こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


今日のテーマは 

『大改革の英断ができるひと』です。 


—————————————————— 

地元エリアにあるリゾート施設 

—————————————————— 


愛知県蒲郡市にある 

複合リゾート施設『ラグーナ蒲郡』。 


中京圏のひとたちには 

この名前が浸透していると思います。  


しかし 

2014年11月に施設名称が 

『ラグーナテンボス』に変わり 


長崎県佐世保市にある 

<ハウステンボス>と 

姉妹施設になりました。 


この敷地の一画には 

中京圏の有力企業が出資した 


全寮制の中高一貫の男子校である 

<海陽中等教育学校>があります。 


また 

<トヨタ自動車>の設立した 

<ラグナマリーナ>が所有する 


中部地区最大級のマリーナも 

この敷地内にあり 


<ラグーナテンボス>による 

今後の開発が期待されています。 


—————————————————— 

大改革をやらなければならない 

—————————————————— 


<ラグーナテンボス>の 

代表取締役社長は巽泰弘氏ですが 


その母体となる企業は 

<エイチ・アイ・エス>であり 


その社長は 

創業者の澤田秀雄氏です。 


2004年に澤田氏は 

社長を退き会長になりましたが 


昨年11月に 

社長を兼務する会長として 

ふたたび社長に復帰しました。 


これは創業者にしかできない 

「組織の改革」が目的で 


いま<エイチ・アイ・エス>は 

おおきな転換期を迎えています。 


澤田氏は 

西ドイツへ留学していたころ 

イザという時のために 


日本製の時計やカメラを携行し 

換金できるようにしていました。 


その時計やカメラに加え 

各地を旅行したときに 

購入した民芸品なども 


かなり高額で売れたことで 

ビジネスに目覚めたそうです。 


そして1980年に 

<エイチ・アイ・エス>を設立。 


1996年には 

格安航空会社の先駆けである 

<スカイマーク>を設立。 


2010年に 

開業以来18年連続赤字の 

<ハウステンボス>の社長に就任。 


社内や周囲から猛反対された 

<ハウステンボス>への 

社長就任でしたが 


就任してから 

わずか半年で黒字に転換しました。 


それほどの経営手腕を持つ 

澤田秀雄氏が、なぜ今 


<エイチ・アイ・エス>の 

社長に復帰したのでしょうか? 


先ほどもお話ししたとおり 

澤田社長による「組織の改革」です。 


今年になり<HIS>の海外事業は 

<JTB>を抜いて首位になりました。 


それでも大改革を推し進めるのは 

澤田社長の『危機感』でした。 


その『危機感』とは…… 


ひとつ目は 

「スマホでの旅行の注文」です。 


<HIS>の国内店舗は 

すでに300前後ありますが 


インターネットや 

スマホでの予約が増えています。 


この「オンライン旅行会社」が 

世界では急激に成長しています。 


この新しいビジネスモデルは 

「OTA(注1)」と呼ばれています。 


ふたつ目は 

「世界的な旅行会社の売上が 

数兆円の規模」であることです。 


澤田社長のミッションは 

『世界で戦える会社になる』 

ということですが 


そのばあい 

売上高を1兆円にしないと 

世界で戦えないと判断したため 


「3年で売上高1兆円を目指す。」 

というビジョンを掲げました。 


今年度10月期の売上高は 

5800億円を見込んでいますが 


社内の大改革によって 

そのビジョンを実現させる考えです。 


みっつ目は 

「社内に蔓延する保身意識」です。 


 ・インバウンド(訪日外国人) 

・アウトバウンド(海外送迎) 

・海外旅行 

・国内旅行 

・クルーズ 

・海外店舗での旅行 

などなど。 


旅行の種類も 

多岐にわたって拡がっていて 


社員数も1万人を超えているため 

セクショナリズムになり 


事業の縮小や撤退などの 

大胆な決断ができなくなっている。 


これらの『危機感』に対して 

抜本的な改革をするためには 


創業者である「自分」でなければ 

不可能であると判断して 

社長に復帰したのです。 


黒字にさせた<ハウステンボス>は 

「旅行事業」とともに稼ぎ頭です。 


<ハウステンボス>の近くにある 

無人島を2015年に購入して 


拡張現実(AI)技術を使った 

「ジュラシック・アイランド」を 

つくる計画をしています。 


まさに 

スティーヴン・スピルバーグ監督の


映画 『ジュラシック・パーク』の 

再現になるかもしれませんね。 


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

*注1=OTA  (Online Travel Agent) 

 オンライン上で取引を行う 

 旅行会社のこと。 


—————————————————— 

このことから何を学べるでしょうか? 

—————————————————— 

企業が…… 

「セクショナリズム体質」や 

「メタボ体質」になったとき 

大胆な改革が求められる。 


それは 「組織改革」と 

「意識改革」である。 


これができるのは 

有能な経営者だけである。 


=========================== 

【経営の3原則】 

ミッション:会社の目的 

ビジョン :会社の目標 

バリュー :会社の行動指針 

=========================== 

【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

=========================== 

【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

=========================== 

【ビジネスモデル活用法】 

現象をみるのではなく 

本質をみることで 

なすべきことが理解できる 

=========================== 

【ビジネスモデル発想法】 

今日という日は 

未来のスタート地点である 

=========================== 

経営コンサルタント 

中部大学 非常勤講師 

愛知産業大学 非常勤講師 

岐阜県公認コミュニティ診断士 

愛知県商工会連合会 EXPERT講師 

ビジネスモデルイノベーション協会会員 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~