こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第206話のテーマは 

『商品開発のポイント』です。 


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繊維メーカーが住宅を建てる 

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2015年11月に 

杭工事施工データ流用問題で 

世間を騒がせた<旭化成建材>。 


その報道をテレビで見ながら 

広告業界のころを思い出しました。 


お世話になったのは 

<旭化成ホームズ>の広告でしたが 


とても質の高い 

ハウスメーカーであると思いました。 


それにしても<旭化成>の名前が 

頭についているので 


<旭化成>グループであることは 

すぐにわかりましたが 


なぜ「ベンベルグ」などの 

繊維メーカーが 

住宅メーカーになったのか? 


少し不思議な気がしていましたが 

調べることはしませんでした。 


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<旭化成>のビジネスモデル 

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<旭化成工業>の社名になったのは 

1946年ですが 


その祖業をたどれば 

1906年の<曽木電気>の 

設立にまでさかのぼります。 


そして<積水ハウス>と同じく 

<日本窒素肥料>から独立しています。 


2001年1月に現在の社名である 

<旭化成>になりましたが 


その社名の由来が…… 

「旭将軍(=木曽義仲)」と 


「生成、変化、発展する」という 

易経であることは知りませんでした。 


その<旭化成>の 

2018年3月期の連結営業利益が 

過去最高を更新する見通しです。 


<旭化成>の事業は 

◉マテリアル 

◉住宅 

◉ヘルスケア 

の3部門ですが 


「高機能樹脂」「繊維」「石油化学品」 

というマテリアル部門の業績が 


それぞれ好調であることが 

営業利益の大幅な伸びになっています。 


2016年4月に 

子会社のデータ流用問題のために 

小堀秀毅氏が社長に急遽就任。 


マーケティング&セールスセンター長を 

それまでに担当していましたが 


社長に就任してからは 

2025年ごろに連結売上高を 

3兆円という目標を掲げました。  


そのための施策として…… 


ひとつは 

繊維や化学品などの事業ごとに 

7社に分社化していましたが 


13年間の踏襲を壊して 

「マテリアル領域」という組織に 

統合しました。 


分社化の成果として 

部門ごとの採算性は高まりましたが 


革新的な製品を生み出す 

「横軸の力」が薄れてしまったため 


研究開発などにおける 

総合力を高めることが目的でした。 


スマホに欠かせない 

「電子コンパス」や 


低燃費タイヤに欠かせない 

「合成ゴム」などは世界トップですが 


次に続く 

主力商品になり得る製品開発が 

あまり出ていないことへの危機感です。 


2つ目は 

ヘルスケア事業(医療関連)の 

事業領域の拡大です。 


2016年11月に 

アメリカのヘルスケア関連の 


<クロノ・セラピューティック>に 

数億円を出資しました。 


今後は医療関連企業に 

年2~3社ペースで投資する計画です。 


3つ目は 

自動車向け事業の拡充です。 


今年10月に 

高機能樹脂の研究開発拠点を 

ドイツに設立しました。 


電気自動車の軽量化につながる 

樹脂部品を開発していきます。 


今年2月には 

中国の国有化学大手である 

<中国化工集団>と折半出資で 


車載用電池などの需要増に対応して 

プラントを建設することを決めました。 


2015年に買収した 

リチウムイオン電池向け絶縁体大手の 

アメリカの<ポリポア>は 


生産能力を25%増強していて 

これから黒字へ転換する見込みです。 


今年7月には 

シンガポールの子会社で 

低燃費タイヤ用合成ゴムの生産能力を 

30%増強することを発表しています。 


4つ目は 

「水素事業」への参入です。 


2015年から稼働する 

実証プラントの稼働時間が 


9500時間を超えて 

水素の安定量産が確認できています。 


水素に変換するエネルギー効率は 

世界最高レベルの90%になるため 


ドイツでの原発停止に合わせて 

水素を製造して供給する計画です。 


このように次々と手を打つことで 

業績を伸ばしているため 


先月11月には 

2019年3月期までの3カ年計画を 

1年前倒しで達成すると発表しています。 


小堀社長が目指している 

旭化成の企業イメージは 


『収益性の高い 

 付加価値型事業の集合体』です。 


小堀社長は 

「自ら市場の変動を読みに出ないと 

 事業の収益性が分からない」 

と話しています。 


マーケティング&セールスセンター長を 

務めていたこともあり


「市場優先型」の経営を 

重視しているように思えます。 


「モノづくり」のビジネスモデルを 

どのように変えていくのかが 

これからの課題であると言えます。 


(*ブログ=土日祝日を除く平日) 

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このことから何を学べるでしょうか? 

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成長する企業は…… 

目の前の利益を追うのではなく 

長期的視野に立って 

将来の有望な事業を 

つくり出している。 


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【経営の3原則】 

ミッション:会社の目的 

ビジョン :会社の目標 

バリュー :会社の行動指針 

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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

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【ビジネスモデル活用法】 

現象をみるのではなく 

本質をみることで 

なすべきことが理解できる 

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【ビジネスモデル発想法】 

今日という日は 

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経営コンサルタント 

中部大学 非常勤講師 

愛知産業大学 非常勤講師 

岐阜県公認コミュニティ診断士 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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新聞などの公開情報に基づいた 

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