●概要

この試験は、職業能力開発促進法の規定に基づき、職業訓練指導員としての資格を得るために行うもので、合格者には申請により職業訓練指導員免許が交付されます。私は令和7年度神奈川県の職業訓練指導員試験を受験しました。

受験料：3,100円（税込）

受験資格：受験資格を得るためには複数のルートがあります

問題数：［指導方法］20問/1.5時間　五肢択一

合否基準：60％以上の得点(12問以上正解)

合格率：都道府県により難易度が異なりますが、受験での合格率は30～50％ほど

試験日程：年1回　各都道府県により異なります

場所は相鉄「二俣川駅」より徒歩18分　神奈川県立産業技術短期大学校でした。

●指導員免許を取得するための主なルート

職業訓練指導員には123種の免許職種があります。免許を取得するためには、免許職種における能力を有することが必要となり、取得にあたっては、いくつかのルートがあります。私は免許職種「測量科」で、受験資格「測量士試験の合格者」として指導方法のみ受験しました。

●対策

職業訓練指導員を試験で取得する場合は指導方法、実技、関連学科に合格する必要がありますが、指導法以外を実施している都道府県は多くありません。技能検定1級に合格すると実技、関連学科の免除受けられるので、指導法のみ受験するルートと、48時間講習を受講して全て免除で合格する方法、またはその組み合わせがあります。試験は何処の県でも受験できますが、免許申請は原則的に居住の都道府県となります。また、指導方法を1度合格すれば、他の科を受験する場合に免除となります。試験は、都道府県毎に出題内容も時期もバラバラで、難易度にも地域差があり、過去問がありません。私は試験対策として、唯一公開されている大阪府ホームページの過去問３年分と、公式テキストに付属している練習問題集を5周しました。勉強時間は約1ヶ月、30時間ほどです。

㊧「職業訓練における指導の理論と実際」（4,620円）職業訓練指導員試験の参考書です。試験は全てこのテキストから出題されました。大阪府の過去問と合わせて勉強すると効率的です。㊨過去問は大阪府のHPでしか公開されておりません。プリントアウトして、テキストにマーク＆付箋紙を付けました

●試験

【指導方法】

集合時間　9：20

注意事項説明　9：35～10：00

試験時間　10：00～11：30（90分）

※開始30分までは途中退出できません。

※試験問題はお持ち帰りできません。

■これから受験を考えてる方の参考になればと思います。（覚えてるものだけ）

・試験で出題されたもの

①職業能力開発計画（P331）

都道府県職業能力開発計画を策定する（◯）→計画するよう務めなければならない（×）

②職業訓練ガイドラインとは（P23）

民間教育訓練機関が～ガイドラインである。（正しいものを選ぶ問題）

③ジョブ・カード（P28）

ジョブ・カードとは「ｷｬﾘｱｺﾝｻﾙﾃｨﾝｸﾞ・職業能力形成プログラム・評価シート」である。（大阪府の問題と類似）

④カウンセリングとは（P253～259）

カウンセリング・コンサルティング・コーチング・アサーションの違いが問われる

⑤ギンズバーグの理論（P228）

空想期・試行期・現実期+後戻りは不可能である（×）→可能とした（◯）

⑥訓練における「計画」の構成（P37）

第1のレベル「マスタープラン」・第2のレベル「実施計画」が正解。組み合わせを変えて問われる

⑦年次有給休暇（P348）

年10日以上付与される労働者に対しては～～必要である。（正しいものを選ぶ問題）

⑧OJTとOff-JTの違い（P83）

表2-15の良い点と弱点から、違いが出題

⑨自閉スペクトラム症（P269）

社会性、コミュニケーション、想像力の組み合わせが正解

⑩訓練目標の設定（2）範囲と程度（ｐ44）

2.系基礎実技及び専攻実技「一般的にできなければならない定型的な作業は？」→…ができること（◯）

⑪指導員の６つの役割（P31）

6つの役割から５つが出題、間違っているモノを１つ選択する問題

⑫訓練評価の4レベル（P145)

レベルと評価内容が問われます。正しいモノを選べ

⑬技能検定（P334）

2級技能士の合格者は「技能士」と称することができる→×

⑭指導案を作成する４つの目的（P93)

図2-14の４つ+間違ってる選択肢１つが出題

⑮生活指導の留意点（P288)

1～14の中から、少し内容を変えて出題（正しいものを選ぶ問題）

⑯人間の心とからだ（P308～312）

心の健康について問われます。常識でわかる問題

⑰集団指導上の一般的心得（P316）

1～4を少し変えて出題。正解は率先垂範することが指導上極めて重要である（◯）

合格発表は試験から約1ヶ月後の10月8日（水曜日）です。合格された方には、試験結果通知書と職業訓練指導員試験合格証書を送付します。申請により職業訓練指導員免許証が交付されます。交付された職業訓練指導員免許は全国で有効です。神奈川県の受験者数は94名

●感想

なんとか合格ラインには達したかなといった感じ。職業訓練指導員試験とは、職業訓練指導員免許を取得するための資格試験です。この試験に合格すると、公共職業能力開発施設で職業教育の教鞭をとることができます。職業訓練指導員（テクノインストラクター）は、在職者、求職者、学卒者等の様々な方を対象に、就職等に必要な技能・技術の指導や就職支援などを行っており、全国各地で多岐にわたる活躍をしています。あなたも職業訓練指導員免許を取得して、活躍の場を広げてみてはいかがでしょうか。