こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第297話のテーマは 

『グランドデザインを描く』です。 


(ビジネスモデル=月曜・金曜の平日投稿) 

———————————————————— 

<コニカミノルタ>になるまでの道のり       

———————————————————— 


2003年4月に 

<コニカ>を持株会社へ組織変更して 


◉コニカビジネステクノロジーズ 

◉コニカオプト 

◉コニカフォトイメージング 

◉コニカメディカルアンドグラフィック 

◉コニカテクノロジーセンター 

◉コニカビジネスエキスパート 


という子会社4社と共通機能会社2社を 

会社分割により設立しました。 


<ミノルタ>は事業準備子会社として…… 


◉ミノルタカメラ 

◉ミノルタセンシング 

の2社を設立しました。 


2003年8月に 

<コニカ>が株式交換により 

<ミノルタ>を完全子会社化しました。 


さらに 

<コニカ>を社名変更して 

<コニカミノルタホールディングス>に。 


2003年10月に 

<ミノルタ>を事業ごとに 

<コニカミノルタHD>の事業子会社に分割。 


さらに 

<コニカミノルタHD>が 

<ミノルタ>を吸収合併しました。 


2013年4月に 

<コニカミノルタHD>の事業子会社7社を 


吸収合併して事業会社化して 

<コニカミノルタ>に社名変更しました。 


少しさかのぼる2006年4月には 

「カメラ事業」や「フォト事業」を 

他社へ譲渡するなどして撤退しています。 


2007年3月には 

写真フィルム事業を<大日本印刷>の 

子会社に譲渡しました。 


———————————————————— 

【コニカミノルタのビジネスモデル】 

———————————————————— 


2017年3月に 

電気通信大学と大規模な共同研究のため 

産学連携協定を結びました。 


主な連携分野は 


◉医療工学 

◉ロボティクス 

◉ICT(情報技術) 

◉AI(人工知能) 


などになりますが 


その他に講座やセミナーを共同開催して 

互いの人材育成や人材交流に繋げます。 


同じく3月には 

オフィスの作業環境を改善するため 

クラウドを使った新型複合機である 


「ワークプレースハブ」を10月から 

世界で発売すると発表しました。 


これにより 

監視カメラやウエアラブル端末と連動して 

文書管理や従業員の行動管理ができます。 


<コニカミノルタ>は 

<マイクロソフト>などと提携をして 


『事務機器メーカー』から 

『ITサービス企業』へ脱皮を図ります。 


これまでにドイツの監視カメラ大手である 

<モボティックス>など 

60社程度のIT企業を買収してきました。 


オフィス向け複合機はどの企業にも行き渡り 

すでに成熟市場となっています。 


そのため

成長戦略として複合機とオフィスの 


ITサービスをセットで提案する

「ハイブリッド販売」を進めてきました。 


その営業網を構築するために6年間で 

世界各地の地域に根ざした 

営業網を持つ60社を買収してきました。 


このことで 

販売単価の上昇や買い替え率向上に繋がり 

複合機事業の業績は増収増益です。 


<コニカミノルタ>は2014年に 

イギリス・アメリカ・シンガポール・ 

中国・日本の世界5カ所に 


新規事業開発を担当する 

「ビジネス・イノベーション・センター」 

を設立しました。 


従来にないビジネスモデルや 

サービスを生み出すことが設立の目的です。 


今回の新型複合機の構想は 

このセンターから生み出されました。 


2017年7月に 

<パナソニックメディカルソリューションズ> 

の全株式を取得しました。 


2013年にも

<パナソニックヘルスケア> から

超音波診断装置事業を買収しています。 


◉X線撮影装置 

◉超音波診断装置 

◉IT(情報技術) 


を医療事業の3本柱と位置づけて 

医療事業を強化する狙いです。 


同じく2017年7月に 

官民ファンドの<産業革新機構>と共同で 

遺伝子のがん診断を手掛ける 


アメリカの<アンブリー・ジェネティクス> 

を買収すると発表しました。 


「遺伝子診断」は正常な遺伝子と 

がん細胞の遺伝子を比べて 


変異の原因を突き止めることで 

がんの早期発見や特効薬の開発に繋げます。 


今回の<産業革新機構>が共同で

買収に踏み切る背景には 

増え続ける医療費を減らす目的があり 


日本政府も関与することで 

日本国内での早期事業化を後押しします。 


<コニカミノルタ>の山名昌衛社長は…… 


「創薬そのものではなく 

早期診断を戦う土俵に定めた」 

と記者会見で語っています。 


<コニカミノルタ>の売上は 


◉複合機:60% 

◉デジタルを使った印刷:20% 

◉ヘルスケア:10%程度 

◉その他:10%程度 


という構成になっています。 


この新分野でのビジネスモデルは 

「患者(病院)向け」と 

「製薬企業向け」の顧客層を想定していて 


商品・サービスについては 

「創薬事業」ではなく 

「早期診断事業」での展開を考えています。 


2017年8月に 

「2022年3月期」のヘルスケア事業の 


◉売上高2000億円以上 

◉営業利益300億円以上 


とする目標を山名昌衛社長が 

記者の取材で明らかにしました。 


精密医療における 

「グローバルリーダーを目指す」 

とも述べています。 


2017年9月に 

アメリカの創薬支援ベンチャーである 

<インヴィクロ>の買収を発表しました。 


数値解析技術のほか 

病気やその進行度を判断する 


「バイオマーカー」の探索技術に強みを持ち 

製薬会社の新薬開発を支援しています。 


日本の製薬会社を含めて 

140社にサービスを提供しています。 


2018年8月には 

「2022年3月期」の自己資本利益率を 

11%に高める方針を取材で語っています。 


そのためには 

主力事業である事務機事業の 

デジタルサービスを強化することや 


中国などの海外市場での販売を 

さらに伸ばす必要があります。 


一方で 

ヘルスケア事業を成長事業と位置づけ 

事業構造の転換を急いでいますが 


「事務機のコニカミノルタ」という 

企業のビジネスモデルの転換が 


山名昌衛社長に求められる 

大きな経営課題となっています。 


そのためには 

グランドデザイン(経営の全体像)を 

描くことが必要不可欠です。 


(*次回投稿=8月31日金曜です) 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

【経営の無料相談2時間:連絡先】 

ブランド経営コンサルタント:渡邉ひとし 

E-mail:rabbit@ogaki-tv.ne.jp 

TEL:052-766-6988 

Mobile:080-4806-1553 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

今日の事例で何を学べるでしょうか? 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 


従来の収益構造のままの企業は…… 

これからの成長戦略を 

「時代の潮流」で読み解き 


グランドデザイン(経営の全体像)を 

描くことで 

次のビジョンを打ち立てることができる。 


=============================== 

『ビジネスモデル虎の巻』を出版します! 

経営者の方が自社のビジネスモデルを 

チェックできる本になっています。 

(*ブログ=平日の毎日投稿しています) 

=============================== 

【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

———————————————————— 

経営コンサルタント(ブランド経営) 

(社)ビジネスモデルイノベーション協会 

   公認ジュニアコンサルタント 

愛知産業大学 非常勤講師 

中部大学 非常勤講師 

株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

———————————————————— 

〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

日経新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~