「先生聞いて。私漢字のテストの問題のね凹凸ってやつあるじゃん?あれ、なんて書いたと思う?」
不敵な笑みを浮かべて先生の目の前に立つと、先生は「え?おうとつ?」と頭にハテナを浮かべながら私の顔を見つめた。
「ぶっぶー!正解はテトリスでした~!リタがそんな真面目な事書くわけないでしょー」
ケラケラ笑って自分の25点と書いてある答案用紙を見せる。
「ちょーウケるよね!我ながら真面目に出た答えがこれかよ!みたいな?」
「そーだな先生もそれは思い付かないわ!さすが若いと頭もやわらか…って違うだろ。もう三年になるんだから自分の進路の事をもっと真面目に考えろ!楽しいのはいいことだが、将来を考えろ将来を」
私と一緒になって笑っていたが、すぐに先生の顔つきになり私の頬をかるく引っ張った。
「将来ね~そーだなー」
「何かほら、やりたいこととか興味あることはないのか?もうすぐ三者面談もあるし、今のうちに相談のってやるぞ?」
私が腕を組んで悩んだふりをしていると、先生は目をキラキラさせながら私の口から相談事が出るのを期待している。
この熱い人は私の担任で体育の先生。二児のお父さん。年齢が若い分、親しみやすくてみんなのお兄さんって感じ。
当時はふざけてばかりで言えなかったけど、最後の担任があなたで良かったって思ってる。
「興味あることは沢山あるよ!メイクも好きだし、洋楽が最近好きだから海外も興味あるし、カラオケも好き!あと映画も見るの好きだな~」
「うーん…確かにどれもみんな好きだな」
「でしょ?だから決められないんだよね」
「お前はほんとに…マイペースなのな。悩みとかはないのか」
「だから悩みもないし今は答えでないです!出たら教えるよ!じゃ、これからみんなと遊ぶからまたね先生!」
手を振りながらさっさと先生から離れて職員室を出る。ため息をつきながら担任も手を振り替えして見送り、ドアが閉まると肩をガクッと落として窓を見つめた。
「あいつの親の方が焦ってるなこれは」