こんにちは。
渡邉ひとしです。
第306話のテーマは
『ビジネスモデルの限界を超える』です。
(ビジネスモデル=月曜・金曜の平日投稿)
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会社の所有者が目まぐるしく変わる
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<あきんどスシロー>は大株主たちが
<ゼンショー>に株式を売却したことから
所有者が2転3転している会社です。
1975年7月に
創業者の清水義雄氏が大阪市にて
寿司屋「鯛すし」を開業しました。
1984年10月に
創業者の清水義雄氏が大阪府豊中市に
株式会社<すし太郎>を設立しました。
1988年9月に
創業者の弟である清水豊氏が吹田市に
株式会社<すし太郎>を設立しました。
1999年8月に
豊中市の<すし太郎>を存続会社として
吹田市の<すし太郎>を吸収合併しました。
2000年12月に
<すし太郎>を<あきんどスシロー>に
商号を変更しました。
2002年2月に
回転すし総合管理システムを
世界初で開発しました。
2007年3月に
清水豊氏ら主要株主の3名が
<ゼンショー>に株式を売却しました。
2008年11月に
投資ファンドである
<エーエスホールディングス>が
<あきんどスシロー>の株式の
約64%を保有しました。
2009年5月に
<エーエスホールディングス>が
<あきんどスシロー>を吸収合併し
「吟味スシロー」に店舗名を統一。
2013年1月に
英国の投資ファンドである
<ペルミラ・アドバイザーズ>により
子会社である<CEILジャパン>が
<あきんどスシロー>を吸収合併して
<あきんどスシロー>に社名変更。
2015年3月に
<あきんどスシローホールディングス>
を設立しました。
2015年10月に
<スシローグローバルホールディングス>
に商号を変更しました。
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【スシローグローバルHDのビジネスモデル】
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2017年5月に
<スシローグローバルHD>は
東京証券取引所第1部に再上場しました。
<全国農業協同組合連合会(JA全農)>は
40億円を出資して4%弱の株式を握る
第2位の大株主になりました。
<JA全農>は<スシローグローバルHD>の
海外店にコメを供給することが狙いです。
2017年6月には
米国の<ウーバーテクノロジーズ>の
宅配サービスで寿司の出前を始めました。
<ウーバーテクノロジーズ>の
料理宅配サービスである
「ウーバーイーツ」を使い
単身のシニアや働く女性などの
需要開拓につなげます。
同じく2017年6月に
東京都内で商品戦略発表会を開きました。
<スシローグローバルHD>の
水留浩一社長は……
「世界の海からいいネタ100円プロジェクト
を通じて調達に最も力を入れていく」
と発表しました。
従来の調達方法は水産会社などから
営業で持ち込まれたネタを
使うことが多かったのですが
中国やアラスカなどの世界各地に
社員が出向いて商品を調達します。
養殖会社などと連携して加工方法も決めて
集客の目玉として
期間限定で商品を提供していきます。
2017年7月には
<楽天>の宅配サービスである
「楽びん!」で寿司の出前を始めました。
「1人前」の利用が多いと考えて
15貫入り1080円などの
出前向けの専用メニューを提供します。
2017年8月に
<スシローグローバルHD>の水留社長は
「都心の小型店は長期的に
100店規模にしたい」
と話しています。
今後3年で計画する店舗の70%を
関東・東北に集中させる考えです。
2017年9月には
島根県に「出雲小山店」を開業したことで
全都道府県での出店を達成しました。
同じく2017年9月に
<スシローグローバルHD>は
コメ卸の<神明>と子会社の<元気寿司>と
3社による「資本業務提携契約」を
締結したと発表しました。
<スシロー>と<元気寿司>の
売上高合計は約2000億円となり
業界2位の<くらコーポレーション>の
1136億円を大きく上回ります。
2017年11月に発表した
「2017年9月期」の連結決算は
純利益が前期比2.2倍でした。
これは天然物の魚を扱うフェアや
期中に始めた宅配事業が好調でした。
同じく2017年11月に
水産流通を手掛けるスタートアップ企業の
<CSN地方創生ネットワーク>に出資。
<CSN地方創生ネットワーク>は
全国の漁港から飛行機で水産物を運び
販売する鮮魚サービスである
「羽田市場 超速鮮魚」を運営しています。
連携することで鮮魚を中長期的に
安定した価格で調達できる
体制づくりを目指しています。
2018年3月に
横浜で開業した
「FOOD&TIME ISETAN」内に
新型店舗モデルである
回転レーンを設置しない店舗の
「スシローコノミ」を出店しました。
食べたいネタを記入して店員に渡し
会計を済ませると
すしが出てくるという仕組みです。
持ち帰り用メニューも用意するため
フードコートの共有スペースで
食べることができます。
同じく2018年3月に
すし居酒屋「杉玉」の旗艦店発表会で
早期に100店体制にすると発表しました。
「杉玉」は日本酒を売りにした
大衆すし居酒屋ですが
多店舗展開で成長を目指します。
2018年4月に
台湾に進出すると発表しました。
6月には台湾の「1号店」を開業して
年内に5店舗体制を目指します。
これらの「新業態」に
挑戦する背景には
これまで重点的に展開してきた
「郊外のロードサイド」での出店余地が
小さくなっているため
街中で新たな業態で出店するという
新たな試みにチャレンジしているからです。
<スシローグローバルHD>は
これまで築いてきた
「回転ずし」というビジネスモデルの
限界を超えた新戦略を
これからも模索し続ける必要があります。
(*10月8日は祝日のため
次回投稿は10月12日金曜です)
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【経営の無料相談2時間:連絡先】
ブランド経営コンサルタント 渡邉ひとし
(株)未来デザインカンパニー 代表取締役
E-mail:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
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今日の事例で何を学べるでしょうか?
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ひとつのビジネスモデルで
成功してきた企業は……
その成長性に陰りが見えた時
その限界を超えた戦略を
新たに考案して
挑戦し続ける必要がある。
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(*ブログ=平日に投稿しています)
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◉理想のお客様◉協力者◉主要活動
◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル
◉提供する価値◉コスト◉経営資源
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経営コンサルタント(ブランド経営)
(社)ビジネスモデルイノベーション協会
公認ジュニアコンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
株式会社 未来デザインカンパニー
代表取締役 渡邉ひとし
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〔投稿内容〕
投稿文の数字及び企業名などは
日経新聞などの公開情報に基づいた
記述に徹しています。
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