事務手続きなどの話が終わってからも、引き続き家族控室で待機していた。
ドーナツクッションを貸してもらえたので、椅子に座ることはできていた。
でもまだ産後2日目。
ずっと座っているのはなかなかしんどい。
さらに控室の中は電波が悪くてスマホはほとんど使えない。
テレビもない。
助産師さんとする話もない。
気を紛らわすものは何もなく、悪いことばかりが頭に浮かんだ。
お昼を過ぎても何もわからない状態が続いた。
長い待ち時間を何もせず過ごしていると、だんだん胸が痛くなってきていることに気づいた。
午前中から胸が張ってきていたけど、それどころじゃなかったからね。
痛くて胸を触っていると、助産師さんがそれに気づいた。
助産師「胸張ってきた?」
私「はい。痛くなってきました。」
助産師「そろそろ張ってくるころやもんね。ちょっと搾乳できるところがあるか聞いてくるから、ちょっと待ってて。」
控室から助産師さんが出ていって、しばらくするとD医療センターの看護師と一緒に戻ってきた。
S看護師「こんにちは。お子さんの担当になりましたSです。よろしくお願いします。」
私「こちらこそよろしくお願いします。」
S看護師「搾乳したいってことなんやけど、NICUの中に授乳室があるからそこでしましょうか。貴重品以外の荷物はこの控室のロッカーに預けて、貴重品はここにあるバッグに入れて持ち歩いてください。あと旦那さんも一緒に検査結果聞いてほしいから、ここに来るように連絡してもらえますか?」
私「わかりました。」
夫に病院へ来てほしいことと何時くらいに来れそうかという連絡をLINEでしてから授乳室に向かった。
ソファーがいくつかあり、畳のスペースもあった。
S看護師「手搾りでできますか?」
助産師「いや、ちょっとわからないですね。初産でまだ搾乳もしたことないので…。張ってはいるみたいですけど出るかどうか。」
S看護師「そうですか。母乳入れる容器を持ってくるので、ちょっと待っててくださいね。」
畳のスペースに座り、上の服を脱ぐように言われた。
助産師「ちょっと触らせてね。あぁ、カチカチやね。これは痛いわ。」
そう言いながら搾乳前のマッサージ?をしてくれた。
これが痛い!
もともと張ってて痛いのに、結構な力で押された。
しばらくすると看護師さんが戻ってきた。
S看護師「はい、搾乳できたらここに入れてください。少ししたらまた来ますね。」
そのあとも助産師さんが頑張って搾乳してくれた。
でも、こんなに張ってて痛いのにあんまり出てこない。
少しは出たけど、胸はカチカチのままだった。
搾乳を終えて服を来たりしていると看護師さんが戻ってきた。
S看護師「終わりましたか?赤ちゃんが飲めるようになったら飲ませてあげたいので、この容器に入れて保管しておきますね。」
そう言って注射器のようなものを取り出した。
母乳を保管するときって一般的な薬局とかで売ってる母乳パックに入れるんだと思っていた。
薬局とかで売ってる母乳パックは容量が少ないやつでもたぶん25ccくらい。
持ってきてくれた注射器のようなものの容量は確か2.5ccくらいだったと思う。
それくらい初めての搾乳は出なかった。
なのでほとんど楽にはならなかった。
助産師「あんまり出なかったね。病院に戻ってからもうちょっとしっかり搾乳しよう。水分は控えめにしてね。どんどん母乳が作られて痛みがひどくなるから。」
この時点でそこそこ痛いんやけども…。
S看護師「まだもう少し検査に時間がかかるみたいなので、もうしばらくお待ちください。」
授乳室を出た所にソファーがあったので、そこで助産師さんと待つことにした。
助産師「旦那さんから連絡来た?」
返事が来ていたが、その内容にびっくりした。
私「3時間後って連絡きました…。」
助産師「えっ……3時間?勤め先どこ?」
私「◯◯駅の近くです。」
助産師「それやったら1時間くらいあれば来れるよね?なんで3時間もかかんの?」
私「今から職場出て1回家に帰って車で行くから3時間って書いてます…。」
助産師「なんか……。旦那さん危機感ないなぁ。退院もしてない赤ちゃんが大きい病院に移って検査受けて両親で結果を聞いてほしいって言われるってことがどういうことか全然わかってない。」
私「そうですよね…。なんか……めっちゃ腹立ちますね…。家帰らんと直接来いって連絡します。」
助産師「そのほうがいいと思う。」
夫はいつも楽観的というか能天気、危機感がない。
夫のそういうところにイライラすることがよくある。
私はどちらかというと悲観的。
夫も私の悲観的なところにイライラすることがあるみたいなので、これはお互い様。
でもこのときは本当に腹立たしかった。
「直接来い」と連絡すると「なるべく早く行きます…」と返事が来た。
本当は「もうお前なんか来んでいいわ!」って言ってやりたかったけど、そういうわけにもいかないので仕方ない。
顔も見たくないくらいムカついていた。
そんなやりとりをしているうちに看護師さんが戻ってきた。
S看護師「もうちょっとしたら先生から説明できるみたいなんやけど、旦那さん着くの何時くらいになりそう?」
私「なるべく早く行くって連絡来ました。でも最初は3時間後くらいって連絡きてたんでわかりません。」
S看護師「えっ…あぁ、そうなんや。ん~。じゃあ先にお母さんだけでも説明しようかな。旦那さんには来られたらまた説明するということにしましょう。」
私「お手数おかけします…。」
S看護師「いいのいいの。じゃあ準備できたら呼びますね。えーっと助産師さんも一緒に聞いてもらえますか。」
助産師「はい。」
S看護師「ではお願いします。もうちょっと待っててくださいね。」
この時点で産院を出てから4時間くらい。
助産師さんも忙しいだろうに、付き合わせてしまって申し訳ない…。
かわいい♥️
こういうシンプルなもののほうが使いやすいのかな?
一輪挿しならこういうのもかわいい♥️