こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第261話のテーマは 

『ブランド構築の戦略を間違えた』です。 


(ブログ=月水金の平日投稿です) 

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お気に入りのアパレル・ブランド 

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紳士衣料のなかでも「PaulStuart」は 

センスがいいと思っていました。 


なかでも「色」と「デザイン」に 

そのセンスを感じていました。 


とはいえ高価格帯の商品が揃っているので 

セール品を購入する程度でした。 


サラリーマンを卒業してからは 

ユニフォームだったスーツは着なくなり 

春夏6着・秋冬6着のスーツは全て処分。 


ところが 数年前からスーツを着る機会があり 

あらためてスーツを購入しようとした時に 


目に新鮮に映ったスーツは 

「MACKINTOSH PHILOSOPHY」の 

セットアップ・スーツでした。 


これらのブランドを保有する会社は 

<三陽商会>ですが 


取り扱う商品の中では<バーバリー>が 

一番有名なブランドだろうと思います。 

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<三陽商会>のビジネスモデル 

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1943年に 電気関係各種工業用品や 

繊維製品の製造販売を目的として 

吉原信之氏が<三陽商会>を設立しました。 


1945年に 

本社を板橋から銀座へ移転して 

レインコートの製造販売を開始しています。 


1949年に

<三井物産(第一通商)>が企画した 

「全国エキスポートバザー」向けに 


レインコートを大量に受注したことで 

レインコート製造販売の大手になりました。 


そして1965年より 

イギリスの<バーバリー>のコートを 

販売するようになりましたが 


2015年に 

イギリスの<バーバリー>との 

ライセンス契約が終了したことと 


主力の販路である百貨店などで 

販売に苦戦していることで 


2016年10月には 

希望退職者の249人を削減し 


2013年6月にも希望退職を実施し 

276人が退職しています。 


2016年10月に 

「構造改革と新経営計画の目指す方向性」 

と題する経営改善策を発表しました。 


不採算のブランドの廃止を表明している 

8ブランドに加え新たに2つ廃止します。 


全国で190の不採算店舗を閉鎖し 

保有株式やゴルフ会員権の売却なども 

進めていく内容になっています。 


<三陽商会>の杉浦昌彦社長は…… 


顧客の変化への対応力不足が 

成長の足かせになっているため 


インターネット通販や雑貨などを強化する 

といった考えを表明しています。 


2016年12月には 

杉浦昌彦社長が翌年1月1日付で退任し 

岩田功取締役が新社長に就く人事を発表。 


不採算事業からの撤退などを進めても 

業績は低迷したままでした。 


再建を目指したトップ交代で 

インターネット通販の強化や 

百貨店以外の販路の拡大を目指します。 


2016年12月期の連結決算の売上高は 

前年比約30%減の676億円で 

純利益は113億円の最終赤字でした。 


2017年2月に 

新しい中期経営計画が発表されましたが 

2018年度の赤字脱却を明記しています。 


在庫や流通の店舗運営の効率化などで 

利益率の改善を図るとともに 


成長分野である電子商取引の売上高を 

2019年度に2倍近くに増やし 


新たな商品やブランド開発によって 

20~30代の顧客層の開拓を目指します。 


そのため 

20~30代向けにネット通販専用の 

ブランドの立ち上げも考慮に入れています。 


さらに売上高の約70%を占めている 

百貨店向け販売を約60%に引き下げます。 


2017年5月には 

新しい自社ブランドのコートを 

セレクトショップなどで発売すると発表。 


「Kiminori Morishita+Blue Flag」という 

デザイナーの森下公則さんと組み 

若者向けのデザインにしたブランドです。 


SANYOの自社ブランドを育てることで 

ライセンスに頼らない体質を目指します。 


2017年9月に 

アウトドアウエアの新ブランドを 

立ち上げると発表しました。 


雑誌「ポパイ」などで活躍した 

元モデルの木村東吉氏と組んで 


新ブランド「5LAKES&MT」で 

おしゃれで機能性も高い商品を揃えます。 


主力ブランドの「ポールスチュアート」で 

婦人スーツのパターンオーダーを扱う 

店舗を倍増すると発表しました。 


婦人服を置く約40店のうち 

半分の約20店にまで広げます。 


これは 

女性管理職の増加に伴い婦人スーツでも 

仕事中に個性を出しやすい 


生地やジャケットなどのデザインを選べる 

パターンオーダーが伸びているためです。 


2018年2月に 

家具やインテリアの企画製造と 

ネット通販を手掛けている 


<ベガコーポレーション>と 

業務提携したと発表しました。 


<ベガコーポレーション>の越境通販サイト 

「ドコデモ」で<三陽商会>の 

商品の販売を始めます。 


互いの店舗や通販サイトを活用することで 

国内外での客層を広げる狙いです。 


両社のブランドをそれぞれ 

ライセンス提供することも検討します。 


さらに 

衣料品の分野にとらわれない 

ライフスタイルブランドも共同開発します。 


2018年2月中旬にオープンした 

ネット通販「ストライプデパートメント」に 


百貨店を中心に展開する大手アパレルや 

老舗メーカーなどが相次いで出店しました。 


「ストライプデパートメント」は 

カジュアル衣料大手である 


<ストライプインターナショナル>が 

ソフトバンクと立ち上げたモールです。 


<三陽商会>の岩田功社長は 

「消費者とのタッチポイントは多い方が良い」 


と考え30代半ば以上をターゲットにする 

ストライプデパートメントに出店しました。 


2018年12月期の営業利益は 

3年ぶりに黒字に転換する計画です。 


ネット通販に力を入れるほか 

契約社員を正社員化して 


優秀な人材の確保を進める方針で 

5000万円の営業黒字を目指します。 


「業績は改善しているがまだ病人の状態。 

来期以降、再投資を生むような 

事業への投資を始めていきたい」 


という意欲を岩田社長は語っています。 


さらに 

自社で保有する「青山ビル」を 

33億円で売却しましたが 


「その売却益を新規事業への投資のほか

M&Aや新しいライセンス取得などに 

使うことも考えている」と述べています。 


今後の成長戦略は…… 


◉直営店の強化 

◉コーポレートブランド事業の強化 

◉電子商取引での売上高の拡大 


の3つを掲げています。 


どこまで具体的な施策を示せるかが 

当面の緊急課題になっています。 


これらの成長戦略が具体化した段階で 

ビジネスモデルを構築することができます。 


(次回ブログ=4月27日金曜投稿です) 

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このことから何を学べるでしょうか? 

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大黒柱の事業を失った時は…… 

一気に事業喪失の挽回を 

図ろうとするのではなく 


一度、企業の規模を縮小して 

代替の事業を育てるように 

手立てを打たなければ 

事業喪失を挽回することはできない。 


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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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【経営の3原則】 

ミッション:会社の目的 

ビジョン :会社の目標 

バリュー :会社の行動指針 

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【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

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【ビジネスモデル活用法】 

現象をみるのではなく 

本質をみることで 

なすべきことが理解できる 

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【ビジネスモデル発想法】 

今日という日は 

未来のスタート地点である 

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経営コンサルタント(経営12ステップ) 

ビジネスモデルイノベーション協会 

 公認ジュニアコンサルタント 

愛知産業大学 非常勤講師 

中部大学 非常勤講師 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。 

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