無駄な政策、誤った政策 | 方丈随想録

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自民党総裁選が進行中である。最有力は小泉進次郎だ、という記事が目にするといささかうんざりする。

さて、小泉進次郎は父親の純一郎のカリスマ性を利用しようとしている。では、小泉純一郎首相によって国民生活はよくなったのだろうか。北朝鮮を電撃訪問して金正日に拉致を認めさせたことは評価できる。では内政はどうだろうか。小泉純一郎は「郵政民営化」一本で押したのだが、金の流れを調整したという点ではよかったのかもしれないが、それで日本経済が平成不況から脱したというわけでもなく、大金融機関が得をして、一般国民は郵便局の種々の利便性を剥奪されて情けない状態に陥ったのではなかったか。進次郎も恐らくそれと同じようなことをするのだろう。「改革」をしてある種の企業が儲ける。国民生活の利便性は一部で向上するが、一部で後退し、差し引きよければゼロ、将来的にはマイナスだった、という塩梅である。要警戒である。

民主党政権にしても、2008年に政権を取ったのだが、どんな実績を残したのかというと、ほとんど何もない。野田首相が消費税を10%に上げる道筋をつけたのだが、これを実績と言っていいものかどうか。参政権を20歳から18歳に引き下げたのも民主党政権時だったが、それは必然的に成人年齢を18歳に引き下げることにつながる。民法や刑法の領域でも「18歳以上」が大人という扱いになるのだが、これは個人の発達程度ともかかわることもあり、参政権年齢の引き下げは意味がなかった。18歳以上20歳未満の若者の投票率が高いこともない。この期間は「子どもから大人に成長するモラトリアム期間」として残すべきだったと思う。

民主党政権の改革として高校授業料の無償化がある。外国との比較で当然とみなされているが、それよりも優先してすべきことがあった。それは義務教育学校における給食費の完全無償化である。給食費を無償化している自治体と有償化のままの自治体があるが、全国一律無償化で統一すべきだろう。小生の住む県では、ある自治体では無償化が随分前から実現している一方、有償を継続し、給食費の徴収事務を教育委員会が行うことでお茶を濁している自治体もある。格差の拡大、一人親家庭の貧困という現実があって、戦後間もないころのような「欠食児童」が出ている現実を考えれば高校授業料の無償化より義務教育学校の給食費無償化が優先されるべきだろう。更に言えば、大阪で始まった高校授業料の全額無償化は富裕層優遇かつ公教育を毀損するものだ。ただ新しいことをやり予算を投じればいいというものではない。

自民党の安倍首相の評価は外交・軍事とアベノミクスが主に取り上げられるべきだろう。正確な評価は将来の世代が下すべきだろうが、よく練られており現実に成果も挙げたように思われる。しかし、「教育基本法」の改正は意味があったのだろうか。理念法としての風格があった法律を、ごちゃごちゃした一般的な法律にしてしまった。これが最近の教員不足や教育の全般的質の低下の一因だと思う。国会議員が多大の労苦をかけて成果ゼロないしマイナスの法改正をやったのだ。

国会議員の給料は国民の税金だ。給料に相当する仕事をして以前よりもよくなったと言わせる政治をしてもらいたい。そうでなかったら、税金泥棒を飼っているようなものだ。