間としています。


③苦手分野の把握

娘の場合、空間図形が最も苦手でした。
と言うか、最も問題数を解いていない分野ではないかと思います。関数は数Ⅲまでの中でよく出てきますし、微積を一番勉強していることもあり関数は得意です。
しかも、中学図形の空間図形は授業でやったのは最近ですが、数学検定の勉強としてやったのは3年くらい前になり、検定もすぐに合格してしまったので勉強量が少ないです。
そこで、空間図形においては最後に難問もでやすいことから、私立高校入試向けの問題を少しずつやったいこうと思っております。


④スピードの確認

高校入試問題を解く際に、問題は縦に解いて行き、ストップウォッチで時間を計測し目安時間でやるための時間感覚を身に付けていきます。
「問題を縦に解く」とは、まとめて入試一回分を解くのではなく、「入試問題の①を2分以内で解く」と目標を決めたら次の順番で解いて行きます。

基本はまず、5年分。2019年度のはもう一回解いてあるので、2018年度から遡って解いて行きます。

2018年度①→2017年度①→2016年度①→2015年度①→2014年度①

①の計算問題程度ならこのくらいやると2分以内にはできるようになります。娘の場合、約1分半でできるようになりました。

そして、次に②の小問5問を同じように縦に解いて行き、①②はパーフェクトに解けるようにします。

③④については、年度によって問題が何パターンかあるので、パターンに分けて縦に解いて行きます。パターンを考えると、やはり過去問は10年分くらい準備すると、パターン毎に3問は解けるので良いと思います。

⑤は、毎回同じ傾向で必ず配点が最も高い証明があるので、落とせない問題です。
ここは、余裕があれば10回分解きます。一気に10問ではなく、一日3~4問を目安に解きました。年度によって、難易度に違いがあるのですが、標準問題なので何問か解くと傾向がつかめ、10分以内に解けるようになります。

⑥は、空間図形か平面図形で、空間図形の場合娘の苦手分野なので一日に1問、平面図形で簡単なら一日2問解きました。ここは、難問が毎年出題されるので時間よりも解けることを重視しました。
この問題対策では、先にも書きましたが、過去問の他に、私立高校入試問題を取り入れて行きます。

各問題①~⑥の対策をした後に、最初に戻り一回分を見直しを含めしっかり45分で解いてもらいます。

〈2回目の結果〉
目安時間45分→実際の時間43分
点数→100点

2回目で同じ問題を解いているので、点数よりも時間をクリア出来たことが良かったです。また、ケアレスミスについても今回はありませんでした。2分程度ですが見直しをしていて、ケアレスミスしやすい問題をサーッと見直しなかったので時間よりも早めに終了。自信満々の100点でした。

ここまで、できるようになっら、今度は「過去問を横に解く」をします。単に、一回分ずつ45分で解くだけです。
解くスピードを掴んでいくと、解くのがどんどん早くなり40分以内で95点以上になってきます。これは2回目なので当然です。
高校入試当日、初見の問題で90点以上とるためにこれくらいは最低限必要なことです。


⑤記述の確認

ここは、私の方で採点しながら確認しています。高校入試はマーク式ではなく記述です。記述と言うと、証明や作図の確認だけかと勘違いされますが違います。高校入試では途中解法を書くのは一部で、短答式の記述がほとんどです。
子供だけで解いて丸付けをしていると、自分の字なので雑でも読めます。ここが問題です。教えている子の中には、字が汚くて読めない子もいました。このように、高校入試では記述を採点者が確認できなければ、✕になるのは当然です。そのためにも、丸付けを親がするのは高校入試対策では大切になってきます。
娘の場合、この点においては全く問題ありませんでした。また、証明作図においても基本が出題されるので、特に問題ありませんでした。



高校入試対策として、相談しに来られる方が毎年いるのですが、皆さん、問題傾向把握、時間感覚がない、ケアレスミス傾向把握をしないまま、過去問を解いていました。それでは、なかなか思うようにはできるようになりません。相談に来るくらいなので、数学が苦手な子なのでなおさらです。もちろん、数学が得意な子はさほど問題ではありません。
高校入試はテクニックもあります。数学が苦手なら100点を目指すのではなく、80点を目指すことをおすすめします。そのためにはケアレスミスまで把握すると、90点分解いて、確実に80点をとることです。そうすると、最後の難問や自分の苦手分野は「捨て問題」にすると言うことです。その分の時間を、他の問題や完璧な見直しに使うようにします。
数学が苦手な子に、できなかった難問の解法を教えるのは簡単ですが、入試当日に同じ問題はでないのでできる確率は低いです。それならば、最後の難問を捨てるようにすすめます。最後の難問(4点)をとるより、しっかり見直しをして①の計算問題(3点✕6問)を落とさないようにする方が、点数をとるためには大切です。
高校入試対策では、問題傾向を把握し、できない問題にこだわるより、まずはできる問題を落とさないようにすることをおすすめします。