相も変わらず夕焼け空を
公園のベンチにもたれかかったまま
目が焼けそうなくらい眺めていた


 はぁ…… 誰なんだよ俺は! 
せめて名前だけでも
思い出せって!!


「 このまま… 独り寂しく
ここで寝るのか… 」


ベンチに寝そべり
この孤独と闘おうとした時


《 ミィ~ミィ~… 》


足元でカリカリっと
爪をたてる音と
仔猫の鳴き声が聞こえた


「 お? どぉしたぁ?」



身体を起こしながら
子猫を抱き上げ
みいみぃ鳴く仔猫の顔を見る


「 きみ…どっから来たんだい? 」





仔猫は応えてくれるはずもなく
みいみぃみいみぃ鳴くだけだから


「 家の人が来るまで…
 俺と一緒にいてくれるか?」


独り言のように
仔猫向かって問いかけてた



****** つづく ******