やりたい放題だった療育の数日後、長男が体調を崩した。
突然いつもとは違う変な咳を連続でして、呼吸もヒューヒューと音が鳴っている。
それまでは風邪の症状もなく、元気に遊んでいたのに。
本当に突然。
何かの発作かと思うくらい。
咳とか呼吸とか聞いていると苦しそう。
こんな症状は初めて。
オットセイの鳴き声のような咳…。
もしかしてクループ?
クループって症状の重さによっては危険だったよね?
ドキドキしながら長男の背中をさする。
顔色が悪いとかはなかったので少し様子を見ていると咳がだんだん治まってきて、そのうちにヒューヒューもなくなった。
ただこのときは夜で次の日が日曜日だったので、念のために夜間診療へ行くことにした。
診察でその時の状況を説明しているときに長男が咳をしたので、この咳はクループだと思うと言われた。
突然始まって短時間で治まっていたので、咳が出る前に何をしていたか聞かれた。
少し前に歯磨きをしたと答えた。
おそらく歯磨きに使った歯磨き粉が刺激になったのではないかということだった。
新しく開けた今まで使ったことがない歯磨き粉だったのよ。
まだ少し咳が残っていることもあり、吸入して帰りましょうということになった。
それから数日後の療育の日。
クループ特有の咳はなくなったが、普通の咳をしていた。
風邪?
とにかく咳をしていたら療育には行けないので、欠席連絡をした。
ほっとしている自分がいた。
今日は行かなくていいんだ。
長男が押したり叩いたりしているのを見なくていいんだ。
長男には申し訳ないけど…
「長男がいないほうが、他の子は平和に過ごせるんじゃないだろうか」
そんなことも考えてしまっていた。
療育に数回行って他の子の様子も見ていたけど、他害があるのは長男だけ。
自分の思い通りにならなくて泣いている子とかはいるけど、他害はない。
その状況もまた辛かった。
「叩いてしまうこともあれば、叩かれることもある」
そういう状況なら前回スタッフさんが話してくれたように「お互い様」と思えたと思う。
でもそうじゃない。
うちの子は叩くばかりで、叩かれることはない。
そうなると「お互い様」ではない。
その場にいたくなくなる。
長男を連れて帰りたくなる。
そんな思いを抱えながら療育に参加していた。
でも今日はそんな思いをしなくていいんだ。
そう思うと心が少し軽くなる。
家で子どもたちとのんびりしていると、療育が終わる時間が少し過ぎた頃、療育を受けている事業所から電話があった。
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