こんにちは。
渡邉ひとしです。
第203話のテーマは
『やらないことを決める』です。
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専門家から評価の高いクルマ
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日本最大手の自動車輸入会社だった
<ヤナセ>の2代目会長である
梁瀬次郎氏と一緒に働き
北陸の市場を開拓してきた人が
岐阜県で輸入車専門の
自動車整備会社を経営していますが
私が独立企業後に数年ほど
広告業を営んでいたとき
その自動車整備会社に訪問すると
2時間以上の打合せになります。
とくに物理や工学系に強い
経営者の方なので
その整備会社の独自の技術を
広告で表現する段階になっても
「摩擦係数」や「電子」などの
表現になかなかOKが出ません。
コピーライターが質問すると
その解説は1時間以上にもなるので
担当のコピーライターも
悲鳴をあげるほどでした。
それほど徹底したこだわりを持つ
社長からの評価が高かったのは
<スバル>と<マツダ>でした。
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<マツダ>のビジネスモデル
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1991年から始まった
バブル崩壊により業績の低迷が続き
1996年に<マツダ>は
<フォード・モーター>の
傘下に入りました。
2001年には
早期退職者への応募が
瞬時に打ち切りになるような状態。
その後
新車の売れ行きが良くなり
再建できそうになりましたが
2008年9月の
リーマン・ショックで
ふたたび業積が低迷します。
2010年に
<フォード>が保有株を売却して
提携は実質的な解消。
ここで<マツダ>単独で
再起を図ろうとしたときに
2011年3月の不幸な
東日本大震災が発生したことで
2012年3月期まで
4年連続赤字になりました。
しかし
2012年2月に発売した
小型SUV「CX―5」が
市場でヒットしたことから
それまでの赤字が消えていきました。
これは
自社の強みを発揮した商品開発が
功を奏したと言えます。
今年11月に発表された
2018年3月期の見通しは
売上高が3兆3500億円で
前期比4.2%増。
営業利益が1500億円で
前期比19.3%増でした。
世界の販売台数は4年連続で
過去最高を更新する見込みです。
ここまで何が貢献して
好調にさせているのでしょうか?
ひとつは
「目新しさや価格で需要を喚起する」
という従来の販売手法を変えたこと。
つまり
多くのクルマを販売するため
『(見た目を)変えるために変える』
という方針を180度
転換したということになります。
ふたつ目は
安全機能の標準装備です。
<マツダ>は今年度中に
国内のほぼ全車種で
自動ブレーキなどの
4つの安全機能を標準装備にします。
これは社会的課題に取り組んだ
クルマづくりを選んだことになります。
みっつ目は
「魂動(こどう)」という
デザインテーマを重視しています。
<マツダ>の社内で呼ばれている
「六位一体開発」という新手法は
開発、生産、品質、購買、
物流、サプライヤーの6分野が
企画段階から分野を横断して連携し
開発するという共創システムです。
このシステムにより
開発から量産に至るまでの分野で
デザインのこだわりが踏襲できます。
「デザインが会社を変える」
というものづくり思想の徹底です。
このように「やらないこと」と
「やること」を明確にしたことで
値下げをしないで
販売台数を成長させる体制ができ
2020年3月期からは
「構造改革」から「成長フェーズ」への
転換を目指す中期計画に取り組みます。
今年8月には
<トヨタ>と<マツダ>の
資本提携が発表されました。
ガソリン車から電気自動車への
シフトが急速に進み始めていることと
その先にある
「自動運転」も視野に入れた研究開発を
共同で進めていこうとしています。
<マツダ>にとっては
「第2フェーズ」に入りますが
どのような成長フェーズの
ビジネスモデルを描けるのか。
<マツダ>のこれからの進化から
しばらくは目が離せません。
(*ブログ=土日祝日を除く平日)
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このことから何を学べるでしょうか?
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業績回復する企業は……
自社の強みに集中して
強みを打ち出すことができる。
自社の現状を見直して
やめることと
やることを明確にし
具体的に取り組む行動をする。
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