こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第263話のテーマは 

『業績好調なときに打つ手』です。 


(ブログ=月水金の平日投稿です) 

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意外と知らない製品 

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<テルモ>と聞けば 

すぐに体温計が頭に浮かびますが 

それ以外の商品が浮かんできません。 


やはり医療用機器の製造販売で 

その対象者が医療機関だからと思います。 


1921年9月に 

北里柴三郎博士をはじめとした 

医学者が発起人となり 


優秀な体温計の国産化をめざして 

<赤線検温器>を設立しました。 

(<テルモ>のHPより) 


どうやら当時は 

ドイツ製の体温計に頼っていた様子で 

体温計の国産化を目指していたようです。 


1923年に 

<オリンパス>の体温計製造分野を買収し 


1936年11月に 

<仁丹体温計>に社名を変更。 


1963年12月に 

<仁丹テルモ>に社名を変更して 

<森下仁丹>の医療機器製造部門になります。 


そして1974年10月に 

森下グループから離脱して 

<テルモ>に社名を変更しました。 


ちなみに「テルモ」という名前は 

ドイツ語の体温計の意味だそうです。 


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<テルモ>のビジネスモデル 

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2016年4~9月期の連結業績は 

純利益が前年同期比24%減でした。 


心臓血管の治療に使うカテーテルなどの 

利益率の高い医療機器の販売が伸び 


なかでも  

血管が詰まるのを防ぐ「ステント」と 


カテーテルを手首から挿入するときに使う 

「ガイドワイヤ」が伸びています。 


2016年11月に 

山口工場の製造ラインを増設すると 

発表しました。 


ガイドワイヤの主力工場として 

最新鋭の設備を備えていますが 


ガイドワイヤの需要が伸びているため 

生産能力を70%増やす計画です。 


しかし 

円高の影響で収益が目減りして減収になり 

為替差損も膨らみ最終減益になりました。 


2016年12月には 

アメリカの医薬品・医療機器大手である 


<アボット・ラボラトリーズ>と 

<セント・ジュード・メディカル>から 


血管にカテーテルを通す治療に使う 

血管治療機器事業の一部を 

買収する契約を結びました。 


<テルモ>はカテーテルなどを使う 

心臓血管治療領域を伸ばす狙いです。 


2017年1月に 

カテーテルの関連製品などの 

開発体制を強化するため 


静岡県に新製品や技術開発を手掛ける 

「愛鷹イノベーションセンター(仮称)」 

の設置を発表しました。 


また本社内では 

外部の技術やアイデアを取り込む 

オープンイノベーションの拠点を開設。 


医療分野は<キヤノン>などが本格参入して 

競争が激しくなっているため 

開発力の強化を図ります。 


<テルモ>は2022年3月期までに 

全世界の研究開発人員を 


現状の1200人から 

40%増やす計画をしています。 


2017年2月には 

<オリンパス>との資本提携を 

解消すると発表しました。 


2005年に資本提携しましたが 

株式の持ち合いをやめ 


2001年に締結した 

医療機器の開発や販売などでの 

業務提携を継続します。 


2017年4月に 

アメリカの医療機器会社である 

<ボルトンメディカル>を買収しました。 


大動脈瘤の治療に使うステントグラフトを 

製造・販売しているためで 


大動脈瘤の治療分野の 

製品ラインアップを拡充する狙いです。 


2018年度までに 

開発・生産拠点の愛鷹工場で新たに 

約200人の技術者を採用する表明。 


新設した研究開発施設の 

「マスタリーセンター」を使って 

新製品の研究開発や生産効率を進めます。 


2017年4~6月期の連結決算は 

純利益が前期比61%増でした。 


心臓血管の治療に使うカテーテルなどの 

販売が好調で為替差損もなく 

4~6月期としては過去最高益でした。 


なかでもアメリカが25%増となり 

全体の業績を上げています。 


<テルモ>は1985年に 

カテーテル製品に本格参入して 


血管内の道筋を確保する 

ガイドワイヤなどの製品に強みを持ちます。 


欧米の大手企業が力を入れていなかったため 

医師たちの要望を細かく聞き取り 


使い勝手を改善するなどの工夫をして 

市場シェアを拡大してきました。 


こうした血管治療領域の事業利益が 

連結営業利益全体に占める割合は 


2017年3月期で 

約80%にまで高まっています。 


<テルモ>の主力事業は 

祖業であった体温計から注射器へ 

そして血管治療機器へとシフトしています。 


 <テルモ>の佐藤慎次郎社長は…… 


「心臓血管領域の各事業で 

世界トップ3に食い込み 

収益力をさらに高めていく」 


と述べています。 


2017年12月には 

さらに300億円を投資して山口工場に 

3棟目の生産棟を建設すると発表しました。 


カテーテル関連製品の生産能力を 

4.5倍に引き上げる計画です。 


さらに世界の工場を見直して 

製品の性質を分類した 

役割分担をさせる狙いです。 


◉「革新的な製品」 

◉「技術の蓄積が必要な製品」 

◉「低コスト品」 

の3つの役割による分類になります。 


2018年1月に 

アメリカ・シリコンバレーで 

2つの開発拠点を統合して 


新たに 

「テルモベイエリアイノベーションラボ」 

を稼働させたと発表しました。 


スタンフォード大学を中心にベンチャー 

技術者、投資家、医療機関が集まり 

医療機器の研究開発が盛んな地域のため 


現地ニーズに合った製品を 

開発する体制を整えていきます。 


2022年3月期を最終年度とする 

5カ年の中長期経営計画を発表していますが 


カテーテルや脳血管治療機器などで開拓して 

海外売上高比率を70%まで引き上げ 


2000億円以上を買収や株主還元にあて 

2000億~2500億円を 

設備投資に充てる計画です。 


<テルモ>は国内市場以上に 

アメリカを中心とした海外市場に 

狙いを定めています。 


当面は血管治療機器を主力とした 

事業体制が続きますが 


この好調が続いている今こそ 

次の成長分野の柱を立てる必要があります。 


(次回ブログ=5月7日月曜投稿です) 

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このことから何を学べるでしょうか? 

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好業績が続く企業は…… 

業績の好調な時にこそ 

次の成長分野に手を打つ必要がある。 


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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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【経営の3原則】 

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ビジョン :会社の目標 

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【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

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【ビジネスモデル活用法】 

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【ビジネスモデル発想法】 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。 

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