こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第253話のテーマは 

『海外戦略が当面の課題』です。 


(ブログ=月水金の平日投稿です) 

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コマーシャルが印象に残る 

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1946年8月に 

鈴木誠一氏が防虫剤を開発して 

<エステー化学工業所>を創業しました。 


母親の着物が虫に食われたことに胸を痛めて 

防虫剤を開発したそうです。 


1948年に 

<エステー化学工業>を設立していますが 


社名の「エステー(ST)」は 

奉仕(service)と信頼(trust)の造語です。 


それにしても 

T.M.Revolutionの西川貴教氏が歌う 


「消臭力」のコマーシャル・ソング 

「ショーシューリキ〜」は耳に残りますね。 


広告業界で仕事をしてきた身にとっては 

「やられたなぁ〜」という印象です。 


衣料用防虫剤の「ムシューダ」も 

同様に耳に残るサウンドロゴですね。 


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<エステー>のビジネスモデル 

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2016年4~9月期連結決算は 

純利益が前期比56%増となり 

上期としては過去最高でした。 


消臭芳香剤「シャルダン」や「消臭力」の 

香りやデザインにこだわった 

上級品の売れ行きが好調でした。 


2016年11月には 

「玄関リビング用消臭力プレミアムアロマ」 

の冬季限定の香りを発売しました。 


優雅なダマスクローズの香りに 

ブルガリアンローズを加えた 

「ハピネスブーケ」と 


オレンジフラワーにジャスミンを 

調和させた香りに仕上げた 

「ヒーリングブーケ」の2種類です。 


冬季限定だけではなく 

販売個数が18万個限定の販売でした。 


2017年2月に 

「ムシューダ圧縮パック衣類用」の 

衣類圧縮袋を発売しました。 


圧縮袋内の酸素を吸収する脱酸素剤で 

防虫できるという優れもので 

個人的には評価の高い商品のひとつです。 


2017年3月期の連結決算は 

純利益が前期比99%増の18億円でした。 


<エステー>の鈴木貴子社長は 

「少し高くても自分が満足できる商品には 

支出をいとわないという層が増えてきた」 


「芳香剤では衣料用柔軟剤の香りや 

デザインをイメージした新商品が 

女性客に受けている」 


と記者の取材に答えています。 


「消臭力プレミアムアロマ」シリーズ 

などの高価格帯商品が売れていることで 

利益率が高くなっています。 


従来の商品に比べパッケージのデザインや 

上質な香りに徹底的にこだわっています。 


これは 

鈴木貴子社長が<日産自動車>や 

<ルイ・ヴィトン・ジャパン>などで 


マーケティング分野で活躍してきて 

48歳で<エステー>に入社し 

「デザイン革命」を先導してきたからです。 


鈴木貴子社長は創業者鈴木誠一氏の三女で 

「子どもに会社は継がせない」 

と言われて育ってきましたが 


叔父の鈴木喬エステー会長から請われ 

48歳で<エステー>に入社しました。 


2013年に 

鈴木貴子氏が代表執行社長に就任してから 


それまでの組織体制などを見直し 

事業改革、業務改革を推進してきました。 


2015年4月に 

「エアケア事業部」や「防虫事業部」など 

製品のカテゴリー別の事業部制を導入。 


事業部ごとに責任と権限を明確にして 

損益も見える化したことで 

社員の意識が変わりました。 


商品分野ごとの事業部が開発から販売まで 

一貫して責任を持つ体制に改めました。 


業績が上向いてきてからは 

社内決算説明会を開いています。 


決算の数字の裏にある 

社員たちの活動を取り上げて 


何が良かったのか何が足りなかったのかを 

社長が読み解いていきます。 


これにより 

社員の影の努力や細部にわたるまで

社長が理解していることを示しています。 


毎日の営業の日報にもすべて目を通して 

社長の「にこにこスタンプ」を押します。 


さらに会議のあり方も見直しました。 


会議の目的が「情報共有なのか」 

「決め事があるのか」を最初に明確にして 

質問や意見から入るようにしました。 


女性の活躍推進にも積極的で 

役員の中では33%が女性の構成比率です。 


女性社員も30%程度から 

現在は44%にまで増えています。 


女性自身が管理職になることに 

戸惑っている場合には 


社長自身で女子社員に声をかけ 

アドバイスをしたり 

背中を押したりしています。 


2018年3月期の連結純利益は 

前期比20%増の22億円と 

13年ぶりに過去最高になる見通しです。 


社長就任前は価格競争に巻き込まれて 

販売個数が増えても利益が減る状態でした。 


そのため 

主力商品の「消臭力」の包装フィルムを 

20%薄くするなど 


コスト削減チームが5年間で積み重ねた 

改善件数は約100件に及び 

累計で30億円のコストをカットしました。 


利益率などが基準に届かない商品を廃止し 

商品数を2014年比で40%削減。 


これらの施策が純利益を高める 

ひとつの要因になっています。 


2017年8月には 

カイロ製造大手<マイコール>の 

事業買収を決めて 

事業収益の多角化も取り組んでいます。 


鈴木貴子社長は 

『ブランド価値経営』を掲げています。 


これからは一過性のヒットに頼ったり 

価格競争に巻き込まれたりすることなく 


長いスパンでブランド価値を 

高めていくという考え方をしています。 


2020年3月期には 

売上高営業利益率を10%以上に 

引き上げる計画をしています。 


 鈴木貴子社長には 

「売上高と時価総額を 

1000億円に乗せたい」 

という強い想い(目標)があります。 


そのためには 

7%程度の海外売上高比率を 

数倍にまで高める必要があります。 


その中でチャンスと見ているのが 

東南アジアのタイでの業務拡大です。 


タイだけでは海外売上高比率を 

数倍まで高めることはできませんが 

ひとつの突破口にはなります。 


これから海外での売上を 

どこで、どのように拡大していくのか? 


今後の市場として有望な海外戦略が 

<エステー>の成長戦略であり 

新たなビジネスモデルになります。 


(次回ブログ=4月9日月曜投稿です) 

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このことから何を学べるでしょうか? 

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大きな成長を望む企業は…… 

国内での経営努力だけでは足らず 

海外での成長戦略を描き 

市場を攻略していく必要がある。 

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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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【経営の3原則】 

ミッション:会社の目的 

ビジョン :会社の目標 

バリュー :会社の行動指針 

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【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

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【ビジネスモデル活用法】 

現象をみるのではなく 

本質をみることで 

なすべきことが理解できる 

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【ビジネスモデル発想法】 

今日という日は 

未来のスタート地点である 

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 公認ジュニアコンサルタント 

愛知産業大学 非常勤講師 

中部大学 非常勤講師 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。 

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