少し会話をしたあと、無言のまま説明が始まるのを待っていた。



すると面談室で私に説明してくれた医師とS看護師が入ってきた。



M医師「こんにちは。担当のMです。奥さんには先ほど説明させていただいたんですけど、ご主人が来られたということで麻酔科の前にもう一度説明させていただきます。」



私に説明したことと同じ事を夫に説明してくれた。



夫はときどき相槌を打ちながら聞いていた。



夫は今どんな気持ちなんかな…。



M医師の説明が終わると、入れ替わりで麻酔科の医師が部屋に入ってきた。



麻酔科医「こんにちは。今日お子さんが手術を受けるということで、麻酔について説明をさせていただきます。」



こちらも手術の説明と同じようにリスクについての話があった。



やっぱり何をするにもリスクは伴う。



聞きたくなくても聞かなければならない。



無事に終わることを祈るしかない。



夫はどんな気持ちで説明を聞いているんだろう。



そう思いながら説明を聞いていた。



すると部屋の外から赤ちゃんの大きな泣き声が聞こえた。



すぐ近くで泣いている。



この時点で自分の赤ちゃんの泣き声を聞いたのは生まれたときだけ。



それくらい一緒に過ごした時間はほとんどなかった。



もしかして私たちの赤ちゃん?



でも泣き方が普通じゃない。



お腹がすいたとか抱っこしてほしいみたいな泣き方ではなく、嫌なことをされてる、痛いことをされてるような「ギャー」という泣き叫ぶような泣き方。



痛いことをされてるんかな?



点滴の針とか刺されてるんかな?



それにしては泣いてる時間が長いよな…。



そんなことを思っていると、入り口近くに座っていた麻酔科の医師が部屋の外をチラッと見て「あっ、今赤ちゃん泣いてますね。」とだけ言い、淡々と説明を続けた。



やっぱり私たちの赤ちゃんだったんだ。



あんな泣き方させて腸に負担かからんのかな…。



大丈夫かな…。



そう思っていた。



すると横に座っていた夫が泣き出した。



目を押さえ、肩を上下させて、嗚咽をこらえていた。



泣きたくなるよね。



わかるよ。



だって自分の子どもが泣き叫んでいるのに何もしてあげられず、淡々と続ける麻酔科医の説明を聞かなくちゃいけないんだもん。



でも夫が泣いてくれて、ちょっとホッとした。



「自分の子どもが大きな病院で検査受けてるのに、なんでそんなに危機感ないん?」



「自分の子どもが心配じゃないん?」



「父親になった自覚あるん?」



泣いている夫を見るまでそう思ってたから。





私は何も言わずにティッシュを夫に手渡した。









 今年の連休も引きこもり~

 

 



出掛けないからおいしいもの食べよ。

 

 



11種類ってすごい!