こんにちは。
渡邉ひとしです。
第336話のテーマは
『主力事業に続く2つ目の事業の柱』です。
(ブログは火曜・金曜の投稿です)
――――――――――――――――――――
海外売上比率が70%を超えました
――――――――――――――――――――
1918年に
電気絶縁材料の国産化をめざして
<日東電気工業>を設立しました。
1961年に
乾電池・磁気テープ事業を分離して
<マクセル電気工業>を設立しました。
1975年に
家庭用製品の製造販売を目的とする
<ニトムズ>を設立しました。
1988年に
創立70周年を迎えたことで
<日東電工>に社名を変更しました。
1998年に
全社的なR&D機能の粘着テープ研究所を
豊橋事業所内に新設しました。
2006年に
本社を大阪市に移転して
旧大阪本店を茨木事業所と改名しました。
2013年に
創業95周年を迎えるため
ロゴマークを「Nitto」に変更しました。
2016年に
<ニトムズ>が<日東ライフテック>と
<日東メディカル>を吸収合併しました。
――――――――――――――――――――
<日東電工>のビジネスモデル
――――――――――――――――――――
2017年10月に
補聴器最大手の<リオン>と補聴器向けの
無線給電技術を開発を発表しました。
三木陽介副最高技術責任者は……
「仮想現実などのウエアラブル端末や
医療用のセンシングデバイスにも使える」
と述べています。
2018年6月から発売しますが
専用の充電台にあるくぼみに乗せると
緑色のLEDが点灯して充電が始まり
2時間半の充電で
連続30時間の利用が可能です。
同じく2017年10月に
「関西経済人エコノミスト会議」において
<日東電工>の高崎秀雄社長は
「2017年3月に大阪府茨木市に
イノベーションセンターをオープンした」
「何もないところから
何を見いだすことができるのか」
「人材育成について
『What』を見つけ出せるリーダーが欲しい」
と語っています。
2017年11月に
液晶テレビ向け中核部材「偏光板」で
中国に参入すると表明しました。
「偏光板」は光の透過を制御し
鮮やかに画像を映し出す役割を持ちます。
中国の<杭州錦江集団>と傘下の<SAPO>と
<奇美材料科技>の3社と
5年間の技術提携を結びます。
中国のテレビ向け液晶パネルの生産は
2018年に世界の50%を超える見込みです。
今後10年では
80%程度まで増えるとの予測があります。
2018年2月に発表した
「2017年4~12月期」の連結決算は
純利益が前期比74%増で過去最高でした。
スマートフォンで有機ELを
画面に使う製品が増え
スマホ向けの高機能部材が大きく伸びました。
電子部品の製造に使うプロセス材料や
半導体工場向けの多孔質フィルターも
収益を伸ばしました。
2018年3月から
肺の難病を治療する核酸医薬品の
臨床試験を米国で始めました。
肺の組織が硬くなって呼吸しづらくなる
「肺線維症」の根治が期待できる薬の候補で
治験段階に入るのは
世界の製薬業界でも早いとみられています。
米食品医薬品局の許可が下りたため
数カ月以内の治験開始を目指します。
2018年4月に
工場廃水の再利用により
水の使用量を5分の1程度に抑える
節水型工場の実証実験を
2019年度から始めると表明しました。
新しい膜製品を使った装置では
90%近くをリサイクルできる見込みです。
2018年5月に
従来のガラス製が使いにくかった
短距離での通信に向いている
プラスチック製の光ファイバーを
2019年春から量産すると表明しました。
高精細の8K映像や
超高速無線通信「5G」の普及に伴い
通信データを伝送する光ファイバー需要も
急速に増えるとみられています。
慶応大学と共同開発した
プラスチック製光ファイバーは
8Kの映像を伝送する高速通信が
可能になります。
曲げや振動にも強く
屋内での数十メートル程度の短距離なら
従来のガラス製光ファイバーより
使い勝手に優れています。
同じく2018年5月に
油田採掘施設向けに海水中の成分を取り除く
効率を高めたフィルターを発売すると表明。
従来より大量の海水を処理でき
施設の運用コスト低減につながります。
イオンを取り除く膜を薄く作る技術を開発し
同じ体積で大量の海水を
処理できるフィルターや
膜の間隔を広くとることで
汚れがつきにくい耐久性の高い
フィルターなどを新たに作りました。
このように次々と新製品を
生み出している<日東電工>ですが
「失敗してもアウトにはしない
逆に挑戦をしなかった成功は評価しない」
と高崎秀雄社長は述べています。
ベルギーやアメリカ・中国・マレーシア
の拠点でも研究開発部門を持っています。
新規事業を学生たちに発案してもらう
インターンを実施しています。
年2回開かれる技術発表会では
入社1年目であっても
新製品のプロジェクトを起こす
チャンスがあります。
ひとつの製品を1つの技術で終わらせず
「新しい用途」「新しい製品」「新しい需要」
という3つを追求する
「三新活動」と呼ぶマーケティング戦略を
50年以上続けています。
現在では1万3500種類もの
部品や材料を提供していて
ニッチな新市場に積極参入して
トップシェアを目指す
「グローバル・ニッチ・トップ」戦略で
アメリカの<スリーエム(3M)>
を目標にして追い続けていますが
スマートフォン向け部品が
連結売上高の60%を占めるという
「一本足経営」からの脱却を
早期に実現させることが
当面の大きな課題になっています。
**********************
出版記念トークイベントを開催します!!
▼お申し込みはこちらから
https://paymo.life/shops/f1ba8d6f6a/toranomaki
*次回のブログは4月9日火曜日です
===============================
新著「ビジネスモデル虎の巻!」発売中。
▼Amazonでご購入いただけます。
*本の画像をクリックしてください。
https://mirai.brand-keiei.com/toranomaki/
===============================
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日の事例で何を学べるでしょうか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
主力事業の売上比率が大きな企業は……
将来にわたっても
企業の成長が見込めるように
2本目の事業の柱を建てるため
次の成長事業を発見して
育成していくことが求められる。
===============================
【ご連絡先】
未来志向経営コンサルタント:渡邉ひとし
E-mail:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
https://mirai.brand-keiei.com
TEL:052-766-6988
Mobile:080-4806-1553
===============================
中部大学 非常勤講師
愛知産業大学 非常勤講師
株式会社 未来デザインカンパニー
代表取締役 渡邉ひとし
===============================
〔投稿内容〕
投稿文の数字及び企業名などは
日経新聞などの公開情報に基づいた
記述に徹しています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~