先日、大学の授業で、キャリアデザインの講義をしていました。
僕は若い人が大好きで、彼らと話をしていると気分が高揚してきます。
なぜ、若い人が好きなのか? と聞かれても、
頭で考えている訳ではないので、よく分かりません。
まぁ、無理やり理由を探してみると……
これからの日本を支えてくれるから、
未来に多くの可能性を秘めているから、
教えたいことがいっぱいあるから、
やはり、なんだか、肩が凝りそうな言葉になりますね。
今どきの若い連中は………昔、まだ若い時によく言われた言葉です。
その言葉を聞くたびに、まだ、自分が大人になっていないのだと思っていました。
いざ、自分が、いい歳になったなぁと思う頃に、
大人について、あらためて考えてみたら……
余り、たいしたことないと思いました。
若い頃に、ずいぶん大人だと思っていた40歳になっても、
自分の気持ちはハタチの頃の若い気分でした。
【今までのやり方が、通用しなくなった。】
昭和の頃の、消費の王様は、二十歳前後の若者でした。
高度成長時代を象徴するように、
若者たちには、希望がありました。
何も根拠が無いはずなのに、
自分の願望や欲望は、ある程度、叶えられる!
そんな気持ちを、まだ、持つことができる時代でした。
やがて、昭和から平成になった頃から、
バブル崩壊を受けて、経済の低迷が長く続きました。
失われた20年、と言われる時代がやってきたのです。
その頃から、
高度成長時代のビジネスのやり方が通用しなくなりました。
今日は「若者たち」をテーマに、
マーケティングについて、お話しします。
【マーケティングって、なんですか?】
マーケティングというと何を連想しますか?
セミナーで、この質問をすると…
調査すること、
商品に関係すること、
ビジネスの方法を考えること、
いろいろなイメージを持っている方がいることがわかります。
マーケティングを、ひと言で言うと、『売れる仕組みづくり』です。
そう言えば、最近、よく聞く言葉だよね。
そう思った方も多いと思います。
書店に行けば、そのものズバリ!
「〇〇の売れる仕組み」というタイトルの本を、
何冊か、見つけることができると思います。
マーケティングは、そんなに難しいことではありません。
誰でも、自分で考えることができることなのです。
ということで、本を買って読まなくても、
あなたも簡単に、マーケティングを理解することができるはず、、、
【消費の王様は、若者でしょ!】
先ほどの、「若者たち」に話しを戻しましょう。
高度成長時代の「消費の王様」だった若者たち。
それが変わったのでしょうか?
それとも、変わらないのでしょうか?
果たして、今でも若者たちは「消費の王様」なのでしょうか?
少し調べてみましょう。
全世代の消費支出額の年当たり平均伸び率は、
1984年から2009年までは0.52%でした。
一方、65~69歳は0.97%、70から74歳は0.79%、
75歳以上では0.88%という伸び率になり、
シニア層の消費水準が高いことがデータに出ています。
次に、2000年を基準に見ると、
全世代消費支出額の、1年当たりの平均伸び率は▲0.61%でした。
長引く景気低迷の影響から、マイナスになっています。
なかでも、24歳以下の若い世代では▲1.96%と大きく落ち込んでおり、
若者世代は、2000年以降の消費が減少傾向になっています。
しかし、65~69歳は0.01%、70歳以上は0.04%増とほぼ横ばいで、
シニア層は、若者に比較すると豊かな消費傾向が続いていることが分かります。
どうですか?
あなたのイメージは合っていましたか?
若者が、消費の牽引役から後退していましたね。
【社会が変わると、仕組みも変わる!】
マーケティングとは、売れる仕組みづくりだと言いました。
では、「売れる仕組み」とは、
具体的に言うと、何を指しているのでしょうか?
具体的には、3つあります。
1つは、商品やサービスです。
2つ目は、お客様です。
そして、3つ目が、商品を提供する方法です。
一昔前まで、商品はお店の店頭で売っていました。
イトーヨーカ堂も、大きな店舗を構えていました。
やがて、通信販売で、物が売れるようになりました。
ニッセンなどが通販で売上を伸ばしていきました。
コンビニでも、いろいろな物が売れていくようになりました。
セブンイレブンは全国(沖縄除く)に店舗を持つようになりました。
インターネットの普及で、インターネットでも物を買うようになりました。
誰もがスマホを持つようになると、気軽にネットで購入し始めます。
セブンネットショッピングや、ぴあがネットで販売します。
さぁ、いかがですか?
今まで、名前のあがった企業を見て、
あなたは、何か気付いたでしょうか?
そうですね。
すべての企業名が、セブン&アイ・ホールディングスの会社ですね。
セブン&アイ・ホールディングスは、時代や社会が変わるたびに、
「売れる仕組み」を変えてきました。
つまり、マーケティングを導入して、「売れる仕組み」を新たに考え、
その仕組みに合わせて、会社を設立したり、統合したりしてきたのです。
そして、今では、グループ内の各業態の「売れる仕組み」を整理統合して、
オムニチャネル戦略を展開しています。
これが今後の、小売業におけるビジネスモデルになるのか?
それは、これからの成り行きを見ていくことにしましょう。
【お客様の変化に対応させる。】
マーケティングを導入することで「売れる仕組み」はできますが、
お客様のモノを買うときの気持ち(購買動機)や、
お客様がモノを買う方法を変える(購買手段)ことで、
マーケティングを変化させていく必要があります。
なぜなら、
お客様の変化に対応したマーケティングでなければ、
「売れる仕組み」とは言えないからです。
セブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長の口グセは、
「常にお客様を見ていれば、自分たちが、次に何をすれば良いかが分かる。」
これこそが、マーケティングの極意ではないでしょうか。
あなたの大切な会社に、常に正しいマーケティングを導入する。
そして、速やかに行動して、マーケティングを実行する。
これで、あなたの会社のアカルイミライは約束されることでしょう。
【まとめ】
消費の王様は、若者からシニアへと変わってきている
マーケティングは、それほど難しくない
マーケティングは、お客様の変化に対応させていく