内閣府「再エネTF」レポを読み解く(3) | 方丈随想録

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内閣府の調査報告書の本文の内容が結論の内容にマッチしていない、というのが小生の印象である。本文では「限りなく黒に近いグレーだ」と匂わせておいて、結論は「黒ではないから白でしょう」と締めくくっているのだ。こんな頓珍漢な報告書は欧米では通用しないだろう。メディアが全く矛盾点に切り込もうとしないのも不思議だ。一体何を恐れているのか。

 

(2)あまりに濃厚すぎる大林ミキと中国国家電網公司との関係

内閣府の報告書は結論で、中国政府等と自然エネルギー財団および大林の関係についてはネガティブだとした。ところが、大林は過去11回も中国に渡航し、そのうち8回は中国の組織と接触している。8回の内7回は中国国家電網公司と当該公司が設立した国際NPOであるGEIDCOである。中国国家電網公司との関係は中国渡航の機会だけではなく、日本国内にある中国国家電網公司の日本支部とも行き来があったのである。そもそもGEIDCOは2016年に設立されているが、国際的な送電網(特にアジア地域での)の整備を目的にしている。日本の自然エネルギー財団は、GEIDCOに呼応して、日本国内で国際的な送電網の整備に向けての環境整備を目的にしている。したがって、中国国家電網公司と自然エネルギー財団との間には資金的関係はないかもしれないが、同一の政治目的を共有していることは明らかである。

ところで、大林ミキが頻繁に中国に赴いたことの他に、大林は東京都内で中国国家電網公司の「関係者」と「面接」していたと報告書はさらりと書いている。自然エネルギー財団はNPOであり、GEIDCOもNPOだからNPO同士で連絡を取り合えばいいのに、ここで中国国家電網公司が登場する。しかも東京で。ということは、中国国家電網公司のロゴ入りの電子資料を受け取り、大林の財団における事業の方向性と大林が各所で行うレクチャーの内容について中国側から指示が行われたのはこの「面接」だろうと思われる。中国国家電網公司の「関係者」は恐らくスパイで、「中央対外連絡部」の命令で動いているのだろう。そして、在東京の中国国家電網公司の「日本支部」は名目的には電力関係の情報収集や物資の調達を業務としているが、その取引先に河野家が経営する日本端子株式会社があり、業務連絡を装って中国政府と河野太郎の情報伝達業務をしている可能性がある。大林ミキと面接した中国側の「関係者」が大林を高く評価して河野太郎に活用を進言したのではなかろうか。中国側の「関係者」が一人か複数か不明だが、比較的大物のスパイだろう。

「ロゴ問題」を早く封印したい思惑で河野太郎は大林の辞任を認め、タスクフォースも解散させたが、大林と中国との関係性、中国と日本端子や河野太郎の関係性、大林と河野太郎の関係性といったものが一挙にバレルことを防ぐためであった。

河野太郎は大林ミカを環境エネルギー政策研究所の飯田哲也の紹介で知った、と報告書は書いているが、紹介された時期の1998年頃は、大林は原子力資料情報室の事務員であり、飯田もまだ研究所を立ち上げていない。報告書の記述にも曖昧さが滲み、信用できない。

 

[総括]「限りなく黒に近いグレー」を報告書では「黒ではない」と表現したが、その表現は誤りではないとしても、同時に「黒の可能性が限りなく濃い」と表現しても誤りではないのだ。

表ではGEIDCOや自然エネルギー財団といったNPOの活動という形をとりつつ、その裏では中国政府=中国国家電網公司=日本端子株式会社=河野太郎 という連携ルートが存在している。表と裏は密接に関連しているのだが、そのことは秘密にしておきたい。しかし「ロゴ問題」でバレそうになったので慌ててタスクフォースは解散となった、というのが小生の推理です。