こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第262話のテーマは 

『第二の創業のビジネスモデル』です。 

(ブログ=月水金の平日投稿です) 


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次々と発表される不祥事 

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2008年5月に 

<ブリヂストン>と業務・資本提携を発表。 


これから<ブリヂストン>の 

傘下に入るのかと思いました。 


ところが2015年3月に 

建築物の免震機構に用いるゴム製部品の 

不良品の出荷や性能データの偽装を発表。 


これを受けて2015年6月に 

山本卓司社長が引責辞任を発表。 


同年10月には 

電車や船舶などに使われる防振ゴムの 

不正行為が確認されたと発表しました。 


さらに2017年2月には 

子会社の<東洋ゴム化工品>が製造する 


産業用ゴム製品に必要な検査を行わずに 

出荷する不正行為があったと発表され 


その原因を調査したところ社員1人の 

「面倒臭かった」という職務怠慢でした。 


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<東洋ゴム工業>のビジネスモデル 

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<東洋ゴム工業>といえば 

「トーヨー」や「ニットー」のブランドの 

自動車用タイヤですが 


営業利益の60%を 

北アメリカで稼いでいます。 


というのも 

アメリカで購入される自動車は 

ピックアップトラックやSUVが中心で 


2014年1月に51%だった両車の割合が 

2016年10月には62%にまで拡大。  


そのピックアップトラックやSUVの 

20インチ以上の大型タイヤでは 

<東洋ゴム工業>が40%を占めています。 


そのため 

2016年末までにジョージア州の工場の 

タイヤ年産能力を拡大していて 


アメリカ向けの現地生産比率を約50%から 

2017年には65%程度まで高めました。 


さらに2018年にもアメリカに 

タイヤの設計拠点を設けます。 


ジョージア州の工場に約10億円を投じて 

デザインや性能試験ができる施設を整え 

従来より50%多い約30人体制にします。 


これによりユーザーや自動車メーカーの 

ニーズを素早く反映させる狙いです。 


2016年12月には 

日本取引所グループの元COOの 

米田道生氏が特別顧問に就任しました。 


これは2015年以降の不祥事が相次ぎ 

法令遵守の強化のために 

企業統治に詳しい米田氏を登用しました。 


2016年12月期の連結決算は 

最終損益が8期ぶりの赤字でした。 


免震ゴムの性能偽装問題に関連して 

667億円を特別損失に計上しました。 


2015年1~3月期から交換用ゴムや 

改修工事の費用見積もりを進めていて 


8四半期にわたって特別損失を計上して 

その累計額は1134億円になります。 


2017年6月に 

大阪市の本社を兵庫県伊丹市の 

タイヤ開発拠点の隣に移転しました。 


2015年7月に新本社に移る予定でしたが 

免震ゴムの性能偽装が判明したことで 

違反建築物になるため移転を延期しました。 


2017年3月には 

建材や産業用資材などの非自動車事業を 

売却する中期経営計画を発表しました。 


タイヤ事業への依存から脱却するために 

1980年代からゴム素材の技術を生かして 

多角化に取り組んできましたが 


免震ゴムなどで不祥事が相次いで

問題となったのは非自動車事業のため 


今後は売上高の80%を占めるタイヤ事業と 

自動車向け防振ゴム事業を軸にして 

経営の立て直しを図っていきます。 


この4カ年の中期経営計画では 

タイヤ工場の新増設を中心に 


 過去4年間と同程度の 

1280億円を設備投資に振り向けます。 


なかでも 

北アメリカの事業を強化しながら 

欧州やアジア地域などの海外で 

 

主力のタイヤ生産や 

販売網を広げる戦略が柱になっています。 


<東洋ゴム工業>の清水隆史社長は…… 


「製品力を引き上げ各国の市場動向に応じた 

高付加価値タイヤを供給していく」 


「量を追わずに独自分野に資源を集中して 

利益を確保する 『きらりと光る』会社にしたい」 


というビジョンを述べています。 


2017年7月に 

自動車関連以外の化工品と硬質ウレタンの 

2つの事業を売却すると発表しました。 


鉄道車両用部品やホースなどの 

化工品は伝動ベルト大手の<ニッタ>に 


 建材などの硬質ウレタンは 

<積水化学工業>に売却します。 


2017年9月には 

空気を入れる必要がない 

「エアレスタイヤ」の開発を発表しました。 


パンクをしないため 

メンテナンスの手間がなくなります。 


電気自動車が普及したとき 

空気圧の点検をガソリンスタンドでする 

機会が少なくなることを想定しています。 


2018年1月に 

EV向けの部品を<GLM>と 

共同開発すると発表しました。 


<GLM>は2010年に設立された 

京都大学発の電気自動車の開発会社です。 


<トヨタ自動車>や<日産自動車>などから 

経験を積んだ技術者たちが転職しています。 


協力企業との情報共有を重視していて 

開発コンセプトや開発状況を共有化し 


部品メーカーからの提案なども 

積極的に受け入れています。 


そして 

電気自動車を完成車として売りながら 

「プラットフォーム」を 

提供する事業も手掛けています。 


「プラットフォーム」とは 

シャシーや駆動装置や制御機器を 

組み合わせた中核部分のことです。 


このプラットフォームを活用することで 

IT企業などの異業種企業が 


独自のIT機器を組み込んだ 

独自の電気自動車を造ることができます。 


国内外の協力会社は170社程度にもなり 

独自のビジネスモデルと言えます。 


2018年3月には 

社名を「トーヨータイヤ」に変更することが 

株主総会で承認されました。 


2019年1月1日付に社名変更しますが 

タイヤなどの自動車関連事業に集中して 

生き残りを目指します。 


清水隆史社長が掲げる 

「第二の創業」にするためには 


従来のような自前主義ではなく 

<GLM>のような企業との連携が 

生き残りには欠かせません。 


「第二の創業」のビジネスモデルを 

これから構築していくことになります。 


(次回ブログ=5月2日水曜投稿です) 

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このことから何を学べるでしょうか? 

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多角経営の企業は…… 

不祥事を起こして生き残りをかける時 

事業の「選択と集中」をすることで 

「第二創業」としてのスタート地点に立てる。 


次のステップは 

「第二創業」のビジネスモデルの構築になる。 


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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動 

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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【経営の3原則】 

ミッション:会社の目的 

ビジョン :会社の目標 

バリュー :会社の行動指針 

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【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

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【ビジネスモデル活用法】 

現象をみるのではなく 

本質をみることで 

なすべきことが理解できる 

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【ビジネスモデル発想法】 

今日という日は 

未来のスタート地点である 

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経営コンサルタント(経営12ステップ) 

ビジネスモデルイノベーション協会 

 公認ジュニアコンサルタント 

愛知産業大学 非常勤講師 

中部大学 非常勤講師 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。 

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