こんにちは。
渡邉ひとしです。
第270話のテーマは
『主力商品への不安』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
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長崎ちゃんぽんを食べる時期が遅かった
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長崎ちゃんぽんを食べるようになったのは
随分と年齢を重ねてからでした。
名古屋市中区栄にある
「長崎ちゃんぽん・たなべ栄店」で
定番の長崎ちゃんぽんを食べてから
何度かお店に行くようになり
「たなべ錦店」ができてからは
名古屋市中区錦で飲んだ後に
「たなべ錦店」で夜食を食べていました。
<リンガーハット>の店を知ったのは
さらにそれより後の
サラリーマンを独立してからになります。
名古屋市瑞穂区で
お客様の仕事をするようになり
お昼時に<リンガーハット>の店を
初めて利用したことを覚えています。
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<リンガーハット>のビジネスモデル
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1964年に
<浜かつ>が設立されました。
1973年に
<浜かつ>が<浜勝>に商号を変更。
1974年に
子会社の<サン・ナガサキ>が
長崎ちゃんぽんのチェーン展開を開始。
1977年に
長崎ちゃんぽん事業を
<浜勝>に営業譲渡しました。
1982年に
<浜勝>が<リンガーハット>に
商号を変更しています。
2006年には
<リンガーハット>の会社分割で……
◉リンガーハットジャパン:長崎ちゃんぽん
◉浜勝:とんかつ
◉卓袱浜勝:和食(後のリンガーフーズ)
の3社を新たに設立して
持ち株会社になりました。
2004年から4年間で
3回も最終赤字になりましたが
2009年に
創業一族の米浜和英氏が社長に復帰して
使用する野菜を国産に全て切り替えました。
2010年には
麺やギョーザに使う小麦粉も国産化して
「安心安全志向」に切り替えました。
それまでは
同業他社との値下げの消耗戦を
繰り返していました。
その消耗戦の結果として
3回の最終赤字になりました。
しかし
国産化後は国内の材料費が割高のため
5回(東日本)の値上げをしましたが
客離れの心配は全くなく
それまでの大半の男性客層から
女性客が増え始め
女性客の比率は50%程度になりました。
2017年2月に
「2019年2月期」の売上高経常利益率を
10%へ引き上げると秋本英樹社長が表明。
最近では採算の良い
ショッピングセンターのフードコートへ
長崎ちゃんぽん店の出店要請が増えています。
しかし
フードコートへの出店のためには
少人数での店舗運営が必要になります。
そのための助っ人が
「自動野菜炒め機」と「自動鍋送り機」の
2台のロボットの導入でした。
注文をとってから野菜を炒めるのが
ドラム型の「自動野菜炒め機」で
キャベツやモヤシなどをいためる時間は
1分足らずでムラなく火を通します。
野菜の入った鍋はIHヒーターがついた
「自動鍋送り機」で自動で流れていきます。
厨房で作業する人の手作業は極端に減り
1年の修業が必要だったのが
1日の研修で済むようになりました。
ロボット導入の初期費用は掛かりますが
人件費抑制の効果が大きいため
売上高経常利益率が大幅に向上しました。
さらに
少人数で運営ができるようになったことで
フードコートへの出店が可能になりました。
2017年4月から
首都圏を中心に53店舗で
営業時間を短縮すると発表しました。
24時間営業などを見直し
閉店時間を30分から5時間早めます。
2017年2月期の連結決算は
純利益が前期比27%増と
3年連続で過去最高でした。
2017年12月に
<幸楽苑ホールディングス>から
京都工場を購入すると発表しました。
正社員を除く27人のパート社員を
そのまま引き継ぐ方向です。
最近は
深刻な人手不足による人件費増で
外食業界は値上げが相次いでいます。
しかし
値上げは客足への影響は大きいだけに
大変に難しい判断です。
客が好きな具材を選べるサービスの充実など
客離れにならないように
値上げをする前の対応が重要になります。
2018年2月に
有機野菜のサラダを売りにした業態を展開して
健康志向の強い女性を取り込みます。
旬の野菜を自由に選び
好きなサラダセットを作れるサラダ店
「EVERY BOWL」を開店しました。
主力業態がちゃんぽんだけでは
成長に限界があるため
早急に次の柱を育てる必要があります。
首都圏のフードコートには
価格帯を600円前後で提供する
「とんかつ大学」を出店していきます。
秋本英樹社長は
「新業態で成長を底上げさせていきたい」
と述べていますが
長崎ちゃんぽんに続く
第2の主力業態の店舗展開が
喫緊の課題となっています。
その場合の主要な客層を
どこに設定するかということが
今後の<リンガーハット>の
ビジネスモデルの重要項目になります。
(次回ブログ=5月23日水曜投稿です)
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このことから何を学べるでしょうか?
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主力商品が1つの企業は……
次に続く主力商品を開発して
第2の主力商品に育てる必要がある。
なぜならば
顧客の嗜好は変わりやすいため
急激な売上の落ち込みを
防ぐ必要があるためである。
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【ビジネスモデル進化論】
強い者が生き残るのではない
賢い者が生き残るのではない
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