担当者から話があってから初めての勤務日。


話があった日にもらっていた鍵で、ロッカーに荷物を入れて準備していると、誰かから声をかけられた。


何回も一緒に働いたことのある人だった。


「レギュラーになったん?おめでとう!」


どうやら私のように担当者から声をかけられて、希望した日は働けるようになった派遣のことをレギュラーというらしい。


周りを見ると他にも一緒に働いたことのある人が何人もいた。


ほとんどの人が、「この人いつも勤務してるな~」って思っていた人たちだった。


でも、みんな私とは別の部署だった。


ちょっと寂しい気持ちで言われた部署に行くと、その日の派遣は私だけだった。


リーダーは相変わらず笑顔で明るい。


何回か来たことのある部署だったから、仕事のやり方はわかっていたので、黙々と仕事をした。





お昼になり、食堂へ行くとレギュラーの人たちが一緒に食べようと誘ってくれた。


ほとんどが40~60代で、みんな優しかった。


お話しながら食べていると、「Aさんどう?」と聞かれた。


Aさんは私の部署にいる社員だが、その日はちょうど休みだった。


私「今日はお休みみたいなんですよね~」


レ「あの人には気をつけたほうがいいよ。性格きつい人って有名やから。」


実はAさんについては前にも聞いたことがあった。


前にたまたま一緒にお昼を食べた人が、その日Aさんのいる部署に派遣されていて、愚痴を言っていたのだ。


リーダーから話があったとき、「Aさんのいる部署かぁ…」とは思った。


でも頻繁に話をしなければならない仕事ではなかったから、必要以上に関わらなければ問題ないだろうと思っていた。




あっという間にお昼が終わり、午後も黙々と仕事をしてあっという間に終わった。


この日は新しい部署での初日ということもあってか、体が疲れているのはもちろん、心も疲れていた。


次の勤務はAさんと一緒。