こんにちは。
渡邉ひとしです。
第265話のテーマは
『地域店舗チェーンのグループ化』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
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メガネ屋さんはメガネ売りではない
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20代の頃は視力にとくに問題はなく
1.5から1.2に視力が低下した程度でした。
30代に入ってから視力が落ちていき
とうとうメガネのお世話になりましたが
<キクチメガネ>と<メガネの和光>が
クライアント(得意先)であったため
両社でメガネを購入していました。
両者の店舗でメガネを購入すると
店の方針が明らかに違うことに気付きます。
その違いを列記するつもりはありませんが
あえて経営の視点でいうと……
両者の経営戦略が
店舗運営から店員の接客にまで
影響していることがわかります。
これらの店舗や店員から受ける
目に見えない独特の雰囲気で
来店客は「また来よう」とか
「他の店に変えよう」と
決めていることがわかります。
そして
メガネ屋さんはメガネ売り場でありながら
「接客業」であることを感じていました。
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<メガネスーパー>のビジネスモデル
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ホームページで確認すると
1980年が<メガネスーパー>の
創業とされていますが
それ以前に
<ニュー湘南眼鏡>と<メガネスーパー>
の2社の有限会社が存在していました。
その2社が合併して株式会社化し
<メガネスーパー>が誕生しています。
低価格帯に抑えた営業戦略で
全国の主要都市に販売チェーン店を
展開していましたが
<Zoff>や<JINS>などの
低価格販売店の進出により業績が低迷。
2011年から2013年の3期連続で
債務超過に陥っていました。
2012年に
創業家出身の役員が退任して
<アドバンテッジ パートナーズ>などの
投資ファンドにより経営再建を図ります。
中高年の客層にターゲットを絞って
低価格競争から離脱する戦略に変えました。
2014年に
レンズ代込みで価格を表示する
販売手法をやめて別料金体系に改めました。
2015年には
視力などの検査を有料に変えました。
「アイケア」の商品・サービスを強化して
客単価を引き上げて
高収益体質の企業への転換を目指しました。
顧客に合った眼鏡を提案することで
固定客を増やしていく狙いです。
それらの結果として2016年4月期には
9期ぶりの営業黒字に転換しました。
2016年12月に
ウエアラブル端末の「b.g.」を
発売すると発表しました。
眼鏡レンズの下部に小型画面を付けて
マニュアルや地図などが表示できます。
倉庫や工場などで作業が効率化できる
新型眼鏡として企業向けに売り込みます。
最近は働き手が不足しているため
生産性を高めるツールとして提案します。
アプリ開発会社と組むことで
導入企業に合わせたソフトを提供します。
同年12月に
富山県を地盤とする眼鏡店チェーンの
<メガネハウス>の買収を発表しました。
屋号や店舗網は維持したままで
販売促進のノウハウを生かしていきます。
<メガネハウス>は富山県に22店舗を持つ
地域の有力チェーンですが
<メガネスーパー>は1店舗しかないため
相互に補完していきます。
<メガネスーパー>はケア体制を充実させた
「アイケア重視のサービス型店舗モデル」
を積極的に推進しています。
地域の眼鏡チェーンには
屋号や店舗網を残したまま
事業承継や連携で相乗効果を発揮する
取り組みを進めていく狙いです。
メガネ小売店は
国内事業所数では2万を超えていて
地域ごとに有力なチェーン店が
存在するとしているため
他地域の眼鏡チェーン店にも
連携を促進していく方針です。
さらに今後は
宝飾品などの買い取りサービスを
2019年までに全店に広げていきます。
金やプラチナを含む指輪などを買い取り
その買い取り金で眼鏡の購入を提案します。
2017年5月に
メガネ型ウエアラブル端末「b.g.」の
販売拡大に向けて子会社を設立しました。
企業向け事業の販売拡大のため
子会社<エンハンラボ>を設立しました。
2017年6月には
<ビジョナリーホールディングス>を
11月に設立すると発表しました。
この持ち株会社の設立は
同業他社の買収や連携を進めていき
事業基盤を強化していく狙いです。
2017年7月に
仮想通貨「ビットコイン」の支払いに
対応できるようにすると発表しました。
これは訪日外国人向けの
利便性を高めることが狙いです。
2017年9月には
<東京メガネ>が出資して
ウエアラブル事業で協力していきます。
同事業の子会社<エンハンラボ>に
<東京メガネ>の白山聡一社長が
取締役として就任します。
国内の眼鏡市場が伸び悩んでいるため
成長が見込まれるウエアラブル製品を
共同開発して資源などを生かす狙いです。
2017年11月に
<ビジョナリーHD>を設立して
持ち株会社化したと発表しました。
メガネ店は地方のオーナー企業が多く
収益が落ち込む店舗も多いため
M&Aによってグループ化するのが
持ち株会社化の大きな狙いです。
屋号も変えずに抵抗感をなくすことで
連携などによる事業拡大を進めやすくします。
2020年4月期には
売上高180億円(17年)を256億円に
営業利益率を16%する目標を掲げました。
2013年に投資ファンドから派遣された
星崎尚彦社長が取り組む数々の施策で
既存店の売上高は24カ月連続で
前年を上回る結果を出しています。
これからM&Aによるグループ化が
どこまでの規模に拡大するか?
その拡大したグループ店舗を
どのように企業統治していくか?
これら経営戦略の立案によって
今後のビジネスモデルは大きく変わります。
(次回ブログ=5月11日金曜投稿です)
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このことから何を学べるでしょうか?
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M&Aを進める企業は……
グループ化した店舗などの規模によって
ビジネスモデルに違いが出てくる。
それぞれ企業文化の違う企業が
グループ化したのちに起こりうる
コンプライアンス(法令遵守)の問題などを
コンセンサス(合意形成)を得て
地域ごとに取りまとめていく
コーポレートガバナンス(企業統治)が
ホールディングス(持ち株会社)に
最終的に求められる課題になる。
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