佐々木 千春さんの写真

 

”ぼくの名前はジョセフ。ぼくは「完璧じゃないから」という理由で、ハイ・キル・シェルター(殺処分の高い動物収容所)に連れていかれたんだ…”

もうこの子はこの世にはおりません。

 

この子を捨てたのは誰だったのでしょうか。模様がおかしな形に入って産まれてきてしまって、もしくは後足などに奇形があって、売り物にならないと思ったペットショップやブリーダーだったかもしれません。

 

ペットショップ業界の裏側をご存知ですか?

新しくうさぎをお迎えすることをお考えでしたら、ペットショップでうさぎを買うのではなく、どうぞ里親さんになってあげてください。

かわいらしい子犬や子うさぎのひしめくショーケースのその裏側で、一生酷使され、苦しみ、処分される母うさぎや兄妹うさぎたちのことを知ってください。模様が流行りでない子は、赤ちゃんのうちに冷凍庫に入れて処分される事もあります。

以下は全て日本のペットショップでの話です。

 

そのペットショップは見た目もきれいで、結構流行っている店。
確かにショップの中はよく清掃されていて、ペットも元気そうな
子がたくさんワンワンキャンキャン言っています。

しかし、その店がきれいなのは、実は表だけ
 

特に犬・猫以外の動物、つまり小さな動物の扱いは大分適当で、
話してくれた店員さんは入って一瞬で辞めてきたそうです。

員「このうさぎ、体調が悪そうなんですが・・どうしたら良いです?」
長「それもうダメだから冷凍庫に入れといて。」
員「え!?だって生きてますよ!」
長「もう売れないだろーが!いいから早く入れて来い。」

動物好きでその店に入ったその店員さんは、この言葉が
信じられずにあっという間に店をやめたそうです

 

転売した社長は繁殖は年に4~5回と言ってましたが、実態はそんな甘いもんじゃないんだと。

「うさぎの場合は毎月繁殖させる」

うさぎは出産後すぐに排卵が始まりすぐに赤ちゃんを身ごもることができるのだそうです。

赤ちゃんを産んで、授乳している母うさぎのおなかにはすでに次の赤ちゃんがいるのだそうです。

もちろん中には赤ちゃんができにくい子もいますが、赤ちゃんが産める子は毎月、一年に12回の出産をするのだとか。

単純に考えてみてください。

こんなことを繰り返していて身体に負担がかからないわけはないと思いませんか?

寿命も極端に短くなって当然です。

 

みんなが疑問に抱く問題。


「ペットショップで売れ残った子はどこへ行くの?」

その答えは一部は実験動物として、一部は毛皮などとして、そして大半は繁殖用に回されるということです。

うさぎってペットショップでいくらで売られていますか?

専門店さんなどの血統管理されたような子は高額になりますがホームセンターや町のペットショップで売られている子は5000円くらいから高くても1万円代。当初は2~3万円の値がついていた子も時間とともに値崩れしていきます。

こんなので儲かるわけはありません。

でも謎が解けました。

 

「薄利多売」

 

儲けは薄いけどこれだけ繁殖させて数を多く売るという手法です。

でも末端の小売店などそんなにたくさん売れるわけもありません。

たくさん売れるのは大手の量販店。

子うさぎで店頭に並べて、売れ残ったら繁殖に回してまた子うさぎを仕入れる。

とてもじゃないけどうさぎを愛する人たちからしたら理解不能なサイクルで売られています。

常軌を逸している。

 

しかし、業界の人と話すとこれが普通なのです。死んでも代わりはいくらでも産ませられる。

まさしく工場で生産能力いっぱいに生産される商品と同じ感覚で命ある動物達を酷使する。

わんこの繁殖場に行ったことがありますが狭いケージの中に閉じ込められて、上から糞尿が落ちてくるような環境で、ボロボロにされて、それでもかわいい子犬が生まれ、出荷されていく。

「こんな状況を続けていけるのも購入する人達がいるから。」

 

こういう業者にとって、うさぎはモノであり、ただの商品なのです。

母うさぎたちは頭を撫でてくれるあたたかい手も知らず、ジャンプして遊ぶことも許されず、愛情をかけられる事もなく、

生身の体を子うさぎ製造工場として使われ、無理やり妊娠、出産させられ続け、不潔な狭いケージの中で苦しく悲しい一生を終えます。

 

劣悪な飼育環境の中、金属の網の床で床ずれをおこし足が化膿しても、パスツレラ膿瘍ができて破裂しても、そこから菌が入って悲惨な姿になっても、治療が施されることはありません。ついに使い物にならなくなったり、病気になったら優しく看護されるかわりに、まるで物のように廃棄処分が待っています。

 

全て儲けなのです。

 

引き取り業者によって動物実験に回される売れ残った子たちも、目や肌を劇薬で毎日焼かれ続け、その後処分など、悲惨な末路を辿ります。

 

もちろん売れ残った子をお店で飼ってあげるような良心的なペットショップもあると思います。

でも今現在、うさぎや動物を商品としてしか扱わない業者がいくらでもいること、日本にはそれを取り締まる法律すらないのが現状です。

 

お金が絡むと本当に人間は汚い物です…
 

そしてうさぎは声を出して訴える事が出来ません。

華やかなペット産業の裏側。陽の当たる所から隠され、闇から闇へ葬られるうさぎたちにどうぞ目を向けてあげてください。

このような業者を儲けさせ、かわいそうな母うさぎを作っているのは、他ならぬペットショップでうさぎを購入する私たちなのです。

世界は生体販売禁止の動きにあります。

そして保護施設では、飼い主に捨てられたたくさんのうさぎたちが、安心して暮らせる、あたたかい一生のお家に迎え入れられることを待っています。