僕はなぜこんなにも
あの瞳に…怯えてるんだ…?



僕に近づくその人が
一歩ずつ前に歩む度に
冷んやりとした空気が流れてくる


ゆらゆらと枝葉が揺れている
ただそれだけだったのに
次第に葉音がザワザワと
騒がしくなる…


大地を踏みしめる足音と共に


《 来るな…近づくな…触れるな… 》



決して心を見せ触れ合うな
そう教えられ頑なに
その言葉を守り生きてきた

それが正しいものだと信じて…


心許せ安らげるものは
自然に育まれる大地の温もり


この温もりしか僕は知らない
人の温もりなど知らない
だから…怖い…のか?

あの手が 触れてくる前に…
心を閉ざしてゆこう



身体ごと縮こませる…
蛹のように…自分の殻に綴じこもる



風の流れが変わる前に…