こんにちは。
渡邉ひとしです。
第280話のテーマは
『コンプライアンスの欠如』です。
(ブログ=平日投稿です)
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その祖業は明治4年と古く
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その祖業にまでさかのぼると……
明治4年の1871年に
<九十九商会>が鉱業事業を
始めたときになります。
1893年12月に
<三菱合資会社>が設立されました。
1918年4月に
<三菱合資会社>から独立して
<三菱鉱業>が設立されました。
1973年4月に
<三菱鉱業>が<三菱セメント>と
<豊国セメント>の2社と合併して
<三菱鉱業セメント>に社名変更しました。
その一方で<三菱金属>は……
1950年4月に
<三菱鉱業>の金属部門が分離され
<太平鉱業>が設立されました。
1952年12月に
<三菱金属鉱業>に社名を変更しました。
1973年12月には
<三菱金属>に社名を変更しています。
そして1990年12月に
<三菱金属>と<三菱鉱業セメント>の
2社が合併して
<三菱マテリアル>が発足しました。
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<三菱マテリアル>のビジネスモデル
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<三菱マテリアル>はさいたまオフィス内に
安全衛生教育の拠点である
「安全衛生教育センター緑館」を
竣工させました。
新拠点には専任講師3人を配置して
45種類の危険体感設備と
安全衛生教育専用の講習室を設置して
各種リスク低減装置や
最新の保護具などを展示しています。
◉「挟まれ・巻き込まれ危険」
◉「爆発・ガス危険」
◉「ロボット危険」
◉「電気危険」
◉「薬液・高圧水危険」
◉「高所作業危険」
などの作業現場での実態を踏まえた
体感設備の内容になっています。
安全と健康への意識
知識やスキルの向上を目指しています。
2017年5月に発表した
「2017年3月期」の連結決算は
純利益が前期比54%減でした。
銅の価格の下落や円高による影響で
収益を圧迫しました。
2017年9月に
自動車向けアルミ板材の米国での生産を
始める意向を発表しました。
自動車向け熱交換器板材で世界首位である
スウェーデンの非鉄金属製品メーカーの
<グレンゲス>との提携を検討。
アメリカでは電気自動車などの販売を
一定の比率で義務付けるなどの
環境規制が強化されています。
そのため鋼材を使っていた自動車の車体に
軽いアルミの採用が増えているため
アルミ圧延大手の各メーカーが
アメリカでの設備投資を
相次いで表明している背景があります。
<三菱マテリアル>は120億円を投じて
「都市鉱山」と呼ばれる
家電やスマートフォンなどの
電子機器の廃基板から金属を回収して
再利用する事業を拡大していきます。
処理能力を現在の40%増にして
世界最大規模にまで増強します。
そのためには
世界中から廃基板を集める必要があるため
金属スクラップの買い取り価格に対する
評価の信頼性が最も重要になります。
<三菱マテリアル>は独自に開発した
金属スクラップの評価方法によって
廃基板の回収量を高めてきましたが
日本の「サンプリング施設」だけでは
欧州からの輸送に時間がかかるため
オランダでの「サンプリング施設」を
本格稼働させることを決めました。
日本の「サンプリング施設」である
直島製錬所は100周年を記念して
2017年11月に
高松市内で式典を開き
竹内章社長はその式典で
「循環型社会にさらに貢献したい」
と述べています。
同じく2017年11月に
子会社の<三菱電線工業><三菱伸銅>
<三菱アルミニウム>の3社で
品質の不正があったと発表しました。
<三菱電線工業>が出荷した不正な製品は
ゴムを素材とした油や水などの
漏れ止めのシール材でした。
<三菱伸銅>が出荷した不正な製品は
自動車部品などに使われる銅製品でした。
<三菱アルミニウム>については
不適切な製品の出荷がありましたが
「既に顧客と安全性の確認は終了している」
と説明しています。
2017年12月に
品質データ改ざんがあった
<三菱伸銅>と<三菱電線工業>について
社外取締役らで構成する特別調査委員会の
中間報告を公表しました。
<三菱伸銅>の不正については
「後発参入企業としてシェア拡大を
優先した可能性がある」と指摘しています。
<三菱電線工業>は検査データを改ざんし
1990年代には検査の一部未実施などの
不正があったと指摘しました。
2018年2月には
<三菱アルミニウム><立花金属工業>
<ダイヤメット>の子会社3社で
品質データを改ざんした問題で
新たな不正が発覚しました。
そのため
<三菱マテリアル>の矢尾宏会長が
4日1日付で取締役相談役になり
6月末の株主総会後に退任しました。
<三菱アルミニウム>の社長経験もあり
事実上の引責辞任とみられています。
<三菱アルミニウム>は7つの事業部門と
約200のグループ会社を持っています。
事業領域の広さをカバーする
監視体制が築けなかったのが
品質不正の要因の一つとされ
再発防止策として4月から
「ガバナンス統括本部」をつくり
管理を徹底すると表明しました。
2018年6月に
<三菱アルミニウム>が日本工業規格に
適合しないコンクリート原料を
出荷していたと発表しました。
品質データ改ざん問題を受けて
本体とグループ会社の臨時監査を
2月から実施して5月に終了していましたが
日本工業規格の認証を手がける
<日本品質保証機構>などの調査の結果
新たな問題が見つかりました。
これを受けて
竹内章社長が代表権のない会長に
退くことを発表しました。
その後任の社長は
経営企画や法務部門を担当する
小野直樹副社長ですが
人事や法務部門の管理畑が長かった竹内章社長が
現場を知らなかったと評されているため
後任の小野直樹氏にも同様の心配をする
声も上がっているようです。
これから子会社も含めた
<三菱マテリアル>グループ全体の
ガバナンス強化ができるか否かで
ビジネスモデルの見直しが
喫緊の課題になる可能性が高くなります。
(次回ブログ=6月22日金曜投稿です)
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『ビジネスモデル虎の巻』(仮題)
経営者の方が自社のビジネスモデルを
チェックできる著書を出版します❗️
(出版ブログ=火曜・木曜の投稿です)
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このことから何を学べるでしょうか?
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コンプライアンス(法令遵守)の
欠如した企業は……
コーポレートガバナンス(企業統治)が
働いていない可能性が高い。
社外取締役や委員会の設置など
企業経営を統制して
監視する役割を持たせる機能を
強化することが必要不可欠になる。
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【ビジネスモデル9項目】
◉理想のお客様◉協力者◉主要活動
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【経営の3原則】
ミッション:会社の目的
ビジョン :会社の目標
バリュー :会社の行動指針
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【ビジネスモデル進化論】
強い者が生き残るのではない
賢い者が生き残るのではない
進化した者だけが生き残る
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【ビジネスモデル活用法】
現象をみるのではなく
本質をみることで
なすべきことが理解できる
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【ビジネスモデル発想法】
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株式会社 未来デザインカンパニー
代表取締役 渡邉ひとし
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日経新聞などの公開情報に基づいた
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