『 怖がらなくていい…泣くな 』


まだその言葉は…
僕の耳に入ってはこない


ずっと一人だったから…
一人でいる事に…慣れてるから


だから あなたの言葉も
カラダの温もりも
要らない…


《 … 本当に要らないもの? 》

僕の拠り所となる大木が
僕に語りかける


『 あぁ… 一人は慣れてるから 』

《 … 一度だけ…応えてみるのも…いいのではないか? 》


『 えっ…? 』



螺旋を描くように
僕の真上を
大木の言葉が響く…



風の流れが…変わり始める




僕の頭を撫でる
髪に冷たい指の先の感触が
今…伝わり始める