こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第239話のテーマは 

『長期ビジョンのビジネスモデル』です。 


(ブログ=月水金の平日投稿です) 

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風邪で寝込んだときの体温計 

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昨年の年末から今年の正月にかけて 

風邪で寝込んでしまったのですが 


インフルエンザではなかったようで 

1週間ほどで快方に向かいました。 


その時にお世話になったのが 

<オムロン>のデジタル式体温計でした。 


昔使っていたアナログ式と違って 

細かい数値まで表示されるので 

発熱の変化がわかりやすくて便利ですね。 


<オムロン>はデジタル式体温計のような 

健康医療機器のメーカーに思えますが 


産業向け制御機器などに強みを持つ 

大手の電気機器メーカーです。 


1933年に 

創業者である立石一真氏が 

<立石電機>を設立した時から始まります。 


1990年に 

現在の<オムロン>に社名変更しますが 

本社のあった京都市右京区花園の通称である 


「御室(おむろ)」という地名から 

命名されたとしています。 


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<オムロン>のビジネスモデル 

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2016年12月に 

<理化学研究所>や<京都大学>などと 

産官学連携してAIの研究に着手しました。 


医療や健康などの分野で 

少ないデータから的確に特徴を分析できて 


様々な分野で汎用的に使える 

高度なAIのソフトウエアを開発します。 


たとえば 

専門家でも見分けることが難しい癌(がん)を 


医療用器具の画像から見つけ出し 

早期治療につなげることが可能になります。 


さらに 

スマホなどのセンサーで集めた 

体調のデータを分析することで 


わずかな異変をキャッチして 

きめ細かな健康管理などができます。 


2017年1月には 

AI(人工知能)を活用した 

生産ラインの制御サービスを始めました。 


中小企業などの生産ラインに入って 

熟練技能者のノウハウなどを分析して 

最適なシステムを構築します。 


このシステムを構築すると 

工作機械の音や振動の変化などで 


故障を予知することができる熟練技能者の 

「匠の技」が可能になります。 


2017年3月期の純利益が 

前期比3%減の459億円でした。 


これは 

油田掘削機の制御機器事業を売却したことや 


米国の自動車向け電子部品が 

減少したことなどが響いています。 


2017年3月には 

米国の医療機器ベンチャーである 

<アライブコア>に出資しました。 


<アライブコア>はウエアラブル型の 

心電計の販売やサービスを手がけていますが 


<オムロン>の強みである血圧計を 

組み合わせた新製品の開発などを狙います。 


さらに 

<オムロン>の販売網を使うことで 

欧州などでも販売拡大させていきます。 


2017年4月に 

工場の製造ラインで発生する故障や不良品を 

AIで予知する制御機器を開発しました。 


センサーで集めた装置の音や 

振動のデータをもとに 

AIが正常な状態の製造ライン動作を学習。 


製造装置のモーターが発する異音など 

故障や不良品の予兆をいち早く発見します。 


これにより

想定外のライン停止や品質低下を未然に防ぎ 

自動車や家電の製造コストの削減ができます。 


2017年7月に 

産業用カメラの国内大手である 

<センテック>を買収して子会社化しました。 


FA(ファクトリーオートメーション)機器や 

産業用ロボットに小型カメラを組み合わせて 


製品の組み立てや 

品質検査を自動化できる機器を開発します。 


2017年6月に 

理研脳科学総合研究センターに 

共同研究拠点を開設して 


工場作業員の疲労度を読み取って 

生産ラインの速度を自動制御したり 


搬送機自身が作業員の動きを予知して 

回避したりする機能を持つAIを開発します。 


5年後に 

このAIを搭載した生産設備や 

搬送ロボットを実用化していきます。 


2017年7月に 

ブラジルのぜんそく治療機器工場で 

家庭用血圧計の生産を始めました。 


所得水準の向上や生活習慣病の増加など 

医療ニーズが高まっている南米で 

シェア拡大を目指します。 


ブラジルは約2億人の人口で 

高血圧の患者は5000万人超。 


血圧計の市場規模も 

年率5%弱で拡大しています。 


2017年7月に発表した 

4~6月期の連結決算は純利益が 

前年同期比96%増で過去最高でした。 


中国や韓国を中心にスマホ工場の 

自動化の需要が活発で 


制御機器事業で 

採算の良い製品の販売が増加しました。 


2017年10月に 

ファクトリーオートメーション機器大手の 

米国の<マイクロスキャンシステム>を買収。 


<マイクロスキャンシステム>は 

FAのカギである2次元コード読み取り装置で 

世界シェア3位でした。 


<オムロン>の産業用ロボットのアームに 

コード読み取り機を取り付けて 


複雑な形状の部品からでも 

情報を読み取れるようにします。 


さらに 

7月に買収した産業用カメラ大手の 


<センテック>の技術と組み合わせて 

高精度な小型読み取り機も開発していきます。 


2017年11月には 

<オムロン><NEC><三菱電機>などの 


6社でIoT化を支援する団体である 

<Edgecrossコンソーシアム>を設立。 


生産設備の近くに置いたコンピューターで 

設備から収集したデータを処理して 


リアルタイムに分析したりするなどの 

仕組みを構築しやすくします。 


6社を含む51社が 

設立時の会員としてスタートしています。 


『IoT化を推進するためには 

 企業や産業の枠を超えた協力が必要』 


と顧問を務める東京大学名誉教授の 

木村文彦氏は話しています。 


<オムロン>は2020年までの 

10年間における長期ビジョンである 

「Value Generation 2020」を策定。 


その事業ドメイン(領域)を…… 


◉ファクトリーオートメーション  

◉ヘルスケア  

◉モビリティ 

◉エネルギーマネジメント 


という4つに定めています。 


では、これから2030年に向けて 

どのようなビジョンをもって進むのか? 


これから作り上げる2030年までの 

長期ビジョンに則った 

ビジネスモデルの構築に期待しています。 


(次回ブログ=5日月曜に投稿します) 

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このことから何を学べるでしょうか? 

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長期ビジョンをもつ企業は…… 

その長期ビジョンに則った 

ビジネスモデルを構築する必要がある。 


そうしなければ 

短期的な収益を追い求めるための 

ビジネスモデルに終始することになるからだ。 

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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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【経営の3原則】 

ミッション:会社の目的 

ビジョン :会社の目標 

バリュー :会社の行動指針 

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【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

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【ビジネスモデル活用法】 

現象をみるのではなく 

本質をみることで 

なすべきことが理解できる 

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【ビジネスモデル発想法】 

今日という日は 

未来のスタート地点である 

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経営コンサルタント(経営12ステップ) 

ビジネスモデルイノベーション協会 

 公認ジュニアコンサルタント 

愛知産業大学 非常勤講師 

中部大学 非常勤講師 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。 

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